損切り。
損を確定させて、それ以上損しないようにすることはかんたんではありません。
それでも、損切りをおすすめします。
※損切りした映画 by Leica M10
損切りが難しい理由
損切りは難しいものです。
・せっかく時間をかけたのに
・せっかくお金を出したのに
・せっかくがんばったのに
とあきらめきれないもの。
ただ、あきらめないとその「損」は余計に広がります。
-100が、-200,-300……-1000となるわけです。
-100のうちのとどめておいたほうがいいでしょう。
ただ人間は、+10よりも-100が気になるもの。
得よりも、ちょっとした損が気になって、損切りできず、損を広げてしまわないようにしましょう。
私は、過去のそれなりの損切りをしてきました。
過去やってきた損切り
過去でもっとも大きい損切りは、公務員(国家公務員)を辞めたことです。
公務員になるためには、勉強のための時間(半年ほど)、そして専門学校代(30万円ほど)、その期間働かないことによる機会損失も含めると、それなりの投資をしました。
辞めるとなると、それがゼロになります。
公務員という資格があるわけではありませんし、辞めたらそれっきりです。
しかしながら、「せっかく勉強してせっかく入ったのに……」とひきずると、その損失は大きくなります。
元を取ろうとしたら、判断が数年遅れたでしょう。
だからといって、我慢して定年まで勤めるのは変な話です。
それはそれで損でしょうし。
独立後も、
・120万円のサーバーを5年リースで契約してしまったが、損切りして1年ちょっとで使わないようにした。
・年間のサービスに入ったけど、なんだか想定と違ったので、参加はやめた(会費はそのまま)
・連続の講座に行ってみたけど、パワハラで辛くなり、途中でやめた
・本やIT機器を買ってみて、おもわぬものだったので、使わないようにし、安くででも売却した
・オフィスを契約していたが、不要になったため、即使わないようにした(6ヶ月前通知なので家賃は6ヶ月かかった)。設備はただで引き取ってもらうことに。
・本を書き上げつつあったが、出版社側のトラブルで、出版しないことにした。
・それなりの時間をかけてつくったサイトを、閉鎖した。
・受けた仕事をやりかけてそれなりに時間を変えたが、ちょっと怪しげなところであり、「お代は結構ですので」と損切りし、関係性を断つことを優先した。
・仕事をお願いしていたが、いろいろと問題があり、払った金額はもういいからとやめることにした
・佐渡でチームメイトと入った飲食店で注文はしたけど、劇的においしくなく、1人7000円払っていたが、損切りして別の店に。そのおかげでいい店にめぐりあえた。
・スマホを変えるときに、違約金がかかったが、いち早く変えることが大事と考え、損切りで違約金を払った
・コロナになったとき(2020年)、予約していた宿や会議室など、キャンセル料がかかったが、それ以上の損になる可能性もあったので、すべて損切り。
その分の時間で、オンラインセミナーの準備にした。
・まとめて買った食材が劇的にいまいちだった。もったいないけど食べずに損切りした。
などといったことがありました。
買ってプレイしてつまらかったゲームソフトは損切りして、売るようにしています。
積ん読も。
せっかく買ったからと思っていると、損が広がります。
冒頭の写真(映画『ブラック・ウィドウ』)は、先日の損切り。
おもしろくなかったわけではありません。
公開初日、4DXで觀るのを楽しみしていました。
わくわくしながら、いよいよ始まり、最初のセリフで凍りつきました。
日本語だったのです。
洋画は字幕でしか観ません。
特にこのブラック・ウィドウは、他の作品がからむもの。
ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)の声が染み付いています。
失敗を悔やみながら「日本語でもいいか」「また観に来ればいい」とも考えましたが、「ここは損切り」だと、劇場を後にしました。
その分の2時間で、仕事をすすめた次第です。
集中して。
『ブラック・ウィドウ』は翌日観ました。
字幕で。
字幕でほんとうによかったなと思います。
無理に吹替版を見続けて、ストーリーを知ってしまっていたら楽しめなかったでしょうから。
損切りは大事です。
損切りをするために考えていることがあります。
損切りの極意
損得は1年スパンで考える
損得は、中長期的に考えるべきかなと思っています。
一時の損や得で、一喜一憂しないほうがいいかなと。
これは、仕事上の数字にも言えること。
1年という単位で利益が出ていればいいし、もうちょっと中長期で考え、数年で利益が出ていれば問題ありません。
月々、ましてや日々の損でどうこうというものではないのです。
公務員を損切りしたときは、その後2年で税理士資格をとり(実際は実質3年でしたが)、独立してその損を取り返せばいいと考えてみました。
さすがに取り返せたかなと思っています。
損をしたもので取り返そうとせずに、他のもので得をして、トータルでちょっとだけでも得をしていれば十分です。
先日の映画(4DX=3000円ほど)も損でしたが、その分の2時間ちょっとで3000円以上の仕事がでましたし、もやもやしながら最後まで觀るよりは、トータルでは、よかったと思っています。
損切りの練習をする
損切りは練習が必要です。
もし損をしたら、「損切りのチャンスだ!」と練習しましょう。
損切りをして、他で得をして、トータルで得をするということにも慣れなければいけません。
損切りによって、お金のマイナスがなくなり、そして、時間がうまれるものです。
その時間を有効に使いましょう。
損切りとは時間術です。
また、損をして落ち込む、怒る、悲しむということもあるでしょうが、それをひきずらないためにも損切りしましょう。
ひきずっていると、損は拡大します。
他のことにまで影響しますので。
特には、お金を払ってでも損切りしたいものです。
損をしないにこしたことはないのですが。
挑戦を絶やさない
損切りをせずに損が拡大していくと、他のことをやる時間やお金、気力が亡くなります。
「損」自体が怖くなり、新しいことに挑戦できなくなるでしょう。
その挑戦をたやさないためにも、損切りがうまくなりたいものです。
もちろん、同じ損を繰り返さないようにすることも大事で、私は、やらないことリストに記録して見返すようにしています。
(「映画の予約の際は気をつける」と入れました。4DX=字幕という思い込みもよくありませんでした)
同じような損はなくなっているのですが、そうもいかないものもあり。
買ってみないと、わからないものも多いですし。
(それを大義名分に、いろいろ挑戦しています)
新しいことへの挑戦に損はつきもの。
もし、新しいことをやりたいなら、損切りも日々やっていきましょう。
毎日新しいことをやる1日1新も、損切りがうまくなる練習としておすすめです。
Kindle『1日1新』
■編集後記
昨日は税理士業、セミナー準備など。
夕方にZoom打ち合わせでした。
■1日1新
沖縄アイスパイン
■娘(4歳4ヶ月)日記→Kindle『娘日記』
ひらがなを読むのは、ほぼ完全にできるようになりました。
自分の名前は書けるように。
カタカナはまだまだ。
よくよく考えると、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字を瞬時に区別しなきゃいけないのは、結構大変です。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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ひとり税理士の自宅仕事術
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ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
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