独立後、売上1000万円は、1つの基準といわれています。
その基準を達成した場合、どのくらい税金がかかるのかをまとめてみました。
※娘のおもちゃ by Leica M10
独立後の「1000万円」という基準
独立後、売上1000万円を目指すという方も多いでしょう。
ただ、1000万円を目指すのは、よしあしがあります。
無理をしてその売上を達成しても意味がありませんし、1年だけ達成しても意味がありません。
売上1000万になったとしても、時間や心の余裕がなければ、持続可能なものとはいえないでしょう。
そして同じ売上1000万円だとしても経費を使い過ぎたらお金は残りません
経費をたとえば900万円使ったら、残りは100万円です。
基本的にはその残ったお金で生活をしていかなければならず、経費のバランスを考える必要があります。
税金がどのぐらいかかるかも、経費をどのくらい使うかによるものです。
経費をどれくらい使うか
「経費を使えば税金が減る」
誰もが考えていることでしょう。
売上-経費=利益。
その利益に対して税金がかかるので、経費を使えば税金を自ら減らすことができるのです。
独立後のメリットの1つはこの税金を減らした感があるということ。
独立前は自分の力で税金を減らすということはなかなかできません。
給料が1000万円だとしたら税金は 165万円ほど。
(ケースによってこの金額は変わります)。
これを減らすことは難しいのです。
その代わり、独立後のリスクはなく、比較的安定しているものです。
税金だけを考えれば835万円ほどのお金が残りますが、実際には社会保険料(健康保険料・年金等)を差し引き、700万円ほどが残ります。
給料1000万円というのは経験したことがありません。
(今後もないでしょうね)
結構残るなぁというイメージです。
ただ、給料が増えて生活レベルを上げてしまうと残らないでしょうが。
独立後、フリーランス(個人事業主)や法人であればこの事情が変わるのです。
独立前の給料1000万円と独立後の売上1000万円。
同じ「1000万円」ですが、しくみはまったく違うのです。
独立後は、仕事に必要なお金(パソコン、営業、経理など)もすべて自分で負担=経費が必要となります。
利益と税金とお金の関係
まず、フリーランスについて、利益と税金、お金についてグラフにしてみました。
(利益から税金を引いたものがお金として残ると仮定。個々の状況により金額は変わります)
横軸が利益であり、赤い部分が残るお金、緑が払う税金です 。
利益が増えるにしたがって、税金も増えますが、残るお金も増えていきます。
税金を払うのが嫌で、たとえば900万円の経費を使えば利益は100万円で税金がほとんどかかりません。
しかしながら、残るお金もないのです。
手元にお金がなければいざという時動けません。
無駄に経費を使って税金を減らしても意味がないということにはなります。
「経費を使えば税金が減る」ということにとらわれすぎないようにしましょう。
そして税金を払わなければお金が残らないということも、自分にいい聞かせたいものです。
法人の場合はこのようになります。
(利益から税金を引いたものがお金として残ると仮定。個々の状況により金額は変わります)
個人と違って利益が100万円のときにもそれなりの税金です。
これは、個人と法人の税金のしくみが違うこと、利益にかかわらず払う7万円(均等割といわれる会社のある地域に払うもの)があるからです。
このことがあるので、もし必要ないのであれば独立後は、フリーランス(個人事業主)でスタートして利益が増えてきたら法人にする(法人化)ということが、よく行われていますし、私もすすめています。
なお法人の場合は、実際にはここから自分への給料を差し引くことができるので、税金はもっと減ります 。
どのくらいの給料を出すかによりますが、だいたい利益が500万円くらい残るのであれば、個人から法人にすることを検討してもいいでしょう。
売上を増やすのも税金を減らすのも、無理をしないのが一番です。
・無理をせずに売上が増える分には問題なく、それが結果的に1000円を超えるかどうか。
・無理をせずに必要なものや使いたいものに経費を使い、その結果としての税金をスパッと払う
というのが、いいバランスではないかなと思っています。
売上のすべてを税金として払うということは絶対にありません。
税金を払いながらお金を貯めていくしかないのです。
どうしても税金が嫌なら、独立前のほうが自分で税金をどうこうできないのであきらめがつきます。
独立後は自分でどうこうできる余地があり、なおかつ後払いであるがゆえに、税金の痛みを感じやすいのです。
(独立前は天引きして痛みを感じないようになっていますが、それも問題です。)
払う税金ではなく残るお金に目を向けましょう。
去年と今年と比べて、仕事・プライベートを含めた預金残高が増えてるかどうかというのが、1つの指標になります。
明確な理由(大きな出費があった、売上が大きく減った等)がなく預金が増えてないということは経費を使いすぎということかもしれません。
なお、売上1000万円を超えると、その2年後(法人は2期後)から消費税を払うことになりますので、意識しておきましょう。
■編集後記
昨日は、新アイテム望遠レンズを持って散歩へ。
いい写りをします。
ちょっと重いのですが、気にならないほど。
早く行くとすいているからと話してたら、ほんとに早く起きて。
そこから3時間弱遊びました。
思いっきり遊べて楽しかったようです。
帰りは寝てしまい。
パパも帰宅後寝てしまいましたが。
それでもその後、「あーおべんとう食べなかったー!また行く」と。
持っていったお弁当のおもちゃを食べなかったのです。
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