実際にやってみてわかった、80万円以上の税金が安くなる雇用促進税制の注意点

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今、節税でもっとも効果があるものの1つは、雇用促進税制と呼ばれるものです。
80万円税金が安くなる可能性がありますが、手続き要件が非常に厳しいので注意が必要となります。
書類1枚出していないだけで、この制度を受けることはできません。
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1年前に書類を提出していないとアウト!

この制度は、事業年度がスタートしてから2か月以内に、ハローワークへ書類を提出しなければいけません。
その書類は、こちらからダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html

この書類は、雇用促進計画というものです。
該当事業年度で、何人採用する予定かの計画を提出しなければいけません。
この提出がないと、そもそもの制度を受けることができないのです。
制度としては、中小企業の場合は2人(資本金1億円超の法人等の場合は5人)以上採用した場合に適用されます。
※その他給与の金額などの要件があります。
以前書いた記事を参考にしてください。
(当時は1人当たり20万円でしたが、平成25年(2013年)4月1日以降開始事業年度からは1人当たり40万円の控除となります。記事は当時の20万円で書いています。)
・税金を減らすため改めて確認しておきたい雇用促進税制 その1 制度の概要 | EX-IT

 

 

 

 

・税金を減らすため改めて確認しておきたい雇用促進税制 その2 「雇用者の増加」とは | EX-IT

 

 

 

 

・税金を減らすため改めて確認しておきたい雇用促進税制 その3 チェックリスト | EX-IT

 

 

 

 

 

2人以上人を採用する可能性がある場合は、法人、個人事業主問わず、提出しておきましょう。

この計画どおりに人を採用しなくても大丈夫です。
2人採用という計画で、1人でもかまいません(適用がないだけです)
2人採用で、3人になっても問題ありません。

事業年度開始から2か月以内というと、3月決算(4月にスタート)の場合は、5月31日が提出期限(必着)です。
所轄のハローワークに提出しましょう。

「2人以上採用したんだけど、計画を提出していない」となったら、泣いてもわめいても、税金は安くなりません。
私がお客様の計画を提出しに行ったときに、「出し忘れましたって話、多いんじゃないですか?」と担当の方に聞くと、
「はい、そういうお問い合わせはかなり多いです」と。
「でも(期限どおり出してないと)だめですよね?」と聞くと、当然「はい(^^;)」という返答でした。

 

細かい経費を積み上げて節税しようと思っても、80万円の節税は、かなり難しいといえます。
法人で80万円の税金を減らすには、約200万円の経費(=お金)が必要となるからです。
この制度なら、書類を提出して、所定の手続きをすれば、簡単に節税できます。

 

 

計画を出した後の手続き

計画を出しても、終わりではありません。
実際に計画を達成できたかどうかの書類を提出する必要があります。

計画を提出したときに、用紙へ受領印を押してもらえますので、その用紙に書き込む形式です。

採用したかどうかは、ハローワークの方でデータを持っていますので、照合してくれます。
雇用保険に加入している人というのが条件の1つなのです。
(役員及びその家族は除く)

計画達成状況を確認してもらい、承認印を押してもらった書類を確定申告書に添付して提出します。
法人の確定申告の期限も原則決算月の末日から2か月以内ですので、結構慌ただしくなります。

※ハローワークで確認してくれるのは、計画達成状況(人数)のみです。

他の要件は別途自身で確認する必要があります。

 

実際に体験した結果わかった注意すべきこと

当事務所のお客様でもこの制度により税金が安くなっています。
(補助金ではありませんので、赤字では効果がありません。さらには法人税の20%までが限度額です。ある程度の金額の法人税が発生していないと、十分に恩恵を受けることができません。)

最大で、4名採用され、80万円(1人当たり20万円の時期です)税金が安くなっています。

その他、やってみて感じた注意すべきことは次のとおりです。

 

・計画を達成できなかった場合、手続きは必要?

ハローワークの方に聞いてみました。

計画どおりいかずに、制度の適用を受けることができない場合は、達成状況確認の手続きはしなくてもいいそうです。

特にそれでとがめられることはありません。

 

・計画達成状況の承認は時間がかかる

計画の提出はハローワークのみで済みます。
窓口なら確認してすぐに印鑑を押してもらえます。

しかし、計画達成状況の承認は時間がかかります。
パンフレットにも、

”お預かりしてから返送までに約2週間(4月・5月は1か月程度)要しますので、確定申告期限に間に合うよう余裕をもって提出してください。”

と書いてあります。

この理由を聞いてみると、実施結果の承認はハローワークではなく、労働局で行うということでした。
ハローワークが窓口→労働力で確認→ハローワークから返却という流れのため、時間がかかるようです。
(よくある役所間のやりとりですね(^^;))

実施結果の承認を受けるまでは気が抜けません。

 

・e-Taxの場合は郵送

私はお客様の申告書をすべてインターネット(e-Tax)でやっています。
この制度に必要な書類は、郵送しなければいけません。
これは仕方ないことです。
簡易書留でしっかり送りました。

 

・計画達成状況の確認と、次の計画の提出時期は同じ

計画達成状況の確認を受け、安心していてはいけません。
次の事業年度の計画も同時期に出す必要があります。

2013/4/1〜2014/3/31の計画達成状況の提出期限→2014/5/31
2014/4/1〜2015/3/31の計画の提出期限→2014/5/31

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まあ、毎年同時に出せばいいことになります。

 

・事業年度を変えた場合は注意

事業年度(決算月)を変更するのは、有効な節税策です。
この事業年度を変更した場合、計画と計画達成状況の提出期限が変わることに注意しましょう。

 

・決算月間近で退職されるとイタイ

中小企業の場合で2人以上(かつ10%)増加することが要件の1つです。
この【増加】とは、純粋な増加です。

例えば、前期末から2人増えても、1人減ると、1人増えたことにしかなりません。
決算月間近に退職されると、税金の優遇がなくなるわけです。
退職の時期を延ばせるわけでもないでしょうが、意識しておいた方がいいでしょう。
無理に延ばしてもその間の給与の支払いがあるので、なんともいえないところです。

 

・役員を辞任すると対象となる

2人以上増加という場合のカウントは役員・使用人兼務役員は除きます。

役員を辞任して従業員になれば、カウントされます。

例えば、役員2人が辞任して従業員となった場合、【2人以上増加】という要件を満たすことになるのです。

役員 3人 従業員 1人

役員 1人 従業員 3人

必ずしもできることではありませんが、活用できる機会はありえます。

今、会社の役員は1人で大丈夫ですしね。

 

・会社都合での退職者がいた場合

対象となる事業年度及びその前事業年度に、会社都合による退職者がいると適用がありません。
この点も注意しておきましょう。

 





【編集後記】
ここのところ、石垣島トライアスロン、セミナー開催と続いたので、昨日は久しぶりに家ご飯でした。
さばが安かったので、さばの塩焼き、味噌煮を(^^)
作りすぎたので、今日も食べられます。
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