2007年8月1日に独立してから今日で5年となりました。
独立して5年
5年間、独立して税理士として活動してきました。
顧問契約のお客様、そして独立とほぼ同じ期間(5年と22日)続けてきたブログ読者の皆様、書籍を購入してくださった皆様、セミナーにご参加いただいた皆様のおかげです。
この場をお借りして御礼申し上げます。
とりあえず墜落することなく(乱気流に巻き込まれたり、不時着のようなことはたくさんありましたが(^^;))、5年続けることができたのは幸運でした。
「税理士という資格があるから続けられて当然」と思われるかもしれません。
確かにオーソドックスに税理士事務所をやっていれば、そんなに大変ではないと思います。
自分のやりたい方向性で、やりたくないこと・やるべきでないことを除外しようと思うと、とたんに難易度は増します。
そのおかげで、いまだ試行錯誤の日々です。
だからこそ、この5年間は「あっという間」とはいえません。そこそこ長かったです(^^;)
税理士事務所の4つのモデル
税理士事務所には規模と業務内容から考えると、4つのモデルがあります。
1 組織+相談
税理士業界の方向性としては、通常組織化します。
「担当者を雇って拡大し、自分は管理運営に回る」というのがセオリーです。
独立前からこれには疑問がありました。
担当者をどこまで育てることができるか、管理できるか自信がありません。
よかれあしかれ自分の完全なコピーを作ることはできませんしね。
担当者を雇っても、その担当者がお客様の元に行き、どういう仕事をしているかまで目が届きません。
その場の判断や相談への回答も、担当者次第になります。
いったん持ち帰り事務所内で協議することになるとレスポンスも遅れます。
よほど優れた担当者を確保しなければこのモデルは難しく、私には経営者、管理者としてのセンスもありません。
結局は担当者がころころ入れかわる、担当者が育たない事務所になってしまうでしょう。
独立前は、「税理士受験生を採用して、資格をとってもらい独立をサポートする事務所」も考えていました。
しかし、上記の理由から私には非常に難しいことがわかり、今は別の形でサポートをしています。
その活動の1つが毎日(土日祝除く)配信しているメルマガです。
平日に毎日配信! 『税理士進化論』
担当者時代と独立してからの5年間を比べると、意識や考え方が大きく異なります。
いざとなればトップが責任をとってくれる、判断をゆだねることができる状態と、自分が判断・決断しなければいけない状態だと、どうしても差は出てくるでしょう。
もちろん担当者の立場でも、高い意識をもっている方もいらっしゃいますが、私はそうではありませんでした。
実はこのモデルは、税理士事務所向けのサービスを行っているところには好都合なんです。
会計ソフト、税務ソフト、税理士紹介サービス、保険会社などは、顧客を増やすほど喜びますからね。
その流れに流されたくないことも、このモデルを選択しない理由です。
2 組織+作業
組織化の方向性としては、担当者をおかず税理士事務所で作業をするものもあります。
領収書・請求書等を郵送又は持参してもらい、会計ソフトに入力し、その結果を送付又は持参するモデルです。
低価格で提供できるのが魅力でしょう。
(その分低報酬で雇わざるをえませんが)
ただ、相談業務はどうしても手薄になります。
というより相談やアドバイスがまったくないケースもあります。
3 個+作業
組織化せず個人で、日々作業をこなすモデルは大変ですし、やはり相談業務に手が回らなくなります。
新しいことに取り組むこともできないでしょう。
ここはなんとしても避けたいところです。
4 個+相談
結果として私がいるのは、このフィールドです。
組織化せずに相談業務に力を入れています。
幸いにもITやExcelという武器がありますので、作業の効率化も提供できる時代です。
あえて個という選択肢を選ぶことができます。
このモデルを選択している以上、担当者は私自身です(よかれ悪しかれ)。
今後5年
「税理士業務やっているのか?」と聞かれることも多いのですが、当然やっております(^^;)
料金プランにもよりますが、私が担当できる、直接目が届くのは15社と考えていますので、その範囲をこえないようにしています。
というとかっこいいのですが、それほど頻繁に契約が増えているわけではありませんし、増やす力もないです。
仮に契約数を2倍にすれば、収入・利益も2倍になるでしょうが、時間もなくなります。
契約して終わりというモデルではないからです。
時間に終われば、提供するサービスの質も下がります。あえて増やさない、右肩上がりを目指さないという方向性はこれからも変わりません。
その代わり、セカンドオピニオン、単発の契約、業務効率化コンサルティング、書籍執筆、セミナーなどの形でのサービスは増やしていきます。
これらのものは、時間をコントロールしやすく、顧問業務へのフィードバックも大きいです。
一見分散しているようですが、「ストレスを減らし、時間を生み出す」という共通のキーワードがあります。
税務にしろ、ITにしろ、Excelにしろ、ストレスや不安を感じることを解消し、無駄な業務の時間や悩む時間を減らしていただいたいと考えています。
相談・アドバイス業務に力を入れるのであれば、個で展開していった方がやりやすいですし、小回りもききます。
何よりも自分で判断するという厳しい立場にいることで力がつきます。
だからこそ、独立する税理士を増やしたいのです。
今後5年間は、独立する税理士へのサポートも増やしていきます。
また、今年40歳になりますので、いざというときのリスクへの備え、後継者の準備もこの5年間で進めていきます。
自分に何かあったときにどうするか?というのは、個で展開する上での大きなリスクですからね。
このリスクは、組織化しても変わらないことが多いです。
自分だけが税理士で他の従業員は税理士ではない場合も、後継者がいないのと同じことになります。
しっかり向き合って考え行動していかなければいけません。
今年は、今書いている書籍をきっちり仕上げることが当面の目標です。
税理士としての活動の集大成となるような書籍を書く機会に恵まれたことは幸運だと思います。
昨日は21時前に寝て、今朝は2時に起きました。
目が覚めすぎたので仕事をスタートしています。
夜は皇居ラン練習会がありますが、それまで持つかどうか不安です(^^;)
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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