クレイトン・M・クリステンセン教授がハーバード・ビジネススクールで行った最終講義を記録した本を読みました。
人生で何を大事にすべきかを考えさせてくれる1冊です。
ビジネススクールの最終講義
著者のクレイトン・M・クリステンセン教授は、『イノベーションのジレンマ』『イノベーションのDNA』などの著書で知られています。
ビジネススクールの最終講義というと、それまでのまとめや総評が取り扱われると思いがちですが、教授が最後のコマで話すのは、ビジネスや戦略ではなく、「幸せで充実した人生をどうすればおくれるか」というものだったそうです。
・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるのだろう?
・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるのだろう?
という3つの質問をもとに講義は行われるとのことでした。
ビジネススクールの最終講義で、こういう内容が扱われることは非常に興味深いです。
人生はビジネスだけではなく、やはり他の要素も重要だということでしょう。
自分のものさし
”自分の人生を評価するものさしは何か?”
この問いに対する答えは、本当に人それぞれです。
仕事、家族、プライベート、趣味など、さまざまなものさしがあると思います。
ただ、そのものさしが仕事だけにあててあり、その他の要素にものさしがないことも多いでしょう。
本書にも、こういった記述があります。
”仕事をすればたしかに充実感は得られる。だが家族や親しい友人と育む親密な関係が与えてくれる、ゆるぎない幸せに比べれば、何とも色あせて見えるのだ。”
”わたしたちが最も陥りやすい間違いの一つは、それさえあれば幸せになれると信じて、職業上の成功を示す、目に見えやすい証に執着することだ。もっと高い報酬。もっと権威のある肩書き。もっと立派なオフィス。こうしたものは結局のところ、あなたが職業的に「成功した」ことを、友人や家族に示すしるしでしかない。”
私自身のものさしはなんだろう?と考えてみました。
一言で言うと、「常に選択肢をもつ」でしょうか。
・やりたいと思うことがあったら、それをやるだけの時間とお金と労力を費やせること
・やりたくないと思ったことがあったらそれを選ばなくてすむこと
というのは基準の1つです。
これをやるために独立をしたともいえます。
まだまだ完全ではありませんけどね。
このものさしは自分のものですので、あくまで自己評価すべきものだと考えています。
他人のものさしで判断すると、「職業上の成功」や「目に見えやすい実績」にのみとらわれてしまうでしょう。
私が重視しているもので人にとってはそれほど重要でないものもありますし、他の人にとって重要なものでも、私には必要ないものも多いです。
人に流されず、あくまで自分のものさしを持つべきでしょう。
日々の決定を大事に
自分のものさしにそって日々の決定を大事にしなければいけません。
時間、お金、労力といったものは全体量が決まっているので適切に配分する必要があります。
だからこそ自分のルールを作って自分に厳しくする必要があるのではないでしょうか。
”小さな決定も積み重なると、ずっと大きな事態に発展し、その結果として、自分が絶対なりたくなかった人間になってしまうことがある。”
「これくらいいいや」「今回だけはしょうがない」と私も自分に甘くなる場面があります。
本を読みつつ、反省すべきことも山ほどでてきました(汗)
こういうちょっとしたほころびがいつのまにか蓄積されていくのでしょう。重々気をつけなければいけません。
(すでに蓄積されてしまっている部分も多いでしょう)
”妥協の道に足を踏み入れたら最後、二度と戻れなくなることが多い。起きている時間のなかで、最も長い時間を仕事に費やしていることを考えると、このような妥協は必ず心をむしばんでいく。”
これと関連して、著者のクレイトン教授の言葉で、非常に感銘を受けたものがあります。
”自分のルールを100%守ることのほうが、98%守ることよりもたやすい”
(ハーバードビジネスレビュー2011年 03月号 プロフェッショナル「仕事と人生」論)
以前、ブログにも書きました。
・『プロフェッショナル人生論』ー自分のルールを例外なく守るー » EX-IT
”自分のルールを100%守ることのほうが、98%守ることよりもたやすい” …
ここ最近、ルールを100%守れているか?というとそうではない部分もあります。
自分に少し甘くなりがちだったので、ルールの見直しからやっています。
本書で渇を入れてもらいました。
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