税制改正2024の目玉『賃上げ促進税制』が関係ない「ひとりしごと」の選択

税金の法律は毎年何かしら変わります。
ただ、ひとりで仕事をしている人には関係ないことも多いもの。
何が関係あるのか、関係ないのかを整理しておきましょう。

※賃上げ（振りのみ）　by　Nikon Z9+24-120mmF4

給料を上げると税金が安くなるってよ

賃上げ促進税制というものがあります。
給料を上げると税金が安くなるというものです。

今もこの制度はあります。
中小企業で2024年3月31日までにスタートする年度なら、次のように税金が安くなるのです。

・前年度より1.5%以上増加→増加した給料の15％
・前年度より2.5%以上増加→＋15％
・教育訓練費（セミナー、研修など）が前年度より10％増加→＋10％
最大で15％＋15％＋10％＝40％、安くなります。

ただし、法人税の20％が限度です。

たとえば、
前年度に給料を1000万円、教育訓練費　100万円
前年度に給料を1200万円、教育訓練費　150万円
なら、200万円増えていて、その40％の税金が安くなります。

200万円×40％＝80万円。
それなりの金額です。
（法人税の20％が限度）

これだけ戻ってくるなら、給料を上げないと損でしょう。
ただ、ひとりで仕事をしていれば、人を雇っていないということ。
給料も払っていないので、増えるも何もありません。

じゃあ、自分の給料を上げればいいのでは？
この制度は、自分（役員）への給料は含まれないのです。
（家族もNG）

教育訓練費も関係ありません。
結構かけている方もいらっしゃるでしょうが。

フリーランスの場合、自分へ給料は払っていないでしょう。
しくみ上払うことはできないのです。

2024年度の税制改正という税金の法律がこう変わる！というものがあります。
その目玉と言われているのは、この賃上げ促進税制の変更。

・前年度より1.5%以上増加→増加した給料の15％
・前年度より2.5%以上増加→＋15％
・教育訓練費（セミナー、研修など）が前年度より5％増加かつ給料の0.05％以上→＋10％
・プラチナくるみん認定又はプラチナえるぼし認定等→＋5％
※くるみんは、子育て、えるぼしは女性活躍推進

最大で15％＋15％＋10％+5％＝45％、安くなります。

「目玉」というわりには、そうでもないような……（って言ったら消されますかね……）。
給料を上げるのはいいとして、基本給を上げたらそうそうかんたんに下げることはできません。
かといって、日本の法律上、解雇はできず。
給料を上げると税金が安くなるくらいでは……。

中小企業については、安くなる税金で、限度額を超えたものは、5年繰り越せるようになります。
ただ、そんなに繰り越すことがあるかどうか。

ま、いずれにせよ、ひとりには関係ないです。
（私自身にも）

その他、2024年度の税制改正で、関係のあること、ないことをまとめてみました。

税制改正2024で関係ないこと・あること

まず、関係のないことは、
・前述の賃上げ促進税制
・ストックオプション
・戦略物資
・イノベーションボックス
などです。

関係が多少なりともあるのは、こういったもの
・本人＆家族1人あたり年4万円の所得税・住民税が安くなる（年収2000万円以下）
・児童手当の分、税金上の控除（扶養控除）が減る（トータルでは手取りが増えるらしいのですが……）
・40歳未満で配偶者あり、40歳以上で40歳未満の配偶者・19歳未満の扶養親族→住宅ローン控除の限度額が増える（依然として住宅を買うリスクも天秤にかける必要あり）
・生命保険の遺族保障の分、23歳未満に場合の控除が2万円増える、一時払は控除にならない（年末調整のチェックポイントがさらに……）
・法人の交際費として税金の計算に入れない基準が5000円から1万円に（そもそも年800万円以下なら税金はかからない）
・ひとり親の要件が500万円から1000万円に（これはいい改正かと）
・2024年10月以降、倒産防止共済（セーフティ共済）を解約した場合、その後2年は再度加入しても、節税にならない（よくメスをいれたな……この管理は大変そう）
・消費税の原則課税の場合、自販機や自動サービスなどを使った場合、会計ソフトに住所を入れなくてよくなった（……諸事情によりノーコメント）

いずれも今すぐなにかしなければいけないというものでもありません。

これまでどおり、コツコツ経理し、しっかり節税しておきましょう。

話を賃上げ促進税制に戻すと、これだけ世の中が値上げ、賃上げと言われているわけです。
税金上は関係なくても、ひとりで仕事をしていても、自分の賃上げはしていきましょう。

自分の賃上げはどうする

自分の賃上げをするなら、利益を増やさなければいけません。

プライベートでは、食費、光熱費などが上がり、経費では、パソコン、ソフト、各種サービスなどの値上げも目立つので、やはり利益を上げていくことが欠かせません。

イメージ的に、月の利益で＋10万円ほど賃上げを考えましょう。
税金上の優遇はありませんけどね。

＋月10万円をどうすれば達成できるかを考えてみましょう。
10万円の仕事なら1件、1万円なら10件。

売上ではなく、利益（＝残るお金）で10万円です。
経費を使いすぎてもいけませんので、重々気をつけましょう。
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時間は限られており、人も限られている以上、できるのはこういったことです。
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賃上げ促進税制は使えなくても、法人で自分の賃上げ（給料アップ）をすれば、経費が増え、税金は減ります。

税金によるサポートは、ひとりにはありません。
たくましく生きていきましょう。

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■編集後記
昨日は、午前中、自宅でRPA入門講座の収録や税理士業、ちょっとカフェに行って戻ってZoom打ち合わせでした。
夜は、娘とスマホの手続きに。
店頭で買ったLeitzPhone，店頭で返却手続きをしなければいけないのがめんどくさく……。
2年で返せば残りは払わなくていいという制度です。
なんだかんだ言われなきゃいいのですが。

■1日1新→Kindle『1日1新』
トクするサポートでの返却
PS5 グランブルーファンタジー バーサス ライジング フリーエディション
PS5　鉄拳8 体験版

■娘(6歳）日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
スマホの手続きのため、付き合ってもらいました。
タリーズで休憩しつつ、遊び場で遊びつつ。
夜は、すき焼き。
熊本2人旅で、すき焼きを食べて以来、好きになりました。
卵につけて食べるのがまた好きなようで。