ものごとを学ぶ過程で言語化というのを大事にしています。
言語化は、学びのプロセスの一部である「教える」際にも重要です。
Step1 言語から学ぶ
ものごとを学ぶときに、見よう見真似で学ぶこともありますが、基本的には言語(ことば)を聞いたり、読んだりして学びます。
いわゆるセミナーや読書です。
体系だてた言語から学ぶのは、自分で手探り状態で学ぶよりも効率がよくなります。
ただし、なんでもいいわけでもなく、自分にあったもの、よりよくまとめられたものを見つけることが大事です。
これが学びのStep1といえます。
学校で言うと、授業がこれにあたりますね。
Step2 言語→非言語化
学びのStep2は、言語から学んだものを自分のものにする過程。
この過程では、言語が自分に染みついて、非言語化することが多いです。
いわゆる習慣になる、自然とできるようになる、無意識にできるという段階といえるでしょう。
授業で学ぶこともそうですし、仕事のやり方もそうです。
いちいち考えずにできるので、ここまで来ると非常に楽になります。
通常は、ここで学びの過程が終わることが多いでしょう。
Step3 非言語→言語化
言語化=教える→学び
スーパーサイヤ人3があるように、学びには、さらに上のStepがあると考えています。
それは、非言語として自分に染みついたものを、再度言語化する過程です。
この過程を、俗に「教える」といいます。
「教えるのが一番勉強になる」というのはおおげさではありません。
自分が無意識にできること、当然のようにできることを、再度言語化するのは非常に大変ですが、自分の成長にもつながります。
学びの段階をグラフで示すと、Step1からStep2の言語→非言語化の傾きよりもStep2からStep3の非言語→言語化の傾きの方が急で、大きく伸びるのです。
Step2で終わるのは非常にもったいないでしょう。
仕事のやり方でも、自分の知識でも、どんどん言語化することにより、学びが促進されるのです。
言語化したものは、他者の学びのStep1になります。
この流れをつくると、全体の学びも促進されることになるのです。
言語化の例
言語化、いいかえるとアウトプットには、このブログやメルマガ、セミナー、書籍などがあります。
そこまでいかなくても、ちょっとした情報やノウハウをテキスト、パワポなどの1枚にまとめることも該当します。
日々の仕事に追われ、なかなか時間がとれない場合でも、言語化してまとめるトレーニングを地道に続けてみましょう。
ただ、やはり言語化は大変です。
税務・会計分野もそうですが、ExcelやITなどについても、非言語の状態(普通にできている、理解している)から言語化するのは骨が折れます。
それでも、言語化しなければ伝わりませんし、言語化スキルは上がりません。
苦労してでもやる価値はあります。
プライベートでの言語化
今回の話は、仕事に限ったことではありません。
プライベートでも該当します。
最近、言語化に挑戦しているのは、マラソンやトライアスロンです。
マラソンでは、ランチームを作り、情報やノウハウを共有しています。
これまで自分がやってきたこと、考えたことを言語化するのは大変ですが、やりがいがあります。
言語化したことにより、走り方やレース中の戦略、気をつけるべきことをより深く考え、自分の走りもよくなってきました。
「やってみればわかる」
「とにかくがんばる!」
「かんたんだよ」
なんていうだけでは伝わりませんし、面白くないです。
達人でなくてもいい
言語化するときに気をつけるべきことがあります。
それは「達人」になってから言語化しようとしないことです。
ブログを2,300日続けてきて悟ったことでもあります。
(昨日で2,300日でした)
どんな分野でも「達人」、自分より詳しい、自分よりレベルの高い人はいますので、「自分が言語化するなんて・・・」と思われる方も多いでしょう。
「達人」になるまで待っていたら一生言語化はできません。
自分が何か学んだら、何か習得したら、その段階ごとに言語化すれば大丈夫です。
まったく初心者の方は、どの分野にもいますし、必ず誰かの役に立ちます。
「達人」だからといって、言語化をやっているわけではなく、言語化のスキルが高いわけでもありません。
むしろ自分だけの非言語化されたノウハウや知識を外に出さないケースも多いのです。
言語化しなくても学び続けられ、成長できる方も多いと思いますが、私は言語化した方が学びの効果が上がるタイプですので、言語化を続けていきます。
何よりも他者に少なからず貢献できるのがうれしいですし、楽しいですからね。
税理士でも、ITでも、Excelでも、マラソンでも、トライアスロンでも、私よりも達人は山ほどいますが、言語化して貢献することでは負けないようにしたいものです。
楽しくて、ためになり、貢献できる言語化、ぜひやってみてくださいー。
昨日は、Excelマクロ入門セミナーを開催。
新しいMacを使いました。
プレゼンソフトKeynoteもアップデートされて使い勝手がよくなっています。
セミナーでは、個別事例の質問も受け、回答する場面も。
マクロではなくピボットが非常に役に立つ事例でしたので、ピボットも少しレクチャーしました。
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