Leica M10のレンズを、7つの焦点距離別に比較してみました。
他のカメラにも共通する内容です。
※焦点距離のイメージ by Leica M10(これは50㎜)
Leica M10のレンズの特徴
Leica(ライカ)のカメラ(M 10を含む M シリーズと呼ばれるもの)のレンズには、次のような特徴があります。
・Leicaが出しているレンズとその他のメーカーが出しているレンズがある
・Leicaのレンズは単焦点のみ。ズームレンズはないし、レンズに手振れ補正、オートフォーカスはない(本体にもない)
・Leicaのレンズの焦点距離は、原則として18㎜、21㎜、24㎜、28㎜、35㎜、50㎜、75㎜、90㎜、135㎜。
ズームレンズはないし、70㎝から1mは被写体から離れなければいけないし、望遠レンズはないし、ないない尽くしではあるのですが、それを超える魅力があるわけです。
これはレンジファインダーというしくみの問題でもあります。
Leica QからLeica M10へ買い替えた理由・比較 | EX-IT
ズームレンズがない点については、私は単焦点レンズのほうが好きなので、ぴったりあっているといえば、あっているのです。
(一般的にズームレンズより単焦点レンズの性能がいいということもあります)。
たとえばLeicaのレンズでは左から、
・SUMMARIT(ズマリット) 35mm F 2.5
・SUMMILUX (ズミルックス) 50mm F1.4
・SUMMARIT 75mm F 2.5
・APO-SUMMICRON(アポズミクロン) 90mm F2
・ELMARIT (エルマリート) 135mm F2.8
mm というのが焦点距離で、焦点距離が長くなるほどレンズは大きくなる傾向にあります。
そして焦点距離が長くなればなるほど写る範囲は少なく拡大されるわけです。
Fの後の数字は、レンズの明るさ。
数字が小さいほど明るく、背景がぼけやすくなり、値段も高くなりがちです。
Leicaの以外のレンズでは、コシナ(フォクトレンダー)やカールツァイスがあり、フォクトレンダーでいうと、たとえば左から
・HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
・COLOR SKOPAR 21mm F4P
・NOKTON 35mm F1.2 Aspherical VM II
いうものがあります。
10㎜は特殊なレンズでもあるので大きめです。
同じ35㎜でもLeicaのSUMMARIT35㎜ F 2.5(左)と フォクトレンダーの35 mm F 1.2(右)はこれぐらい大きさが違います。
値段はLeicaのほうが新品なら2倍ほどしますが、中古だと同じぐらいになり、私は中古で手に入れました。
(Leicaのレンズすべて中古です……新品だと高すぎて。状態のよいものを選んではいますが)。
このうち、コシナ(フォクトレンダー)の10mm、21㎜、Leicaの35㎜、50㎜、75㎜、90㎜、135㎜を焦点距離別に撮った写真を比較してみました。
なお、スマホについているカメラのレンズの焦点距離は、一般的に、28mmくらいです。
レンズの焦点距離別の画像比較
同じ場所から撮った写真を並べてみます。
屋外
10 mm、21 mmあたりは、広角といわれ、広い範囲を写すことができるレンズです。
焦点距離が短ければ短いほど広い範囲を写せるということになります。
■10㎜
■21㎜
35 mm を広角と呼ぶこともありますが、50 mm と合わせて標準レンズと呼ばれることが多いです。
人により標準レンズが異なるといわれています。
私は50㎜の方が標準かなと、今のところ思っているところです。
■35㎜
■50㎜
50㎜を超えると望遠レンズといわれ、75 mm、90 mm、135 mm と焦点距離が長くなる
につれ、被写体が大きくなります。
■75㎜
■90㎜
■135㎜
Leica M10(Mシリーズ)の場合は、135㎜だとピントを合わせるのが難しく、底蓋を外さなければいけないのでレンズの付け外しも面倒くさいです。
135 mm は、手持ちのレンズの中で、最も重く 730g。
ずっしりきます。
次に重い90 mmが500g なので、それなりの差です。
50 mm は330g。
やはり135 mm はなかなかの重さであり、付け外しの面倒くささもあって、最も出番が少なくなっています。
撮ってみると、よい写真が撮れるのですが。
75 mm と90 mm はそれほど差がないように見えますが、室内で撮るときにはこの15 mm の差が結構大きく、重宝しています。
モノを撮るときは、75㎜が使いやすいことも多いです。
屋内
次に屋内で撮った写真を比較してみました。
屋内だと屋外とはまた違って広く撮れるという意味合いが変わってきます。
ちょっとゆがんだ感じにはなるのですが、奥行きが出て、おもしろい写真が撮れるのです。
以前は広角(広く写る)が好きで、iPhone 11が超広角レンズ(13㎜)を載せたとき、喜んで買ったのですが、いろいろ試している間に、広角があんまりおもしろくないと感じてきて、今はそれほど魅力を感じません。
10mmだと結構歪みすぎのような気がしますし、21㎜はおもしろいなぁと思う一方、ピントを合わせる醍醐味がなく、Leica M10で撮るのであれば今ひとつかなというのが現在の心境です。
■10㎜
■21㎜
広角寄り、つまり焦点距離が短いほうであれば、35mmが気に入っています。
というわけでコシナ(フォクトレンダー)の10㎜、21㎜、35㎜ はこのブログ記事をの写真を撮った後、売りました。
(売ることを決めてから取材に出かけました)
Leicaレンズの購入資金に充てています。
(Leica以外のレンズも買うとなると対象が広すぎるので、「Leicaのみしか買ってはいけない、ただし、オールドレンズ(古いレンズ)に限る」というルールにしています)
50㎜は相変わらずの安定感、75㎜、90㎜は、屋内のスナップ写真でも使いやすいです。
■75㎜
■90㎜
■135㎜
レンズの焦点距離別の背景圧縮・ボケ効果
焦点距離によって変わるのは画角(写る範囲)だけではなく、背景との距離や背景のボケ具合も変わってきます。
背景が近く見えるようになる効果を圧縮効果といい、望遠であればあるほど、焦点距離が長ければ長いほど圧縮効果はあるのです。
背景のぼけ方については 4つの要素があります。
・F 値が小さければ小さいほどボケやすい
・被写体に近ければ近いほど背景がボケやすい
・背景にあるものが遠いほど、ボケやすい
そして。
・焦点距離が長ければ長いほど、ボケやすい
という4つです。
10㎜から比較してみました。
(それぞれ F 5.6付近で撮っています)
10㎜だと背景はかなり遠くにあります。
■10㎜
21㎜で背景が近づき、
■21㎜
35㎜だとさらに近づきます。
そして、35㎜付近までは背景がボケません。
■35㎜
50 mm から、背景がちょっとぼけてきました。
この辺はレンズ性能の違いもあるのでしょうが。
■50㎜
75mm になると、背景がかなり近くなります。
(微妙な角度の違いはありますが)
■75㎜
90㎜、135㎜だと、背景がこれだけ近く、ボケるようになります。
■90㎜
■135㎜
どちらかというと焦点距離の違いは、「大きく写るかどうか」「どこまでの範囲が写るかどうか」への影響が大きいかなと。
ボケ具合は他の要素でも絡んできますので 。
カメラのレンズを選ぶのであれば、どの辺の焦点距離が好きかを試しつつ、焦点距離が違うレンズを買ってみるのもおすすめです。
35 mm と50 mm はひとまず買ってみるとして、広角側で1つ、望遠がある1つ、買ってみていろいろ試してみると違いがわかりやすいかと思います。
私のように広角好きかもなあと思いつつも、実際に撮ってみると望遠側の方が好きというのがわかったりするかもしれません。
今、焦点距離別に持っているレンズは35 mm(×2)、50mm(×3)、75 mm、90 mm 、135 mm。
使用頻度順でいうと50mm >90mm=35mm>75mm>>>135mm というところです。
(最近、35㎜がちょっと好きになりつつあります)
標準レンズの50㎜と、ポートレート(人、プロフィール)にも使いやすい90㎜をメインにし、そこに集中投下し、その他の焦点距離のレンズは、少し抑えめのモデルにしました。
メインを決めて、あとは安めのレンズで焦点距離をそろえるという手もあるかと。
単焦点レンズでなく、通常はズームレンズが使えるので、ズームレンズを買っていろんな焦点距離を試してみればいいような気もしますが、「ズームで焦点距離を変えられる」と「単焦点で焦点距離を変えられない」というのは何か感覚が違うような気がしています。
単焦点レンズだと思ったような大きさで撮るのであれば、自分が近づいたり遠ざかったりしなければいけませんが、ズームしなくていい分、より集中できる気も。
今日はこのレンズ!とレンズを選んで、その日は、その焦点距離で撮るというのが好きです。
(日中にレンズ交換することもありますが)
Leicaに限らず、レンズ選びの参考にしていただければ。
買いすぎにはくれぐれも注意です。
(私は「カメラ」という項目をつくって集計して、どれだけ使ったかがわかるようにしました。)
■編集後記
昨日は午後にブログ入門セミナーを開催。
Zoomで行いました。
画面操作もこちらでできます。
オンラインセミナーは、パソコンを操作するタイプだと、Zoom、そうでなければYouTubeかなという感じです、今のところ。
オンラインでブログ入門セミナー開催
■昨日の娘日記
じゃがいものスープが好きで、おとといつくったらずっと食べています。
ホットクックで簡単にできるので楽です。
皮むきは苦手ですが、娘のために。
■著書
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