2018年12月6日、『新版 そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』を出しました。
当初出したときから8年。
この8年で変わったことも変わらないものもあります。
※自宅にて Pixel3
新版を出した経緯
2010年8月に『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』を出しました。
私がはじめて出した経理業務に使うExcelに関する本です。
当時、独立3年目。
Excelのおかげで、効率化できていましたし、それまでの人生(公務員、税理士事務所)でもExcelは大活躍でした。
Excelの魅力は、
・工夫次第で自分好みに使える自由度
・多くの方が使っている汎用性
・他のシステム、ソフトと比較すると安い値段
でしょう。
もちろん、今でも毎日使っています。
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』(以下「旧版」)は、その後、ありがたいことに重版を地道に続け、書店にもおいていただいていました。
ただ、当時のExcelのバージョン(2002、2007)をベースにしていたこともあり、古さがあったのも事実です。
「書き直したいなぁ」と思いつつ、機会をうかがいつつ、2016年4月ごろに新版の案を出してはいました。
そのときはタイミングが合いませんでしたが(そのまま重版となりました)、2017年10月に新版を出せることが決まり、執筆をスタート。
1年ちょっとかけて完成したのが、『新版 そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』です。
2010年8月→2018年12月で変わったこと
通常、「新版」というと、従来のものに必要な修正を加えて…‥となります。
執筆スタート時にも、編集者さんから「(旧版に)赤字を入れてもらえれば大丈夫ですよ」という話でしたが、 この8年で変わったことは多く、そうそう終わらないかなとは思っていました。
Excelのバージョンは、2002→2003→2007→2010→2013→2016→2019と変わってきています。
さらに月額(年額)課金のOffice365が出てきて、常に最新バージョンを使えるというサービスも出てきました。
そして何よりも変わったのは私です。
伝えたいこと、伝え方が変わってきました。
実は、Excel関係のセミナーを最初にやったのは、2011年1月。
本を出したあとです。
税理士業ではExcelを使っていましたが、当時伝えることは「ブログ=書く」だけだったのです。
もちろん今に至るまでブログでもExcel記事を書き続け、得たものもあります。
さらには、セミナーや個別コンサルティング といった「話す」をやることにより、伝えたいことや伝えるべきことが変わってきました。
今回は、
・基本をより充実させる
・経理の流れにそった事例にする
・ブログやセミナーでのフィードバックを活かす
といったことを組み込んでいます。
その結果、ほとんど新規で書きました。
この項目だけはそのまま使えるかなとしましたが、結局、加筆や画像のつくり直し(本の画像はすべて私がスクリーンショットでつくっています。注釈等は出版社のほうです)をしています。
ごっそり変えたので、最初の原稿を出すときは、さすがの私も、おそるおそるでしたが。
(ご対応いただき感謝しております)
参考に、旧と新の目次はこんな感じです。
1章から3章にExcelの基本を書いています。
これだけページを割いたのはやはり大事だと思うからです。
基本あってこその応用ですので。
操作、入力、計算という切り分けで書きました。
4章は必要なスキルを5つ解説。
旧版では泣く泣く削ったマクロ。
この1項目だけでした。
今回はがっつり入れています。
やはりマクロ=プログラミングを知っていると、効率化の可能性が高まりますし、知っているからこそExcelが活きる部分も多いものです。
(キャンペーンでは、この5つのスキルを解説した動画を準備しています)
5章から7章は、経理業務の事例。
インプット→集計→アウトプットという流れで、データの入力から集計・チェック、日々・決算でのアウトプットまでで実際に使っている事例を挙げました。
ページに限りがあるので、優先度の高いものを載せています。
旧 | 新 |
---|---|
第1章 経理&会計のための基礎知識 | 第1章 Excelの操作の基本 |
1 各部の名称のおさらい | 1 Excelを操作してみよう |
2 マウスの操作の確認 | 2 キー操作に慣れよう |
3 入力のTips | 3「マウスを使うな!」はホント? |
4 ショートカットキーを使いこなそう | 4クイックアクセスツールバーを使ってみよう |
5 Excelは会計ソフトとも連動できる | 5 Excelのリボンで使っているもの |
6 Excelでわかりやすい資料を作る7つのポイント | 6「開く」「閉じる」をやってみよう |
7 ファイルを保存してみよう | |
第2章 効率アップのためのテクニック | 8 ファイル、シートを整理しよう |
1 2ページ目以降にも行のタイトルを入れる | 9 シートを使い分けてみよう |
2 選択した部分のみを印刷する | 10 複数のファイルを開いてみよう~整列~ |
3 連続データを作成する | 11 ファイルサイズを意識しよう |
4 ユーザー定義で自由に書式設定をする | |
5 文字を折り返したり縮小する | 第2章 Excel への入力の基本 |
6 条件によってセルの書式を変える | 1 数字を入力してみよう |
7 データを並べ替える | 2 文字を入力してみよう |
8 オートフィルタで条件に合うものを抽出する | 3 日付を入力してみよう |
9 入力規則で入力をスピードアップ | 4 コピーしてみよう |
10 複数のウィンドウを使用する | 5 データを置換してみよう |
11 不要なデータを削除する | 6 表をつくってみよう |
12 空白のセルを埋める | 7 印刷してみよう |
13 Excelデータを会計ソフトにインポートする | |
14 マクロの紹介 | 第3章 Excelの計算の基本 |
1 計算してみよう | |
第3章 数式と関数【基本編】 | 2 関数を使ってみよう |
1 数式・関数のおさらい | 3 IFの使い方~条件で処理を分ける~ |
2 必ず覚えておきたい4つの関数 | 4 端数処理に使う関数~電卓と端数が異なる場合~ |
3 現金出納帳を作る | 5 文字を処理する関数 |
4 売掛金集計表を作る | 6 数式・関数のエラーとその対策 |
5 決算書の分析をする | |
6 構成比を計算する | 第4章 効率アップのための 5つの Excel スキル |
7 前期との比較をする | 1 グラフ |
8 法人税等の納税額の試算をする | 2 テーブル |
9 消費税の納税額の試算をする | 3 ピボットテーブル |
10 事業計画を作る | 4 VLOOKUP関数 |
5 マクロ | |
第4章 数式と関数【応用編】 | |
1 VLOOKUP関数とは | 第5章 Excelで経理&会計業務 ~インプット~ |
2 会計ソフトで作成した試算表を加工する | 1 インプットをなくすのが第一 |
3 推移表を加工する | 2 Excelから会計ソフトへのインポート |
4 資金繰り実績表を作る | 3 現金出納帳をつくる |
5 Excelで決算予測をする | 4 Excel データから請求書をつくる |
6 予算実績管理表を作る | 5 経費精算書を集計するしくみ |
7 所得税・社会保険料を試算する | |
8 数式・関数のおさらいエラー値とその対策 | 第6章 Excelで経理&会計業務 ~集計~ |
1 会計ソフトのデータをうまく使う | |
第5章 グラフ | 2 仕訳データをピボットテーブルで集計 |
1 月別の売上高グラフを作る | 3 消費税課税区分のチェック |
2 3期比較グラフを作る | 4 前期との仕訳データの比較 |
3 累計売上グラフを作る | 5 仕訳データから資金繰り表をつくる |
4 移動年計グラフを作る | |
5 目標達成度グラフを作る | 第7章 Excelで経理&会計業務 ~アウトプット~ |
6 売上総利益および売上総利益率グラフを作る | 1 月次報告資料 |
7 経費の増減を比較するグラフを作る | 2 推移表のエクスポート |
8 B/Sグラフを作る | 3 3期比較月別売上グラフ |
4 移動年計グラフ | |
第6章 ピボットテーブル | 5 予算実績比較・前期比較 |
1 ピボットテーブルの作り方 | 6 予算達成度グラフ |
2 年月別に集計する | 7 決算予測・納税予測 |
3 経費を明細別に集計・分析する | 8 資金繰り予測 |
4 源泉所得税を集計する | 9 決算時のアウトプット |
5 経費の支払先別比較をする | |
6 1つのデータから複数の分析表を作成する | |
本の内容は、私がベストと思っているもの、好きなものを入れています。
旧のときは、その辺も迷いがありました。
まんべんなく、あれもあるよこれもあるよと載せていたところもあり、この8年の反省から、伝えることも厳選するようにしています。
『新版 そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』というよりも、
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門2』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門XSMAX』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門Z』
という感じですので、旧をお持ちの方も、そうでない方も、経理とExcelに関心がある方にお手にとっていただければうれしいです。
2010年8月→2018年12月で変わらないこと
この8年でちっとも変わっていないこともあります。
それは、Excelで使うスキルです。
バージョンが変わっても、8つ年を重ねても変わりませんでした。
もちろん、より効率的な操作、考え方などは反映していますが、大枠はこれらのスキルです。
・グラフ
・VLOOKUP関数
・ピボットテーブル
旧版もこれらをメインに書いています。
変わっているものがある一方で、変わっていないということは、それだけ重要ということです。
8年に限った話ではなく、本を書いた2010年よりその前、Excelをはじめてさわった1997年から変わっていません。
今回は、これらに加え、
・テーブル(Excel2007から本格的に導入)
そして、旧版では泣く泣く削った
・マクロ
を取り上げました。
当ブログでも、カテゴリ(記事の分類)で、グラフ、VLOOKUP、ピボットテーブル、マクロは個別にあります。
Excelグラフ入門 アーカイブ | EX-IT
Excel VLOOKUP入門 アーカイブ | EX-IT
後半の事例は、これらのスキルを使いこなすためにトレーニングとしても使っていただければ。
こちらで、Amazon購入キャンペーンもやっております。
(~12/11 8:59)
『新版 そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』キャンペーン | EX-IT
あ、12/26には、こういった本も出します。
昨日は、午前中に取材。
aibo関係でした。
aiboももうすぐ1歳。
ちょっとずつ変化があり、癒されます。
■昨日の1日1新
※詳細は→「1日1新」
田町 魚将
ヤマハ ギターチューナー
パナソニックレーサー ポンプ
■昨日の娘日記
保育園帰りに、「パン!(たべたい)」と。
私のジーンズの左ポケットにだいたいお菓子やパンが入っているのですが、昨日はありませんでした。
ポケットを全部出して見せても納得せず、泣いて座り込み……。
「おうちにあるよ」「スーパー行こうか」もダメで、「たこやきたべる?」と聞くと、「うん」と。
なんとかおさまりました。
帰宅するとご飯をパクパク。おなかがすいてたようです。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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ひとり税理士の自宅仕事術
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ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
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AI時代のひとり税理士
新版 そのまま使える 経理&会計のためのExcel入門
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方