日々の経費を会計ソフトに入力してもいいのですが、使いやすいExcelに入力した方がラクです。
しくみを作れば、会計ソフトへ取り込むこともできます。
Excelの経費データを弥生会計に取り込む方法をまとめました。
Excel取り込み(インポート)のしくみ
CSVを使おう
弥生会計のヘルプを見ると、インポートについてこう書いてあります。
いろいろ書いてありますが、私はこの通りにやったことはありません。
このとおりに作っていたら、手間がかかるからです。
テキストファイル(メモ帳、テキストエディットなど)で作るのなら、項目の区切りでカンマをいちいち入力しなければいけません。
しかし、カンマで区切られたデータとして、CSV(Comma Spread Value)という形式が別にあるのです。
そして、このCSVファイルはExcelで開くことができ、ExcelファイルをCSVファイルとして保存することもできます。
弥生会計へインポート、弥生会計からエクスポートをCSVでやった方が簡単です。
私がずっとそうやっています。
(弥生会計のヘルプもそう書いてあればいいのですが)
インポートの基本
データのやりとりは、仕訳データでやります。
伝票形式でもできないことはありませんが、おすすめしません。
複合仕訳は、諸口を使って1つの仕訳にしておきましょう。
基本は、弥生会計からエクスポートした形式なら、そのままインポートできます。
いったんエクスポートして、Excelで編集、追加し、CSVで保存すればインポートできるのです。
まずはこれをやってみましょう。
①仕訳日記帳を開いて、[ファイル]→[エクスポート]をクリックします。
(ショートカットキーはAlt、F、Eです。1つずつ順番に押してください)
②ここで、エクスポート先にファイルをしていしますが、「.txt」ではなく、
「.csv」としましょう。
③CSVファイルとしてエクスポートされます。
④次にそのままインポートしてみましょう。
仕訳日記帳を開いて、[ファイル]→[インポート]をクリックします。
(ショートカットキーはAlt、F、I)
⑤ボックスが表示されたら、[参照]をクリックします。
その後の画面が、イケてないのです。
右下に[テキストファイル]と設定されているので、該当フォルダのテキストファイルしか表示されません。
CSVは出てこないのです。
[すべてのファイル]に変更すれば、CSVも表示されますので、選択してください。
⑥エラーがなければインポートできます。
今回の場合はそのまま取り込んでいるのでエラーは出ないはずです。
弥生会計に登録されていない科目、課税区分が出てきたら、インポート時に設定できます。
Excelで弥生会計インポート用データを作る
Excelでインポート用のデータを作るには、次のような方法があります。
難易度☆ エクスポートした形式で入力
先ほどエクスポートした形式で入力すれば、インポートはできます。
入力しづらいのが欠点ですが、最初はこれで練習するといいでしょう。
次のステップは、Excelでどんな形式で入力しても、取り込めるようにします。
たとえば、こういったデータを取り込みます。
難易度 ☆☆ 並べ替える
社長の立替経費だとすると、取引の右側は、「未払金」や「役員借入金」となり、固定されますので、比較的簡単です。
(預金や現金出納帳だともっと難しくなります)
1つめの仕訳は、消耗品費 108 役員借入金 108となります。
これを、弥生会計の形式に並べ替え、必要なデータを追加すればいいのです。
難易度☆☆☆ 数式で連動
毎回並べ替えるのは大変です。入力し直した方がはやいということになってしまいます。
そこで、インポート用データを自動的に作る方法を考えてみましょう。
日付の場合、「=A2」という数式を入れます。
借方勘定科目は、「=B2」です。
消費税額は、「=INT(8/108)」といれましょう。
※INTの方が簡単に入力できます。課税仕入と対象外で、場合分け(if)をしなければいけないと思うかもしれませんが、弥生会計はコードが対象外なら、消費税額が計算されていても、0で取り込んでくれます。
消費税免税の場合は、0といれれば大丈夫です。
数式を入れるのは、黄色い部分だけですので、後は固定で入力します。
Excelの経費データの分だけ、この数式をコピーするのを忘れないでください。
私はこのコピー部分をマクロを使ってやっています。
ExcelをCSVで保存する方法
つくったインポート用データをCSVで保存します。
上記のシートをそのままCSVにしようとすると、こんな警告がでます。
シートを複数作れるExcelと違って、CSVは1枚のデータです。
さらには、このシートには、余計なデータ(Excelで入力したデータ)もありますので、取り込み時にエラーが出てしまいます。
そこで、該当部分だけ、新規のExcelにコピーして、これをCSVにする方法を使いましょう。
この方が間違いがないです。
① 該当部分をCtrl+Cでコピーします。
②Ctrl+Nで新規ファイルを開きます。
③Ctrl+Vで貼り付けます。数式がくずれエラーが出ますので、値のみ貼り付けに変えます。
Ctrlを押して、次にVを押せば、値のみ貼り付けになります。
右クリックして[形式を選択して貼り付け]→[値]を選んでもいいのですが、私はこっちの方が好みです。
④このままだと、D列の日付が、数値形式になってしまっています。ここを日付にしないと弥生会計でエラーがでるので変更しましょう。
D列を選択して、
Ctrl+Shift+3で日付に変わります。
⑤CSV形式で保存します。CSVで保存した後、ファイルを閉じておかないと、バージョンによっては弥生会計でエラーが出ます。
閉じると保存を一度にやりましょう。
Ctrl+Wを押し、
Enterを押すと、保存ボックスが出るので、
Tabを押し、半角英数モードで、C(CSVの意味)を押します。
次のような警告が出るので、かまわずEnterを押してください。
これで保存できます。
このデータを弥生会計でインポートしてください。
まとめ
流れを動画で作ってみました。
サンプルファイルはこちらです。
サンプルでは、消費税コードをVlookup関数で自動表示させています。
EX-ITサンプル Excelから弥生会計へインポート
「会計ソフトに入力した方がはやい!」という方もいらっしゃるでしょう。
私は、Excelの方が使いやすく、速く入力できます。
会計ソフトの入力が速くてもその他に使えるところはありません。
Excelの操作が速くなれば、他の仕事も速くなります。今回ご紹介した方法でショートカットキー使ってすばやく操作する方法を身につけてみてください。
動画くらいのスピードでできるようになれば大丈夫です。
私は、この操作もめんどくさくて、マクロで自動化しています(^_^)
マクロについては、別途紹介する予定です。
・Excelデータを会計ソフトにインポートするデータ形式【弥生会計の場合】 | EX-IT
・Excelデータを会計ソフトにインポートするデータ形式【弥生会計の場合】 | EX-IT
会計ソフトでExcelデータを取り込む場合のエラーパターンと対処方法 | EX-IT
預金データを会計ソフトに取り込む方法(基礎編) | EX-IT
会計ソフトにExcelを取り込む場合には、数式連動が楽。 | EX-IT
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