文章を書くときに、自分なりのルールを持つことは大事です。
私なりの現時点のルールをまとめてみました。
※カフェにて by Leica M10
文章に正解はない
文章には型やルールというものがありますが、「これが絶対正しい」というものはありません。
正しい言葉づかいをしていれば読みやすいとも限りませんし、正式な用語(専門用語)にこだわっても伝わらないと意味がありませんし、話し言葉と書き言葉が違うとはいえ、話し言葉のほうが馴染んでいる場合もあります。
昔はダメだったものが今はよくなったり、昔はよかったものが今は違和感があったりするものです。
文章を自分で書きながら、自分なりのルールというのを決めていくのが大事ではないかなと。
もちろんそれを間違いだと指摘される場合もあるでしょうが、それぞれ考え方の違いもありますので、お互いが間違いだと言っていてはきりがないのは文章だけの話ではありません。
なんとなくではなく、明確にルールづけをしておけばよいのではないでしょうか。
「まず最初に」「違和感を感じる」という重ね言葉
たとえば、「まず最初に」という表現。
話すときにもよく使われるものです。
「まず」と「最初に」という言葉が重ねて使われています。
「まず」または「最初に」だけで意味は伝わりますので、今、私は使わないようにしています。
(自分のブログで検索すると、2012年に使っていました)
話すときにも使わないようにしていますが、先日つい口に出てしまったことがあり、まだまだ練習中です。
「違和感を感じる」も重ね言葉であり、「違和感を覚える」「違和感を抱く」「違和感がある」「違和感を持つ」というのがしっくりきますし、私としては「違和感がある」で統一しています。
(これが合ってるかどうか、なんともいえませんが)
・頭痛が痛い
・一番最後
・後で後悔
というのも、同じようなものです。
今の私の文章ルール
今、私が文章のルールとして考えているものは次のようなものです。
1 重ね言葉を使わない
前述したとおり、意味が重複する重ね言葉を使わないようにしています。
2 ですます調
~である。~だ。ではなく、「ですます調」にしています。
である調の方がピリッとしまった文章になるのですが、言葉がきつく感じるところもあるからです。
3 文末を変える
~しました。~しました。
ではなく、
~しました。~です。
というように、文末を変えるようにしています。
読むときのリズムを単調にしないためです。
4 ひらがなを使う
つくる、たとえば、かんたん、わかる、ひとり、いろいろ、まったくなど、ひらがなを使うと決めているものがあります。
「つくる」の場合は、「作業」という言葉が好きではなく、「創る」も当て字っぽいので、ひらがなにしていますが、多くの場合、ひらがなにしているのは、表現をやわらかくし、見た目で漢字とのバランスをとるためです。
今、ブログ、メルマガ、本は音声認識入力で書いており、Googleの認識結果が自分のルールと異なり漢字になる場合は、プログラムで、ひらがなにしています。
GAS正規表現置換で、Googleドキュメント音声認識入力のデメリットを補う方法 | EX-IT
5 表記を統一する
インターネット、ウェブ、Web、ネットなどのうち、私はネットを使うようにしています。
少なくとも同じ記事の中では表記を統一したほうが意味は伝わりやすいからです。
Excel、1日1新、ひとり税理士などというものも表記を統一しています。
(縦書きのExcel本のときは、泣く泣くエクセルにせざるを得ませんでしたが)
6 半角全角
カタカナは全角、アルファベット・数字は半角にしています。
逆は絶対に使いません。
7 「お」を必要以上につけない
「お仕事」「お給料」など「お」がつくことがあっても、自分はつけないというものを決めています。
「お金」ぐらいでしょうか。
「金」だと、伝わりにくいですし、「カネ」と書くのも……。
8 改行
読点(。)で、改行するようにし、それ以外は適宜必要あればやっています。
3行から5行くらいで改行するルールです。
9 順接の「が」
たとえば、「私の文章のルールですが、次のように決めています」というように、順接、文の前と後がつながる場合に、「が」を使わないようにしています。
話し言葉ではよく使われていますが、書き言葉では使わないほうがいいかなと。
「私の文章のルールは、次のように決めています」と書きます。
10 修飾する語を離さない
たとえば、「ますます独立する人が増えています」ではなく、「独立する人がますます増えています」と、「ますます」とその対象の「増える」を離さないようにしています。
意味が伝わりにくくなるからです。
話し言葉では、「ますます独立する人が増えています」と言うことが多いので、音声認識入力のときは、その練習が必要でした。
今でもたまにそう言ってしまいます。
11 「3つの〇〇」を多用しない
・3つの理由
・3つの秘訣
・8つのポイント
のように、数字を入れると効果的ではあるのですが、多用しすぎないようにしています。
今回、20個挙げましたが、「20のポイント」とはしませんでした。
よく見かける表現をさけるというのも、やっていることです。
「~から学んだ」というのも今はやりません。
12 2つなら3つ、4つなら3つ
項目やタイトルに数字を入れる場合、「2つ」ならもう1つ増やして3つにできないか、「4つ」ならもう1つ削って「3つ」にできないかというのを考えます。
本当に2つ、4つならいいのですが、ちょっと変えて3つになるのなら、おさまりのいい「3つ」がいいのではないかと思うからです。
今回は20個と中途半端ですけど。
13 2つなら、〇〇と〇〇
挙げるもの、項目が2つなら、「2つの理由」「2つの方法」とせずに、「〇〇と〇〇」とするようにしています。
14 使わない言葉
それぞれ理由があり、次のような言葉は使わないようにしています。
これらは、書くとだけではなく、話す時にも使いません。
脳内にも浮かべないようにしています。
忙しい
バタバタ
早いもので
あっという間
作業
集客
事務仕事
記帳
帳簿
自営業
いつか
がんばります
応援してください
ください
指導する
教育する
(人を)使う
~してあげる
〇〇先生
本業
~したいと思います
15 絵文字を使わない
絵文字を本文中に使わないようにしています。
やわらかくするときに使いたいときもありますが、ほとんど使いません。
(笑)、(汗)も同様です。
絵文字で逃げてしまうことが多かったので、禁止にしました。
16 装飾しない
単語に色を付けたり、強調したりという装飾をしないようにしています。
見やすいようでそうではありませんし、手間もかかるからです。
17 かっこのルール
「」は、強調や会話
[]は、ボタンやクリックするメニュー
『』は、書籍のタイトル
と決めています。
「」はちょっとあいまいな気もしますが。
18 1つの文の中で同じ言葉を使わない
たとえば、「ブログを書く場合に、ネタに困った場合は」ではなく、「ブログを書く場合に、ネタに困ったときは」とします。
(こういう「とき」はひらがなを使うルールです)
「数あるパソコンの中で、好きなパソコンを買いましょう」ではなく、「数あるパソコンの中で、好きなものを買いましょう」と、同じ言葉を繰り返し使わなくてすまないかと考えています。
これも音声認識入力のときに苦労したことでした。
19 商品名は正確に
iPhone 11、Leica M10など、商品名は正確に書くようにしています。
検索されるためにもやっていることです。
(あいまいでも検索されることはありますが)
一方で、専門用語は、正確に書くことにこだわっていません。
想定するお客様に、正式名称は必要ありませんので。
ただ、検索される可能性を上げるために、しれっと入れることはあります。
20 できれば誤字脱字なし
最後に、「誤字脱字をしない」。
「できれば」をつけています。
「できれば」かい!と思われるかもしれませんが、重々気をつけていてもゼロにはできず、気にしすぎると書けなくなるか、時間が大幅にかかるからです。
私の場合、継続力が5だとすると、正確さは1ですので……。
もちろん、重々気をつけていますので、ご容赦いただければ。
冒頭に書いたように、これらのルールが正解というわけではなく、私が日々ブログを書き、本を書きつつ積み重ねてきたものです。
もし参考になるものがあれば使ってみていただければ 。
出版の仕事で学んできたもの、教わったものもあります。
一方で、どうしてもこのルールにしたいというものがあれば、編集者さんに相談することも多いです。
出版社として表記のルールがカチッと決まっているのであれば、もちろんそれに沿っています。
文章、書くことの勉強になる意味でも出版という仕事は、目指す価値があるものです。
ただ、何よりも「書く」ことが大事で、書かないとルールも生まれません。
書くことで違和感があったものをやめ、しっくりくるもの、自分の考え・軸が反映されるものを選んだ結果、ルールができるものです。
このルールは、書くときだけではなく、生きていく上での指針にもなっています。
そう考えると、書くことを習慣にし、自分の考えを言葉にして、それを読むのはわるくありませんし、わるくない人生を送るのに役立つものです。
■編集後記
昨日、とあるベーグル屋に行こうかと思いましたが、気が重いのは現金のみ。
少し考えた末、やめました。
現金使いたくないので……。
チェーン店なのにその店舗だけ現金のみなのが困りものです。
サベージ バックグラウンドペーパー
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■娘(2歳)日記
妹からままごとセットを送ってもらい、娘は大喜び。
夢中で遊んでいました。
レゴももらい、家の中が大変なことになっていますが……。
(私のおもちゃもかたづけないと……)
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
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