事務処理スキルがあるからといって、効率化できるわけではありません。
もっと広い視野が必要です。
※広い視野が必要な将棋(天童にて) by Leica M10+73mmF1.9
事務処理スキルの限界
効率化というと、大量の仕事も楽々こなすというイメージがあるかもしれません。
・超人的なスピードで、キーを叩く
・大量の書類をあっという間に片付ける
・1日に何人ものお客様と会い、たくさんの予定をこなし、電話に出て、電話をかけ、メールをして、メールに返信する
というような。
ただ、私が知る限り、
・スピードがあるにしても、キーを叩く速度には限界がある
・書類をあっという間に片付けるのは捨てるしかない
・24時間と決まっているので、そうそうたくさんのお客様、予定はこなせない
といったことが現実です。
(私ができないだけかもしれませんが)
大量の仕事を処理するようなスキルは、どうしても限界があります。
若いからできるというものでもなく(そういう発想自体が……)、ITに強いからできるというものではありません。
その場しのぎ、体育会系のノリ、がんばればできるというようなことではなく、効率化とは戦略的に俯瞰することが必須です。
効率化という戦略
世の多くの組織が効率化できていないのは、その戦略がないから。
それぞれががんばっているだけでは限界があります。
トップに戦略があればいいのですが、そうでなければ……。
ひとりで仕事をしていれば、仕事をするのも自分、戦略を立てるのも自分です。
うまく効率化できる可能性は組織よりも高いと言えます。
この部分では。
ただ、いかんせん、戦力不足。
ひとりしかいませんので。
仕事をこなすのにせいいっぱいで、戦略をたてられないというケースも多いです。
1日24時間というのは決まっていますから。
仕事を1つ減らして売上を捨ててでも、戦略を立てる時間をつくりましょう。
じゃあ、どんな戦略を立てることができるのか。
効率化とお金をつなげて戦略を立てましょう。
効率化とお金をつなげる
なぜ視野が狭い効率化の意味がないのか。
効率化で時間しか考えていないからです。
本来の効率化はお金という要素があります。
たとえば、
・どれだけの仕事量にするか
・仕事を増やさなきゃいけないのか、仕事を減らしてもいいのか
・効率化にどれだけ投資するか
は、お金がからむことです。
お金を動かせないと効率化は難しくなります。
やりようはありますが。
私が独立前は
・どれだけの仕事量にするか→仕事がいっぱいということでブロックしていた。まさかプログラミングを使って3分で終わっているとは思われないし。
・仕事を増やさなきゃいけないのか、仕事を減らしてもいいのか→これは、給料が出る分にはさほど興味がなく。給料を減らされる・仕事を増やされるのはごめんだぜというだけ。
・効率化にどれだけ投資するか→投資はできないので、お金がかからない無料ツール、だいたい入っているExcelそして、Excelが入っていれば使えるExcelマクロを活用
ということでしのいでいました。
ただ、仕事の内容、お客様は選べません。
独立後は、時間もお金も自分次第です。
本来は。
手元のスキルを磨くとともに、
・どれだけの仕事量にするか
・仕事を増やさなきゃいけないのか、仕事を減らしてもいいのか
・効率化にどれだけ投資するか
も含めて効率化に取り込みましょう。
仕事量が多いとどうしようもありません。
じゃあ、その「仕事」が本当に必要かどうか。
必要なのは、お金、利益でしょう。
仕事の件数じゃないはずです。
たくさんの仕事があっても潰れる可能性はあります。
仕事量が多いのに、それほどお金が残らないなら、効率が悪い可能性もありますが、さらに考えられるのは、値付けのミス、営業戦略の失敗です。
常にお金の動きを見ておき、予測しておく、つまり経理が欠かせないのです。
世の多くの組織は経理に力を入れていないか、任せきりか、トップと経理が連動していないので効率化できていません。
その上で戦略的に営業をして、仕事を選ぶ必要があります。
利益率が低い仕事がダメというわけではありませんが、そのためにどれだけがんばっても効率化できないということになるのです。
営業、経理も含めて効率化。
俯瞰して全体を見る必要があります。
ひとりなら俯瞰できる範囲のはずです。
(もしそうでないなら、戦略ミスです)
営業をおさえてこそ効率化ができます。
言われるがままに仕事を受けていたら、その仕事をがんばってこなすしかなく、そしてそれは限界があるわけです。
そして、効率化への投資は、パソコン、スマホといった道具、効率化の勉強、それらを実際に使うことまでを含みます。
今や効率化の情報はあふれていますが、みなが効率化できているわけではありません。
その中から自分に合ったものを見つけだし、実際に使っていないからです。
使う時間を捻出するのが難しいわけですが、お金でだけで解決することもあります。
パソコンを買い替えれば済むということもありますから。
本を買えば済む、習えば済むということもあります。
投資もしつつ、効率化を目指していきましょう。
なお、限界があるとはいえ、冒頭で挙げたスキルも大事ではあります。
・超人とまでいかなくても高速なタッチタイピング、ショートカットキー
・判断スピード
・プログラミング
といったものがおすすめです。
(テンキー、電卓、スキャン、コピー、手書き、はんこなどのスキルはいらないかと)
判断スピードは、営業でも大事ですから。
プログラミングはその思考を身につけておくと、効率化の考え方が変わってきます。
プログラミングできないものは効率化できないのですから。
紙、電話は効率化できません。
ひとりなら戦略を立てやすく実行しやすいもの。
俯瞰してみましょう。
■編集後記
昨日は、朝、Zoom個別コンサルティング。
法人の方の経理、手続き関係。
その後、出版のZoom打ち合わせを編集さんと。
午後は、皇居に行こうとしましたが、ラン道具一式を忘れ……。
途中で降りてカフェで仕事をし、帰宅してから近所を走りました。
気温が高く、結構汗だくに。
■1日1新→Kindle『1日1新』
竹芝ブルーボトルコーヒーへひとりで
Insta 360と近所ラン
Leica21mmF2.8&モノクロ
■娘(6歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
おもしろそうなところがあったので、「明日行こうよ」とプレゼンしましたが、あえなく破れ普通に学童へ行くことに。
「これ、どう?」と元素の本のことを話したら、乗り気でした。
すでに注文済みです。
■著書
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