「経費を増やせば節税になる」
これは事実です。
ただ、決算間近では、注意しなければいけないポイントがあります。
※渋谷にて Casio EX-ZR4100
利益→税金をざっくりと把握
利益が増えれば増えるほど、税金は増えます。
利益は、売上ー経費で計算するので、売上を減らすか、経費を増やすことで税金は減らせるわけです。
お手軽なのは、経費を増やすこと。
決算間近に経費を増やせば、税金を減らせます。
法人だと、決算月の2か月後が、税金申告・納税の期限です。
6月末だと、8月末までに税金を払えばいいのですが、経費を使うなら、決算日の6月末までに使う必要があります。
となると、決算が終わるまでに、どのくらいの利益が出ていてどのくらい税金がかかるかをざっくりとでも把握しておかなければいけません。
そうしないと、どのくらい使っていいのかわかりませんし、使いすぎて、利益がマイナスになってしまう可能性もあります。
どのくらい使っていいか、ざっくりとでも把握してから何に使うかを考えましょう。
節税になるかどうかのチェックポイント
その経費が節税になるかどうかは、次のチェックポイントがあります。
1 そもそも経費かどうか
お金を払う=経費ではありません。
いくら払っても経費にならないものがあります。
代表的なものは次のようなものです。
・借りたお金を返す
×「いっぺんに返しちゃえば節税になる!」
事業で借りたお金を返しても、それは経費ではありません。
借りたときには売上になっていないはずです。
借りたものを返すだけという取引なので、それで利益が変わったらおかしいことになります。
・敷金、保証金を払う
×「節税するために、オフィス借りよう!」保証金も払えるし」
敷金を払っても、それは預けているだけなので原則経費になりません。
(解約時に償却が決まっている場合は経費にできます)
・チャージする
×「どうせ使うからSuicaにチャージしておこう!」
チャージしても何かを買ったり使ったりしたわけではないので、経費になりません。
(どっちみちSuicaは2万円しかチャージできませんが)
・ボーナス
×「がんばったから自分にボーナスを出そう!」
社長自身に対するボーナスは、経費になりません。
(事前に届け出を出し、その金額通り払った場合のみ経費になります)
個人事業主(フリーランス)は、自分への支払い自体経費になりません。
仕事に関係するか
経費に入れるには、仕事に関係しているかどうかが基準となります。
×「家族でおいしいものでも食べよう!」
×「リビングのTVを買い替えよう!」
×「家族で旅行でも行こう!」
×「トライアスロンのバイク買い換えよう」
×「Switch買おう!」
は、NGです。
決算日までの経費か
仕事に関係しても、決算間近では経費になる金額が少ないものがあります。
たとえば、車。
赤いテスラ欲しいなぁと思って、仮に1,000万円で決算間近に買ったとしても、全部が経費になりません。
車だと、6年で経費にし(減価償却)、しかも月で割るので、6月が決算日で、6月に1,000万円の車を買っても経費になるのは、1か月分の30万円くらいです。
じゃあ、PCを買おう!はどうでしょうか。
30万円以上だったら一度に経費になりません。
決算の月に30万円のPCを買っても、4年で経費にし、かつ月割りで経費になるのは、1.2万円です。
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注文すればいいというわけではなく、手元に届き、使い始めないと原則として経費になりません。
6月が決算で、7月に発売するものを注文しても、そのときには経費にならないのです。
仕入れて売る場合は、仕入れて手元にあり売れていないなら、その分は経費にならず、在庫として次の期に繰り越します。
モノだけではなくサービスも同じように考えましょう。
6月が決算で、7月以降のセミナーやコンサルティングを申し込んで払っても、実際の受けるのは、7月以降、つまり次の期です。
今回の節税にはなりません。
必要な経費か
今回の決算に間に合う経費であっても、それが必要かどうかを考えましょう。
たとえば、会社で生命保険に入れば、その保険料の全額または一部は経費になります。
ただ、それが必要かが大事です。
決算で利益が出そうだから、身の回りのものを見直して、これを機に買ってみるというは問題ありません。
本当に必要だったら、税金に関係なく、そのときに買うべきではありますが。
必要なものに投資し、それでも利益が残ったら、いさぎよく税金を払うというのが理想です。
無駄な経費か〇〇な税金か
とはいえ、税金は痛いものです。
ヨドバシカメラやヤマダ電機、Amazon、価格.Comを覗いてみて、そこで経費になるもので必要なものがあったら、買ってもいいでしょう。
ただ、
「税金を払うくらいだったら何か買ったほうがいい」
いうのは、真実ではありません。
無駄なものは無駄ですし、決算間近に慌てて買ったものは、無駄になる確率も高いものです。
そしてお金も目減りします。
法人の利益が300万円だったら、税金は約74万円。
まあまあな額です。
このとき、経費を100万円使えば、税金は52万円には減ります。
ただし、経費100万円と税金52万円で、合計152万円でていってしまうわけです。
無駄な経費と〇〇な税金(〇〇は人により異なるでしょう)で、152万円でていきます。
それなら、無駄に100万円つかわず、黙って74万円払っておけば、152万円ー74万円=78万円はこの決算が終わった後、本当に必要な経費としてじっくりと使えるわけです
考えようによっては、このお金を自分への給料として払い、より自由に使うこともできます。
まあ、これが理屈なわけですが、理屈だけでは納得いかないのが人間。
経費となるようなもので、使いたいものがあったら、決算までに買ったり利用したりしておきましょう。
そのためにも決算の前に利益を把握しておくことはやっぱり大事です。
あ、うちの会社、6月決算ですが、この記事とは特に関係ありません(笑)
【編集後記】
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前日に導入した、プロジェクターを早速使ってみました。
軽くて薄くて、傾きを自動で調整してくれる機能は便利です。
2画面もできるようで、また研究してみようかと。
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【昨日の1日1新】
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EPSON プロジェクターEB-1795Fをセミナーで使った
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【昨日の娘日記】
保育園に行くときも歩きたがります。
だっこすると泣きそうになるのですが、だっこして走ると喜ぶので、それでごまかしつつ。
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