会社の移転登記を自分でネットを使ってやってみました。
まあ、いろいろ大変ではありますが不可能ではありません。
※法務局にて オンラインなのに・・ iPhoneX
ネットで会社の移転登記をする前提 電子証明書。
会社が移転したときは、住所変更だけでは済みません。
会社はその場所を登記(登録)しなければいけないので、その変更の手続きも必要なのです。
しかも、お金がかかります。
登記をつかさどる法務局内での移転なら3万円。
違う法務局への移転なら6万円。
何の料金っすか・・・というくらい高い金額です。
手数料というよりも、登録免許税という名目で払います。
そして、移転後2週間以内に登記しなければいけません。
(遅れると罰金がかかる可能性も)
さらには手続きもめんどくさいです。
通常は、司法書士に頼むのですが、自分でやってみました。
ネットで。
一応、ネットでも手続きができます。
が、私の専門である税金のシステムがかわいくなるくらい(それでも使いにくいのですが)、登記関係はめんどくさいのです。
その第一関門は、電子証明書。
ネットで提出するときに本人であるとの証明が必要なんです。
(ID、パスワードでいいがなという感じですが)
会社の電子証明書は有料
税金の場合は、社長個人のマイナンバーカードで済みます。
これで法人の税務申告や手続きもできるので、多少なりとも楽です。
(税理士は、税理士用の電子証明カードを持っています)
登記の場合は、会社の代表者としてのの電子証明書が別途必要となります。
マイナンバーカードは有効期限がそれなりにあり、とるのにお金はいりません(当面)。
会社の代表者の電子証明書は、期限ごとに金額が異なります。
3か月 2,500円
12か月 7900円
24か月 15,100円
です。
何の手数料・・と思う金額ですが払わないと電子証明書をとれません。
しぶしぶ手続きを始めました。
電子証明書の申請は、ネット提出(ひとまず)
「電子」とついているから、ネットで申請すればいいよねと思うところですが、そうはいきません。
こちらで申請後、法務局(管轄の)に行く必要があります……。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00028.html
まず、電子証明書をとるための専用ソフトをダウンロード・インストールします。
(ブラウザ上で提出できるわけではありません)
これがそのソフト、商業登記電子認証ソフトです。
い、いつの時代というデザインですが。
↓
必要事項を入力して、
・鍵ペアファイル
・証明書発行申請ファイル
をつくります。
作成後このような画面が出てきてきます。
鍵ペアファイルはPCに保存しておき、証明書発行ファイルは、USBメモリやCD・DVDに入れて、法務局へもっていかなければいけません。
なんと・・。
そして、さらにリンクをクリックすると、PDFファイルが開きます。
発行申請書で、プリントアウトして会社の代表印を押してこれも法務局へもっていかなければいけません。
この辺ですでにくじけそうでしたら、ふんばりました。
法務局へ
そして法務局へ。
持っていくのは、
・証明書発行ファイル(SINSEI)が入ったUSBメモリ(CDやDVDでも可)
・プリントアウト(コンビニで)した発行申請書
です。
念のため印鑑も持っていきましょう。
このときUSBメモリって返してもらえるのか謎でした。
サイトには書いておらず(見当たらず)。
聞いてみると、「もちろん返しますよ(当然だろ)」って感じでしたが、素人はそういうところ気になるもんです。
こういう経験は、プロとして仕事をするうえで糧になります。
法務局では、電子証明書発行手数料(3か月)として、2,500円の収入印紙を買い、それを申請書に貼ることもしなければいけません。
電子証明書のダウンロード
法務局では、USBメモリと申請書を確認し、紙(また)をくれます。
電子証明書発行確認票というものです。
そこには電子証明書のシリアル番号が記されています。
再度、先ほどのソフトを起動し、その番号を入れて、電子証明書をダウンロードしなければいけません。
これで完了です。
PCを法務局へもっていっていたので、その場でやりました。
「もしPC内のファイルが破損していたら電子証明書をダウンロードできない」ということでしたので。
その場でダメならまたやればすみます。
商業登記電子証明書の唯一いいところ
こんなふうにめんどくさい登記の電子証明書。
税務の電子証明書と比べて唯一いいところがあります。
PC内に格納しているので、カードやカードリーダーがいらないのです。
署名をするときに楽です。
ただ、その続きや有効期限、金額はめんどくさいのですが。
ちなみに、電子証明書の有効期限が切れたら、また同じ手続き(法務局、紙)が必要です。
ネットで会社の移転登記の流れと注意点
電子証明書を手に入れれば、ネットで登記の準備完了です。
次のような流れで申請します。
申請用総合ソフトのダウンロード・インストール
こちらからソフトをダウンロードします。
やはりブラウザ上でささっとというわけにはいきません。
http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download_soft.html#SogoSoft
移転登記の場合は、移転前と移転後の法務局へ書類を提出します。
会社名のカナに、ッやィ(小さい)があると、エラーがでて修正されますが、そういうもんだと気にしないようにしましょう。
「タイムコンサルティング」だとエラーが出て、「タイムコンサルテイング」にされます。
はぁ。。
移転前の法務局へ出す書類
移転前の法務局へ書類を入力していきます。
次の点に注意しましょう。
・本店の住所は移転前
・申請人の会社の住所は移転後のもの
・申請人の代表取締役の住所は謄本どおりに
・「印鑑届書」が必要。オンライン提出はできず。会社の届出印(代表印)を押して郵送または持参……。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor8
・[別紙表示]をクリックし、登記すべき事項には、「平成〇年〇月〇日 本店移転」(本店移転の場合)入れる。
全角で入れないとエラー。
文例を選べるが、文例は古い時代のもの。
移転後の法務局へ出す書類
移転後の法務局への書類を入力していきます。
・申請人の会社の住所は移転後のもの
・申請人の代表取締役の住所は謄本どおりに
・本店の住所は、移転後
・添付書類は、株主総会議事録(株主、社長ひとりの場合)、株主リスト、取締役決定書の3つ
サンプルはこちらにあります(法務局)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1-3ル
・添付書類は、ネットで出すなら、個人の電子証明が必要→めんどくさく、Adobeの設定も必要なので、プリントアウト→押印→郵送が吉。どっちみち、印鑑届を郵送するので。なお、郵送先は移転前の所轄法務局。
書類のネット提出
移転前、移転後の書類に電子署名をして提出します。
このときに気を付けなければいけないのが、順番。
移転前と移転後を同時にかつ、移転前が1、移転後が2という順番を振って出す必要があります。
これが逆だと、NGとのこと…。
データ提出で、順番もなにもあるかいなと思いますが。
さらに、提出後に3万円ずつをペイジーで支払います。
これを支払わないと、審査が進まないないそうです。
使える時間にも制限があります。
ネットなのに。
平日8:30から21:00までです。
補正
その都度、メールが来て、もし修正があれば、「補正」という手続きです。
ソフトで右クリックして、[補正]を選べます。
補正の時は、1つずつ送信です。
素人ができない世の中なんて
私の場合、2回電話が来てしまいました。
ネット提出なのに。
1回目は、前述した提出の順番。
3万円ずつ6万円支払った後でしたが、取り下げをして、新規で出し直しです。
取り下げはそちらでやっていただければといってもやっぱりだめでした。ソフトでできるといえばできますが。
6万円はそのうち戻ってくるはず(法務局談)とのこと。
登録免許税で、税金なので、税務署管轄だからです。
2,3か月かかるとのことでした。
支払はちょっと待ったほうがいいでしょうね……。
2回目は、添付書類。
PDFを添付して電子署名をして提出したつもりが、PDFに署名するのが個人のものでした。
署名できてなかったわけです。
PDF署名はややこしく、郵送する書類もあり、またなんだかんだあるとめんどくさいので、結局法務局へ。
それが冒頭の写真です。
(トレーニングもかねて。止めておくのは危険なので、解体して袋に入れて持っていきました)
PCを持っていき、その場でネット申請して完了しました。
ネット提出で2回も法務局に行ったら意味がないのですが。
ただ、これで、「じゃあ、登記は専門家に頼むべき」という結論ではありません。
この手間(+電話)を考えたら、報酬(5万円ほど)を払って司法書士に頼んだほうがましかもしれませんが、そもそも素人(社長本人。一応)が自分で手続きできない世の中のほうがおかしいのではないでしょうか。
税務申告もしかりです。
(だからこそ自分で申告することのサポートもしています。)
税務申告も複雑ですが、素人であることを差し引いても(登記の知識はあっても手続きは素人です)、この登記のしくみは複雑でサイトもわかりにくいかと。
それでも「専門家じゃないとわからない、素人はできない」というのに抗いたくて、今回、自分でやってみました。
もし同様に考える方は、会社の移転登記、ご自身でやっていただければ。
ネットにも情報はなかったので、お役に立てれば幸いです。
今考えると、電子証明書を取りに行ったときに、法務局でネット提出して、添付書類も出しちゃえば効率いいかなと。次回はそうします。
昨日は、終日お客様先にて。
16時に終わり、保育園のお迎えぎりぎりセーフでした。
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昨日、プラムをあげてみました。
ちょっとすっぱさもあるので、どうかなと思いましたが、気に入ったみたいで、「おいしー」「もっとちょうだい」という感じでした。
また買ってこようかと。
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