税理士として受ける質問で多いものの1つは、「経費」にする基準です。
明確な基準は法律では定められていません。
申告時には、あらかじめ自分で「経費」の基準を決める必要があり、ケースバイケースであることも多いでしょう。
(もちろん税務署のチェックは入ります。)
そのため、「経費」にする基準よりも、むしろ「経費」しない基準を決めた方が楽です。
「経費」に明確な基準はない
法律上、「経費」がどう定められているかを簡単にまとめてみます。
(法律の文を簡潔に言い換えています)
所得税法では、
・売上に対する売上原価
・収入を得るため直接に要した費用の額
・その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(債務の確定したもの)
と定められています。
収入を得るために「直接」というのがポイントですが、特に明確な基準はありません。
法人税法では、
・収益に係る売上原価などの原価
・販売費、一般管理費その他の費用(債務の確定したもの)
・当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
と定められています。
(3つめはちょっと特殊なので、ここでは考えなくても大丈夫です)
法人税法でも、明確な基準はありません。
どちらも「販売費、一般管理費なら経費としてもいいよ」というくらいしか定められてないのです。
だからこそ、税務調査では少なからずもめます(^_^;)
逆にがちがちに決められても困りますけどね・・・・・・。
「経費」である証拠と判断基準
「経費」とするには、それが「販売費・一般管理費」、「原価」である証拠が必要です。
その証拠が領収書であり、会計ソフトへの入力内容、ときには手書きのメモや領収書へのメモになります。
しかし、領収書さえあればいいというのは、証拠能力としては低いでしょう。
お品代 100,000円とだけあっても、本当に「販売費、一般管理費」であるかはわかりません。
「経費」にするかどうかを自社(又は税理士と相談の上)で決めて、「経費」にすると決めたものは、その証拠を残しておく必要があります。
証拠があるもの(領収書があるもの)=経費ではないわけです。
あくまで「経費」にするかどうかの判断基準が先となります。
絶対「経費」にしないものを明確に決める
とはいえ、「経費」にする判断基準を決めるのは難しいです。
ケースバイケースで「経費」になるかどうかは変わりますし、そのときの感情にも左右されます。
そこで、逆に、絶対「経費」にしないものを明確に決めることをおすすめしています。
これは、経費に入れないという基準が明確になっていれば、おのずと残ったものが「経費」となります。
やりたいことリストよりも、やりたくないことリスト、しないことリストを明確にした方がいいことと同じことです。
(私はしないことリストを作り、毎朝見るようにしています)
例えば、次のような基準があるでしょう。
・自宅での食費は入れない
・家族との食事は入れない
・プライベートな交通費は入れない
・趣味のみにかかるものは入れない
・二次会は入れない
・自分が払っていない領収書は入れない
・割り勘にした領収書は入れない
・架空の経費は入れない(笑)
・完全に友人同士の食事は入れない
・兄弟との食事は入れない
・おいっこへの手土産は入れない
・プライベートなゴルフは入れない
・人からレシート・領収書をもらわない
上記の例は、あくまで例です。これを強要しているわけではありません(^_^;)
私自身が決めていることです。
「経費」にしない基準を決めて、それを厳格に守りつつ、経費にすべきものは堂々と経費にすべきです。
税務調査でも、「こういった経費は入れていません!」というリストを見せた方が説得力が増すような気もします。
やったことはありませんが(^_^;)
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なかなか厳しい日程でしたが(^_^;)
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