紙をデータにするスキャンは、効率化のようでそうでもないので、ずいぶん前から使わないようになりました。
※ひっぱりだしてきたスキャナー by Leica M10
12年前の新兵器
冒頭の写真は、私が独立した2007年に導入した新兵器です。
ScanSnap S 510。
今は倉庫に眠っています。
(ブログネタのために引っ張り出しました。メルカリで売れるのかわかりませんが……。こういうのも捨てなきゃんですけど。)
このスキャナーは、もう使っていません。
少なくとも複数枚のスキャンをするということは、まったくなくなりました。
やむを得ず、紙をデータにするため、または紙を捨てるために、スマホでのカメラでスキャンすることはあります。
そのときに使うのは 、iPhoneアプリのFast ever 3やScanableです。
きれいにスキャンして再利用したいときは、Scanable、そうじゃないときは手軽な FastEver 3を使っています。
スキャナーを使わなくなったのはスキャンすることが、必ずしも効率化ではないかなと感じたからでした。
・紙をスキャンしても後で見返さないことが多い
・スキャンにも一定の手間がかかる、めんどくさい
そして
・データで扱えば、紙をスキャンしてデータにするということもやらなくてすみます。
「紙」をスキャン
スキャンするということは、紙があるということですので、根本的な解決になっていません。
紙をスキャンしてデータとして読み取る OCR の技術も 、AI と絡めて多少なりとも進化はしてきています。
紙をなくすことができないので、紙をスキャンしてデータ化するという方向性が、今の日本では強まっているような感じです。
RPAでも紙をスキャンしてデータ化するというところから取り組んでいるケースがあります。
「紙をなくす」というのはこちらだけの問題ではなく、取引先との関係もあるので、なかなかうまくいかない現状があり、そのために紙はそのままにしてスキャンしてデータ化するというほうがニーズはあるのでしょう。
(そしてそれが儲かるので、その方向性に進化していくのでしょう)
ただし、そのぶんの余計なコストや時間はかかるわけですし、根本的な解決にはならないですし、理想的な未来ではないかなと。
データで扱うのか、紙をスキャンしてデータにするのかで、効率化の方向性は枝わかれしていくものです。
紙→データのほうには興味ありません。
『税理士のためのRPA入門』でも、「データで受け取るところからRPA 」と書きました。
スキャン禁止という効率化
いっそスキャン禁止と決めたほうが、効率化は進む可能性もあります。
もちろん仕事の内容によっては、紙でのやり取りになるものでスキャンが必要なものがありますが、あくまでそれを例外として、原則としてはデータでやり取りするということです。
私も税理士業では紙の資料があり、それをその場でスキャンするということがあります。
ただ例外です。
原則はデータでやり取りして紙を預かりませんし、データですむものをものはデータにしています。
セミナーの資料や、何か紙でもらったものは必要あればスマホで写真を撮るだけで、翌日朝の掃除の時間には捨てるというルールです。
セミナーに出て大事なのは、その後に行動することですので、自分のやることメモ( iPad に手書きし、それを翌朝にデジタルデータとして入力しています。セミナー時にパソコンが使えるときはパソコンにメモしますが。)だけあれば、資料は取っておく必要はありません。
紙の本を裁断してスキャンしていた時期もありましたが、もう一度読み返すということはほぼなく、もし必要であればまた買い直したほうが保管コストはなくせます。
経理では、紙のレシートからデータとして入力しせざるを得ません。
私は、音声認識で入力しています。
ネットバンクはともかく、カード明細もデータとして取れるのですが、カード明細だと詳細がわからない場合もあるので、店頭でカードを使った場合も、声で入力して逐一記録しています。
音声認識経理で売上・経費の重みをより感じる方法。Googleアシスタント&GoogleAppsScript & Googleスプレッドシート | EX-IT
経費のレシートをスキャンしてデータ化するという方法もありますが、限界がありますし、確実に読み取れるものでもありません。
左はOKでしたが、右はダメで。
(どちらも2回スキャンやり直しました)
結局は、中の人=スキャンしたデータを人(オペレーター)が入力しているということで、解決しているわけです。
スキャンしてデータを確実に読み取れることができるのであれば、テクノロジー的にも興味があり、夢がある話なのですが、「結局、そのデータを見て人が打ってます」というのは、それほど私は興味がありません。
まだ音声認識入力で声をデータ化のほうが、テクノロジー的には夢があります。
キャッシュレスで支払えば、そのデータがどこかに蓄積されて一括でダウンロードしたり、会計ソフトと連動したりしたら夢がありますが。
その反面、自分の履歴がすべてどこかに管理されるということにもなりますけど。
こまごまと例外はありますけど、原則はスキャン禁止にするのは、おすすめです 。
そのためには次のようなことが欠かせません。
私がやっていることです。
データで受け取る
極力データで受け取ります。
「紙」、「郵送」という言葉が出たら、「データがいいです」ということを示しましょう。
「データでいいです」というとどっちでもいいようなイメージがありますので、「データこそがありがたい」ときちんと伝えることが大事です。
「紙で渡さないと失礼」
「プリントアウトしないと困るだろう」
というと思われる可能性が高いので、「データこそがいい」と、しっかりと伝えなければいけません。
寿司では大トロよりもアジが好きです。
こういったときも、「アジでいいです」というと、安いほうでいいというイメージになりますが、「アジがいいです」なら、より主張できます。
なんのこっちゃという例えですが。
Excelでつくった資料をプリントアウトして郵送していただくのであれば、そのままExcelのデータをメールで送っていただくか、Dropbox で共有していただければ、それですむわけです。
データであれば、いかようにも加工できますし、プログラミングで効率化することもできます。
あらかた効率化というものはやっているつもりではありますが、そんな私も紙だけは効率化できません。
紙の通帳をスキャンしてデータ化する方法もありますけど、なかなか苦難の道です。
通帳を入力せざるを得ないときのExcelへの入力効率化 | EX-IT
データであればいいわけではなく、PDFで受け取るなら、Excelのデータのままのほうが効率化しやすくなります。
PDF を OCR で読み取ってデータ化して効率化する方法もありますが、確実なのはExcelです。
RPA UiPathで自動化。メールで受け取った請求書PDFを読み取り、住信SBIネット銀行で振込。 | EX-IT
スキャンを頼まない
スキャンを依頼すれば、やってもらえるサービスも増えてきました。
ただスキャンを人ではなくロボットがやるという時代はもう少しかかりそうです。
誰か人がひたすらスキャン、または、スキャンしたものをチェックしなければいけません。
スキャンを頼むような事態があるということは、自分が紙を抱えているということになりますので、スキャンを頼まないということも意識しておきましょう。
経理もまとめて処理するとなると、どこかに一括して頼まなければいけなくなります。
スキャンを請け負わない
方向性はともかくスキャンしやすい時代にはなっていますので、スキャンするという仕事を受けやすくなっています。
会計ソフト会社は月々の利用料にその請け負った紙のデータ化を含めているところも。
(請け負わないなら迷惑ですが。私は使っていません)
紙を受け取って、それをスキャンしてデータ化してというような仕事を受け取っていると、結局は、その紙を入力するのとそれほど意味は変わらないかなと。
(スキャンして、そのデータ化を依頼するのも)
入力とスキャンで、どちらの手間がかかるかという問題だけではありません。
どういう方向性で仕事をするかです。
スキャンのほうが速い部分はありますが、読み取りミスもありますし何ともいえません。
入力が速い、スキャンが速いとか、この先必要となるスキルかどうかでしょうね。
スキャン禁止ということは、スキャンの仕事を請け負わないということにもなります。
私は請け負っていません。
もちろんどちらがいいというわけではなく、どの方向性を選ぶかという話です。
私はどんなに複雑で大量のデータがあったとしても、データであれば効率化できる余地がありますし、そこで効率化スキルも磨くことができるので、受けています。
ひとりでやっているので限界はありますが、プログラミングであればひとりでも個の力で打破できる可能性があるからです。
紙の資料が大量にあったら、私ひとりでもどうしようもありません。
入力も遅いですし、テンキーも持っていないこともありますが、どうしても時間がかかりますし、人手が必要となるからです。
スキャンしたものをチェックするという手間もあります。
方向性を定め、軸を持ちたいなら、スキャン禁止にするのも手かと。
■編集後記
昨日は、寒空の中、プールへ。
泳いでいなかったので、えいやっと行ってきました。
泳いでいるときはいいんですが、そのあとが寒いですね……。
トライアスロン復帰に向けてスイムとバイクだけは鍛えておかないと。
(大腿骨頸部骨折のため、ランはまだ禁止。走れそうですけど)
これを機に週1は行きます。
近くのプールの採暖室
5thALBUM『MOMOIRO CLOVER Z』SHOW at 東京キネマ倶楽部 LIVE Blu-ray
『税理士のためのRPA入門』キャンペーン動画収録
■娘(2歳)日記
寝起きの目を覚ましてもらおうと、ブルーレイを見せると、じっと見入って逆効果でした。
「保育園しまっちゃうよ」と、あわてさせてだっこしてなんとか。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本
「繁忙期」でもやりたいことを諦めない! 税理士のための業務効率化マニュアル
ひとり税理士の自宅仕事術
リモート経理完全マニュアル――小さな会社にお金を残す87のノウハウ
ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
税理士のためのRPA入門~一歩踏み出せば変えられる!業務効率化の方法~
やってはいけないExcel――「やってはいけない」がわかると「Excelの正解」がわかる
AI時代のひとり税理士
新版 そのまま使える 経理&会計のためのExcel入門
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方