新刊『フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本』が発売されました。
フリーランス・ひとり社長が、どうやってExcelを使っていくかを書いた本です。
※自宅にて iPhone 7 Plus
使っているExcelの機能は、20年間そうそう変わっていない
Excelと出会ったのは、1997年の4月。
はじめての職場、総務省統計局です。
「早く帰りたい」という一心で、Excelスキルを独学で覚え、仕事のスピードを上げてきました。
幸い、Excel(と統計プログラム)をガンガン使う部署だったので、より効果的だったわけです。
当時覚えたのは、
・関数(IF、VLOOKUPなど)
・ピボットテーブル
・グラフ
・マクロ
など。
2000年に統計局を辞め、税理士の道に入り、税理士業務・経理業務でもそのExcelスキルを活かしてきました。
そのときも使っていたのは、
・関数(特にVLOOKUP)
・ピボットテーブル
・グラフ
・マクロ
もちろん、ほかのスキルも試し、身につけていますが、主力となるのはこれらのスキルです。
その間、Excelも2000→2002→2003→2007→2010→2013→2016と進化してきましたが、これらのスキルは変わらず使えます。
多くの技を使うよりも、使える技をとことん使って、磨いたほうが、仕事上は効果があるものです。
その「使える技」は、やはり
・関数(特にVLOOKUP)
・ピボットテーブル
・グラフ
・マクロ
私が2010年に出した『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』も同じ考え方で書いています。
そして、このたび新刊『フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本』を書きました。
同じく経理をテーマにした本ですが、フリーランス・ひとり社長にしぼり、
・食べていくために必要な数字の管理
・数字の見方
・経理効率化のために必要な考え方
というものを書いています。
Excel新刊の60%以上を基礎スキルにした理由
『フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本』は、296ページです。
前述したスキル、関数・ピボットテーブル・グラフ・マクロはもちろん取り上げています。
その296ページのうち、60%以上は、基礎スキルです。
基礎スキルが大事
1章 フリーランスとひとり社長がエクセルをさわる前に読んでほしいこと
2章 1分でも仕事を早く終わらすためにマスターしておきたい基本操作
3章 効率的な作業を実現するデータを作るテクニック
そして、
4章 エクセルを使った経理業務の合理化のポイント
6章 エクセルのもう1つの使い道 マクロを使った省力化
も基礎的な考え方を書いています。
そのため、Excel本でありながら縦書きにしていただきました。
(その関係で、タイトル、文章内は「エクセル」という表現です。ブログでは「Excel」で統一しています)
独立後、セミナーやコンサルティングを提供していて感じるのは、やはり基礎的な考え方の差です。
Excelの技の種類ではありません。
関数を300個使えたり、Excelの機能を多く使っていたりしたほうが派手ですが、実際に使えるというと別の話です。
もちろん、私も使っていません。
(私の知らない便利な機能がもっとあるのかもしれませんが)
・データとして考える
・手書き時代の名残を捨てる
・見た目にこだわりすぎない
・操作スピードを磨く
・データをきれいに作る
・Excelのしくみ、くせを理解する
といったことが大事なのです。
その意味で、
「6章 エクセルのもう1つの使い道 マクロを使った省力化」
を入れました。
実は、編集者さんともさんざん議論したところで、私がどうしても入れたいと懇願して入れた章です。
マクロのほんのさわりですが、これを知っておくとExcelの見方がかわります。
経理とは
たとえば、7月のデータと8月のデータが別のファイルにあったら、前月のデータを確認するときに、別のファイルを開かなければいけません。
1年、12か月だったら12個のファイルです。
合計するのも大変でしょう。
これがシートに分かれていても同様です。
ましてや紙で数字を管理していたり、税理士に任せきりにしていては、いつまでたっても数字を理解できません。
できる限り1枚にシートにデータを集め、それを集計、分析できるようにしておくべきなのです。
もちろん、すべてをExcelでこなすわけではなく、請求書作成ソフト、会計ソフト、レジデータ、ネットバンクデータなどと組み合わせて使います。
その組み合わせのアイデアにつながるのが、「データ」という考え方なのです。
単に、紙の資料をExcelに清書するだけでは意味がなく、自分の資産としてデータを扱うためのツールとしてExcelをとらえています。
フリーランス・ひとり社長は、風が吹けば倒れる、風が吹かなくても倒れるもの。
数字を日々見て、今後のことを考えなければいけません。
私も数字を日々見ており役立てています。
その前提として、日々のお金の動きをデータにする必要があり、それも含めて「経理」なのです。
「経理」とは「経営管理」。
あくせくデータを記録するだけが経理ではありません。
「5章 集まったデータを分析して経営に役立てる」では、私がやっている「経理」を書きました。
・売上をグラフでざっくりかつ明確にとらえる
・売上の種類別(書く仕事、話す仕事など)にグラフをつくる
・目標と実績を比較する
・売上の獲得ルートを分析し、営業戦略を練る
・過去のデータの推移をみて、今後の方針をたてる
・Excelデータを会計ソフトに取り込む
・前期と比較する
・決算がどうなるか予測する
・これまでの資金繰り、これからの資金繰りをみる
・一喜一憂せずに中長期的な視点で数字を見る
などといったことを書いています。
『フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本』
目次はこのようなものです。
地味な話が多いのですが、ぜひじっくり読んでいただければと思います。
世の中、大事なのは地味な話であることが常だと思いますので。
1章 フリーランスとひとり社長がエクセルをさわる前に読んでほしいこと
1 エクセルは全機能の「2割使えれば」それで充分
2 自分だけが見る表に「外資系っぽい見た目」はいらない
3 エクセルを使うときには電卓とテンキーは使わない
4 関数やマクロよりもピボットテーブルを使いこなせ
5 「なるべく数値を自分で入力しない」しくみを作ろう
6 他のソフトを使ったほうが便利なときは素直にそっちを使う
7 操作スピードをアップをする最強の方法→「道具にこだわる」
8 エクセルの最大の敵は「テキトーに作られている表」
9 習得すべきエクセルのスキルとは?
2章 1分でも仕事を早く終わらすためにマスターしておきたい基本操作
1 マウス操作はスピードダウンの元凶
2 タッチタイピングを覚えると操作スピードはアップする
3 マウスの操作を劇的に減らす基本のキー操作
4 [OK]ボタンと[キャンセル]ボタンはクリック厳禁
5 「ショートカットキー」でマウス操作を劇的に減らす
6 コピーを極めれば作業の効率が格段にアップする
7 大量のデータを扱うときに役立つテクニック
8 「アクセスキー」でリボン選択をキーボードで行う
9 「開く」「閉じる」「保存」のスピードアップを図ろう
10 間違ったデータを入力しない/させないテクニック
11 マウスのほうが速く操作できる機能は素直にマウスで
3章 効率的な作業を実現するデータを作るテクニック
1 ブックとシートの使い方で作業の難易度は決まる
2 入力されたデータの量とエクセルファイルの関係
3 作業の無駄をできるだけ省くシートの使い方
4 日付書式の罠
5 日付を効率的に扱うテクニック
6 作業効率が数倍アップするデータの入力のしかた
7 入力済みのデータを整える便利なテクニック
8 きれいなデータを自動的に作るテーブルをマスターしよう
9 データ作成時に陥りやすいトラブルと解決策
4章 エクセルを使った経理業務の合理化のポイント
1 経理業務を面倒にしない方法とは
2 分けにくい事業のお金と家計を1枚のシートで管理する
3 売上データはなるべく手間をかけずに入力できる方法を考える
4 領収書・レシートのデータは1枚のシートにまとめよう
5 すべてのデータを1枚にまとめたシートは宝の山
5章 集まったデータを分析して経営に役立てる
1 グラフの7割は[Alt]+[F1]で作る棒グラフで事足りる
2 3期比較の売上グラフを作る
3 分野ごとの売上割合の円グラフを作る
4 条件付き書式でコンパクトなグラフを作る
5 目標と実績の比較グラフを作る
6 関数を使わずに小計を求める
7 売上明細データを年月別・期別に集計する
8 売上明細データから売上の獲得ルートを把握する
9 分析のための会計データをエクセルに取り込む
10 前年対比の損益計算書を作る
11 損益の月次推移表を作る
12 決算予測・決算見込を作る
13 年別推移を見てみよう
14 資金繰り表、資金繰り予測表を作る
15 移動年計表を作る
6章 エクセルのもう1つの使い道 マクロを使った省力化
1 マクロの使いどころ
2 マクロを書く下準備
3 マクロファイルの保存方法、開き方
4 マクロを実行する4つの方法
5 ネット上のマクロを自分のファイルに流用する方法
昨日は、午後に離乳食教室へ参加、夜は、『ひとり税理士のIT仕事術』出版記念セミナー
&懇親会を開催しました。
来週は名古屋、大阪で開催します。
本が、書店・Amazonに並ぶのはもうちょっとかかりそうですが。
【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」
八丁堀セミナールーム
Surface Laptopでセミナー開催
八丁堀ロイヤルホスト
離乳食教室
【昨日の娘日記】
離乳食教室へ参加。
テンションが高かったり、ぐずっていたり。
立ってだっこしながら聞いてました。
歯の話も。
6か月ごろに生えるそうで、楽しみです。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本
「繁忙期」でもやりたいことを諦めない! 税理士のための業務効率化マニュアル
ひとり税理士の自宅仕事術
リモート経理完全マニュアル――小さな会社にお金を残す87のノウハウ
ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
税理士のためのRPA入門~一歩踏み出せば変えられる!業務効率化の方法~
やってはいけないExcel――「やってはいけない」がわかると「Excelの正解」がわかる
AI時代のひとり税理士
新版 そのまま使える 経理&会計のためのExcel入門
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方