独立後利益が出たとき、利益が出そうなとき、どうするか。
その考え方をまとめてみました。※利益が出た後のお祝い(のイメージ) by Leica Q
利益が出るとうれしい?悲しい?
利益は売上から経費を引いたもの。
その利益が出る、つまり利益がプラスになるとうれしいものです。
自分の独立後の仕事が認められたような、成果を出せたような。
(意図的にマイナスを出す場合を除きますが)
むしろそのために仕事をしてきたのではないでしょうか。
利益が出ないと普通に考えると、自分のお金がなくなります。
いくら「時間と場所が選べて気兼ねない」といいつつも、お金がなくなっては元も子もありません。
そのためには利益は欠かせないものです。
というまでもなく、利益が出るとうれしいことでしょう。
ただ一方で、利益が出ると「悲しい」という感情もあるのではないでしょうか。
独立後は、自分で税金を計算して払わなければいけません。
独立前とは異なります。
独立前は、税金が計算されて差し引かれたものが自分の手元に来て、それを自由に使うことができるのですが、独立後は税金の計算も支払いも後なのです。
一度自分の手元に来たもので計算して、税金を払わなければいけません。
(フリーランスの場合は売上からあらかじめ税金が引かれる源泉徴収がありますが)。
一度所有したものを手放すのは苦痛であるのは確かでしょう。
利益が出ると、うれしい反面、悲しい・どうしようなんとかしなきゃという感情があるのは無理もないことです。
利益が出たらお金を使う
利益が出た後どうするか。
その1つの選択肢として、お金を使う=経費を使うということがあります。
売上ー経費が利益なので、経費を増やせば利益が減り、税金が減るわけです。
・ちょっと豪華なところで打ち合わせをする
・以前から欲しかったものを買ってみる。
・自分の学びになるようなものにお金を使う(本、セミナー、コンサルティングなど)
などといったことが考えられます。
(あくまで仕事上で使うものです。)
プライベートに使うということは原則できません。
フリーランスの場合は自分に給料を払って経費にするということができず、会社の場合も自分にボーナスを払うということは原則できませんので、自分に還元ということはできないのです。
(人を雇っていればボーナスとして還元することはできます)
ただし、「お金を使うとお金が減ってしまう」ということには気をつけなければいけません。
いくら税金が減るからといって、無駄なものを買っては意味がないからです。
利益がマイナスでもいいのですが、お金がマイナスになると食べていけなくなり、仕事もできなくなります。
独立前のように勤めに戻らなきゃいけない場合もあるでしょう。
利益を出すことが目的ではなくお金を残すことが大事ですので、無駄にお金を使っては意味がないのです。
「税金もお金が出ていくじゃないか!」と思われるかもしれませんが、税金を払ったほうがお金は残るというのは真実です。
たとえば100万円の利益が出た場合に払う税金は、会社だと30万円ほど。
仮に100万円のお金があった場合は、100万円ー30万円で70万円のお金が手元に残ります。
一方で100万円の利益が出た場合に、50万円の経費を使うと、利益は50万円、税金は15万円ほどになります。
仮に100万円のお金があった場合は、100万円-50万円で、税金の15万円を引いて35万円しか残らないのです。
税金に注目すると、前者が30万円、後者が15万円ですので、前者のほうが痛みは大きくなります
残るお金に注目すると、前者は70万円、後者は35万円。
この真実を何度も繰り返し唱えてお金を残す方法を選びましょう。
(私もそうしています)。
利益が出たからお金を使うというのではなく、普段から買いたいものを買い、使いたいものにはお金を使っておくというのが理想です。
決算前に、欲しいモノ・必要なモノはすでに買っているのが理想 | EX-IT
利益が出たら時間をつくる
利益が出たときのもう1つの選択肢は、時間をつくることです。
利益が出ている状態というのは、ひとりの場合、仕事が多く時間が足りないというケースがほとんどではないでしょうか。
その利益を使って、人を雇ってさらに拡大していくという方法もありますが、前述のとおり節税ものために行動を変えるのはおすすめしません。
人を雇うかどうかは利益で決めるわけではなく、信念で決めるものです。
もちろん仕事をこなすために必要な投資というものがあれば、そのお金を使うという方法もあります。
外注や専門家の力を借りる方法もあるでしょう。
時間が足りないときにできる、もう1つの選択肢は仕事を減らすことです。
仕事を減らして時間をつくることができます。
仕事を減らすと売上が減りますが、利益が出ているときはその余力があります。
これを機会に仕事を見直して、
・仕事を断る
・解約する
・仕事の依頼を受ける基準を少し上げる
といったことをやっていきましょう。
・嫌々やっている仕事
・手間がかかりすぎる仕事
・できれば距離を置きたい人からの仕事
などがあったら、利益が出ているときがチャンスということです。
新しいメニューを打ち出してみてもいいでしょう。
新しいメニューの反応がよくなかったとしても、利益が出ている状態であれば、それほどダメージはありません。
もちろん新しいメニューをつくって対応する時間というのが必要となりますが。
「時間をつくる」も、前述のお金と同様に、利益が出たからやるというのではなく常にやることではありますが、そのきっかけや最初の一歩を踏み出すのには、利益が出たときがやりやすいのは間違いありません。
利益が出るとうれしさの中に悲しさも混じりますが、その後の行動、できることを考えるとうれしい感情の方が大きくなります 。
利益が出たということは、成果が出たということですし、胸をはって喜びましょう。
なお、決算がすぎてから利益が出ていることがわかっても何もできません。
経理し、数字を見て、利益が出そうなくらいから動き出すのが理想です。
■編集後記
昨日は、個別コンサルティング。
法人の決算税務申告を、freeeと全力法人税で。
利益もでてすばらしい着地点でした。
目黒 焼肉ライク
■娘(2歳)日記
保育園へ行く途中にあるガチャガチャの存在をわかってきて、「これほしい」と。
「お金がいるんだよ」というと、「お金ちょうだい」と。
「パパはキャッシュレスだから持ってないよ」というと通じました^_^;
1回200円だし、好みのものがでないと、「これじゃない!」と言いそうなので、できる限りやらせないようにしています。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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