座右の書の1つ、『小さなチーム、大きな仕事』の著者の新刊、『強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」』。
リモートワーク(在宅勤務)についてだけではなく、働き方、チームの作り方について学べる本です。
そもそも、なぜオフィスが必要?
オフィスはなぜ必要なのでしょうか。
店舗や工場以外のオフィスでは、
・顔を合わせて話すため
・設備を共有するため
などといったことが、その理由でしょう。
もう1つ、最大の理由は、「きちんと仕事をしてもらうため」ではないでしょうか。
これは雇う側の視点です。
好きに出社して、好きに仕事してもいいようにすると、サボるのではないか、ずっとネットを見ているのではないかという不安もあります。
オフィスにいることと仕事の評価
本書では、
“「9時ぴったりに席についていたか?」
「休憩が多すぎないか?」
「通りかかるたびにフェイスブックを開いている気がするぞ」”
と、オフィスでの管理に関する事例があります。
さらには、早く帰っている=仕事をしていないという思われることも多いでしょう。
私が勤務していたときも、そうでした。
リモートワークでは、管理ができません。
昼寝しているかもしれませんし、仕事をほっぽり出して、遊びに行っているかもしれないのです。
だからこそ、仕事の評価の基準を変えなければいけません。
”リモートワークのメリットのひとつは、仕事そのものが評価の基準となることだ。1日中見張っている環境では、ささいな勤務態度が成績評価に影響してくることも多い。”
とあるように、評価基準を変えること自体がメリットになり得ます。
本書にも事例がありましたが、私のような仕事(税理士)も、リモートワークの1つです。
経理や財務という機能を会社の外部に持つことになります。
もちろん、四六時中管理はできません。
あくまで仕事の成果や対応で評価されます。
「一生懸命やっていました」
「ずっとデスクにいました」
「徹夜でやってました」
といっても、仕事で成果が出せなければ意味がありません。
そして、いつでも仕事を断られるリスクもあります。
ただ、その状況がモチベーションになっていますし、成果につながっているのも確かです。
逆にいうと、存在感だけで評価させる状況の方がつらいでしょう。
リモートワークを実現するには
リモートワークはいい面も悪い面もあります。
リモートワークを頼む側も、リモートワークをする側それぞれで、向いている人、向いていない人もいるでしょう。
私は、自分がリモートワークが向いていることもあり、リモートワークで仕事を依頼しています。
(雇用関係は結んでいません)
基本理念が、「自分が嫌なことは人にさせない」ですので、オフィスワークを強いることはしたくないのです。
ただ、このリモートワーク、なかなか難しく面もあります。
実現するには、次の3つのスキルが必要でしょう。
1 お互いのIT力
リモートワークをするには、ITスキルが必須です。
セキュリティ面ももちろん、コミュニケーションの上でも、仕事でもITは欠かせません。
従来のように電話や紙でやりとりしていては、リモートワークの実現は遠いです。
2 信頼
目の前にいないので、信頼がより重要になります。
”基本はシンプルだ。いやなやつは、雇わない”
と本書にありましたが、その通りです。
信頼というより好き・嫌いでしょうね。
嫌いなタイプだと、目の前にいないときに何をしているか・・気になってしまいますし、ちょっとしたことでトラブルになるでしょう。
私は仕事をお願いするときは、第一印象で決めています。
3 アウトプット力
同じオフィスにいるときも、もちろん必要ですが、アウトプット力が欠かせません。
状況を報告し、意見をまとめて伝える。話すだけではなく書くことができるのが重要です。
”リモートワークには、文章力が欠かせない”
と本書にもありました。
お客さまで、社員に日報をフリースタイルで書いてもらっているところがあります。
それが実に興味深く、成果を出している人ほど、アウトプットが多く的確なのです。
私が仕事をお願いするときも、文章や会話のアウトプット力をみました。
応募フォームにも、文章を書く質問を入れています。
まとめ
ITの進化により、リモートワークがやりやすくなっています。
PCの性能向上、低価格化も後押しするでしょう。
ITの進化の一方で、やる仕事も増えていますし、多様性も増しています。
(ITがこれだけ進化しているのに、仕事が減らない事例が多いのはその証明の1つです)
新しい働き方、オフィスに頼らない働き方を日々模索するのが大事です。
別にリモートワークをすぐやらなくてもいいと思います。
リモートワーク【も】できる働き方をしていれば、変化に柔軟に対応できます。
「リモートワークなんてリスクがある」と思われる方へ、本書で気に入った一文を。
”世の中には、100%いいことも、100%悪いこともない。大切なのは、いいところを楽しみつつ、悪いところのダメージを減らしていくことだ。”
関連書籍としてこちらも。
今回の本の前著です・
「小さいことはいいことだ」と拡大を目指さない新しい働き方について書かれています。
2010年に読み、多大な影響を受けました。
昔の記事です↓
・【オススメ本】小さなチーム,大きな仕事 | EX-IT
完全版と通常版(絶版)の違いはイラストです。
今なら完全版をおすすめします!
自宅の本棚を買いかえてみました。
本を思い切って処分したので、全体の冊数は少なく、がらがらです。
未読本は50冊ほど。このくらいでキープしつつ、読んだ本は即処分し、常にがらがら状態にしておきたいと思っています。
【1日1新】
※詳細は→「1日1新」
・作ったタイカレーにアボカドをそえてみた
・自宅近くのクラミングジム見学
・Amazonのコンビニ受け取り初体験
・行ったことがないスーパーで買い物
・Wonderful101、レゴシティアンダーカバー
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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ひとり税理士の自宅仕事術
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