先週の月曜日(1/28)、ご縁があり、声優さん向けの確定申告セミナーを行いました。
今回の確定申告セミナー開催のきっかけ
今回のセミナーは、友人でもある声優・ナレーターの松田佑貴さんからお声かけいただいたのがきっかけでした。
松田さんはNHKほか多方面で活躍されています。
ブログでも取り上げていただきました。
確定申告勉強会に参加|松田佑貴のstep by step
声優さんは事務所に所属しつつ、個人事業主として活動されており、自分で確定申告をしなければいけないのです。
松田さんは、若手の声優さんへのアドバイスもおこなっており、その一環として、確定申告の悩みを解決する場を提供したいということでした。
お声をかけていただき、大変感謝しております。
確定申告、税金は、いきなりふってくる問題です。
義務教育でも習いませんし、簡単に理解できるものでもありません。
私もこの業界にずっと入る前に、訳がわからず、税務署にいったことがあります。
23歳の時、バイトで結構な収入があり、その所得税が返ってくると聞いて、新宿税務署に行きました。
実は管轄があること(当時は西東京市に住んでいました)も知らず、計算も知らず、その場でぱぱっと計算してもらって無事還付してもらったのですが、何か落ち着かずドキドキしたものです。。。
私の場合、比較的簡単なバイト収入の申告だからよかったものの、事業の申告を自力でやるとなると、比べものにならないほど大変だったでしょう。
こういった負担や悩みを少しでも取り除きたいと思い、今回のセミナーに臨みました。
確定申告セミナーで最もお伝えしたいこと
今回のセミナーは3時間。
次のような内容で行いました。
まず、概要として8つのポイントをお話しし、後半で、解説しながら実際に記入していただくという流れです。
第一部:はじめて確定申告をする人のための8つのポイント
1 確定申告のゴールを明確にー最終的に何を作るのかー
2 確定申告の判断は誰がやる?
3 2つの判断基準
4 絶対にやってはいけないこと
5 経費で最ももめるポイント
6 青?白?
7 意外と誤解されている税率のしくみ
8 楽なのはどれ?確定申告書の作成・提出方法
第二部:決算書と申告書への記入・解説
知識や手続きももちろん、最も伝えたかったのは、
【自分で適正な判断軸を持つこと】
です。
確定申告は、自分で判断して税金を計算して申告する制度です。
ある程度のセオリーはありますが、だれもその基準を作ってくれません。
いわば人によって、その基準は異なるのです。
今回の声優さんであれば経費に落ちるものでも、私(税理士)は経費にできないものもありますし、私が経費に落としているものでも声優さんでは落とせないものもあります。
声優さんによっても、落とせるものは異なります。
やっている仕事がそれぞれ違うからです。
声優さんと言っても、舞台もやってらっしゃる方、CDも出している方、イベントに参加している方など様々な方がいらっしゃいました。
「声優」という職業で決めつけて、これはダメ、あれはダメと判断してはいけないのです。
以前は、「声優」というと、声だけの仕事でしたが、今はアイドル並に活躍している方も大勢います。
(今回のセミナー参加者も、みなさん美男美女でした(^^))
声だけでは生き残れない時代になっているのではないでしょうか。
さらにITの発達により、電子音声の技術もどんどんすすんできています。
目の前の仕事だけではなく、先を見た投資や勉強もしなければいけません。
税金上の判断軸も多種多少になってきているのです。
これは、声優さんだけに限りません。
税金上、杓子定規に決められないからこそ、自らに判断の権利を与えられているのです。
セミナー中は具体的な質問(「○○は経費?」など)を受け付けつつ、なぜいいのか、なぜ悪いのかをお伝えしました。
松田さんのブログでは、
”全て自力でやってました。
だから、時には仕訳のやり方が全く分からず、それを調べるためだけに数日かかることも…(汗)←投げ出したくなりました(笑)そんな苦労を味わっているので、昔の私が今回のようなセミナーがあれば、何て助かっただろう…。
と思わずにはいられないセミナーでした。”
と書いていただいております。
(ありがとうございます!)
その他次のような感想をいただきました。
・M.S様
【意外だったこと】
税理士さんによって基準が違う事また、申告書類が読みにくいという事。
税理士さんも確定申告は大変だということ(笑)
税理士さんの平均年齢60歳
確定申告をこなす為のファイリング、毎日にエクセル入力など。
・K.K様
とても為になりました。
何が経費になるのか、どこに何を書けば良いのかはもちろん、
そもそも確定申告とはどういったものなのかを理解できたことはとても良い経験でした。
セミナーに参加しなければ、
声優として、何を、どこまで経費にするのか、自分の中での「ものさし」が曖昧なものになってしまう可能性がありました。
貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
・Y.S様
知らないことは詳しく、知っていることはさらに深く教えてくださったので、大きな知識を得ることができました。間違った解釈をしていたことも多かったので、知ることができて助かりました。
・M.S様
どこまでが 経費なのか、始めに、自分で軸を決めて 振り分けることが大事だとわかりました。ちゃんと説明出来るだけの明確な理由が必要。あたり前ですが改めて実感しました。
iPadを使ってみました
決算書、申告書を書くパートでは、iPadを使いました。
使ったアプリはUPADです。
(書籍や原稿の校正にも活躍しています)
あらかじめPDFで資料を取り込んでおき、
プロジェクターにつなぐと、このように表示でき、書いた文字が反映されます。
(写真はイメージで、ディスプレイにつないだものです)
拡大・縮小も簡単にできます。
昔のOHPのような感覚です。
(今もありますが)
もし、このようなセミナーをご希望であれば、開催します。
(8名まででいたら、当事務所をお使いいただけます)
こちらからお問い合わせをお願いいたします。
http://www.inouezeirishi.com/inquiry/
昨日は予定していたハーフマラソンをキャンセル。
先週の新宿ハーフマラソンで燃え尽きたことや、再来週に控えたフルマラソンを考慮したこと、他のタスクがたまりがちだったことが理由です。
オフィスへ行き、設備投資もしました。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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