はじめて会計ソフトを使う方向けに、その基本とポイントをまとめてみました。
題材にするのは、弥生会計です。
消費税、残高などの初期設定
今回の記事は、ひとり社長(法人)が会計ソフトをはじめて使うケースを取り上げています。
消費税は免税、サービス業という仮定です。
データ作成
弥生会計を立ち上げ、データを新規作成します。
会社名を入力します。
[法人/一般]を選びます。
期と決算月を選びます。
間違えても修正ができませんので、その場合は削除して最初から作り直しましょう。
このオプションは、通常必要ないので、そのまま次へすすみます。
これもスルーして大丈夫です。
これもスルー。電子帳簿(データ保存)には、届出が必要ですし、税務調査時には結局印刷しなければいけません。
保存先を選択します。ここでDropboxを選べば、データ共有でき、勝手にクラウド化できます。
データを確認して、
設定完了です。
次に消費税を設定しておきましょう。
免税ならば[消費税申告を行わない(免税事業者)]を選択します
ここで設定をいったん完了します。
科目設定
勘定科目(科目)を設定していきます。
『ひとり社長の経理の基本』『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』にも書いたとおり、科目は自由に決めても大丈夫です。
使いやすい科目に設定しましょう。
社長自身が理解できない科目で記録しても意味がありません。
メニューの[設定]→[科目設定]又は
アイコンから[科目設定]を選びます。
(ショートカットキーは、Alt→S→K)
まずは、使わない科目は消してしまいましょう。
弥生会計では、現金だったら、「gen・・・」と入力すると出てきます。余計な科目があると、別の候補が出てきて入力効率が落ちるのです。
F9キーで削除できます。
間違って消してしまったら、あとで追加すれば大丈夫です。
科目の追加は、F8でできます。
たとえば、「セミナー費」をいう科目を追加したいなら、「セミナー費」といれ、「semi」と入力すれば出てくるように設定しましょう。
社長が立て替えた場合の「役員借入金」も固定負債の部分に作っておきましょう。
この科目設定は、経理効率化の有効な方法の1つです。
使い始めた後も、ちょくちょく見直していきましょう。
なお、科目には補助科目といって、その内訳を管理できます。
たとえば、普通預金なら、ゆうちょ、楽天などを設定し、
それぞれで残高を管理します。売掛金も補助を使うと便利です。
科目残高の入力
2期目以降の入力の方(前期は税理士事務所に頼んでいた場合も含む)は、科目残高を入力します。
メニューの[設定]→[科目残高入力]で行います。
前期の決算書を見て、残高を入力していってください。
預金、売掛金、買掛金、資本金などがあるはずです。
日々の入力は、出納帳か仕訳帳で
日々の入力は、出納帳か仕訳帳で行います。
おすすめなのは、預金は出納帳、その他は仕訳日記帳で入力する方法です。
預金出納帳なら、残高を確認しながら入力でき、
仕訳日記帳で、画面を切り替えずすべての取引を入れることができます。
※ネットバンクを使っていれば、Excelを使っての取込や連動して取込もできます。
昔の名残で伝票を使って入力する場合が多いのですが、それは紙の時代の話です。
どう入力しても最終的に集計してくれる会計ソフトなら、楽な方法で入力した方がいいでしょう。
比較的新しい考えを持つクラウド会計ソフトも、伝票入力がメインなのは残念です。
(残高を確認しながらの入力もできません。ネットバンクで完全連動すればいいのですが、そうもいかない現段階では使いづらいといわざるをえないのです)
役員借入金(社長が立て替えたもの)も、仕訳帳で入れてしまいましょう。
最後に数字をチェック
入力するのは日々やった方が楽です。
レシートがたまると、余計にめんどくさくなります。
入力したら、預金の残高はあわせておきましょう。
(理想は、現金残高をあわせることですが、ひとり社長は、プライベートの現金と会社の現金をわけるのも大変なので、役員借入金で処理することをおすすめしています)
その他、チェックすべきなのは推移表です。
[集計]→[残高試算表]→[年間推移]
(ショートカットキーは、Alt→R→S→Y)
まずは貸借対照表を見て、マイナス残高がないか確認しましょう。
貸借対照表の数値は原則マイナスになりません。
例外として、貸倒引当金はマイナス表示となります。
それ以外で、マイナスがあれば、入力が間違っている可能性があるのです。
ここで、預金残高もあわせておきましょう。
(預金は月1回入力でもかまいません。勝手に記録してくれるからです)
次に損益計算書を見ます。
自分の感覚と数字があっているかを確認してください。
「こんなに利益がでているはずがない」「もっと利益がでているはず」と思うときは、入力が間違っている可能性があります。
さらに、各月で大きな変動がないかを見ていきます。
大きな変動があれば、詳細をみてみましょう。
現実に変動があるのか、入力を間違っているのかを確かめる必要があるのです。
まとめ
経理はこの繰り返しです。
設定→入力→確認、そして設定の見直し。これを日々やってみてください。
自分の数字で覚えるのが、数字に強くなる一番の近道です。
数字をわかると、数字を見るのが楽しくなります。
そして、業績を上げると、数字を見るのがさらに楽しくなるのです。
クラウド会計ソフトでも、同様の流れですので、ぜひ試してみてください。
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