2017年(平成29年)1月1日から、レシートをスマホで撮って、捨てられるようになります。
ただし、要件を満たした場合です。
そのスキャナ保存の要件についてまとめてみました。
※自宅にて DSC-RX100M3
レシート スマホ保存解禁
レシート(領収書)、請求書は、原則として、紙で保存しておかなければいけません。
データで保存していると、改ざんの恐れがあるからです。
といっても紙の保存だと、
・保管場所が必要
・めんどくさい
といったデメリットがあります。
ペーパーレスで、他の書類はスキャンして捨てられるのに、レシートや領収書だけ捨てられないというのも不便です。
ペーパーレスを徹底している私でも、領収書・レシートは捨てていません。
法律上、捨てられないのです。
ただ、この法律(電子帳簿保存法)も徐々に緩和されてきました。
・3万円未満のもののみスキャン可能
・電子署名が必要
・原稿台と一体になったスキャナーのみ使用可能
↓
・3万円以上のものもスキャン可能
・電子署名不要
という流れで緩和され、2017年(平成29年)1月1日からは、
・スマホ、デジカメでスキャン可能
となります。
現在の法律でも要件は厳しく、ひとりしごとの場合は現実的ではありません。
【関連記事】スキャナ保存の厳しすぎる要件。3万円以上の領収書がスキャンできるようになっても中小企業・フリーランスが導入できない理由
リンク
これが2017(平成29)年1月1日から法律が緩和されたとしても、それなりに要件は厳しいものです。
スマホで撮れるからといって、簡単になるわけでもありません。
レシート スマホ保存の要件
レシートをスマホ(デジカメ)で保存して、そのレシートを捨てられるようになるには、次のような要件を満たさなければいけません。
1 性能を満たすスマホでスキャン
A4で388万画素以上という性能が求められていますが、今のスマホならたいていクリアしているはずです。
2 対象となるもの
レシート、領収書、請求書、契約書、見積書、注文書等が対象です。
決算書、帳簿(元帳)などの書類は対象外となります。
3 署名の上、スキャンし、3日以内にタイムスタンプ
レシート等を受け取ったら、署名(手書き・・・)した上、でスキャンし、3日以内にタイムスタンプをつけなければいけません。
タイムスタンプとは、スキャンした時刻を証明するもので、有料のものです。
これが高すぎたため、大企業でないとスキャナ保存は現実的ではありませんでした。
これからのコスト、システムについては後述します。
レシートに署名するのがめんどくさいです。。。
しかも3日以内・・・
4 チェックする人が必要
原則として、スマホ保存では、相互チェック、検査が必要です。
・レシートを受け取った本人
とは別に
・チェックしてタイムスタンプをつける人
・スキャン後のデータを定期的に確認する人
と2人いなければいけません。
(後者は外部でもかまいません)
ただ、2017年(平成29年)1月1日以降は、小規模事業者の場合、税務代理人、つまり税理士がチェックすれば、
・レシートを受け取り+タイムスタンプをつけ
・税理士が定期的に確認
で済みます。
ひとり(フリーランス、ひとり社長)でもレシートのスキャン保存が可能にはなるのです。
ただし、税理士が税務代理、つまり税理士に確定申告を依頼してなければいけません。
これはこれで、難問です・・。
私もネタにレシートスマホ保存を試そうかと思うのですが、自分の会社のチェックを自分自身(税理士)がやるのはダメでしょうし、なんらかの方法を考えなければいけません。
5 チェックするまでレシートを保管
上記のチェックが、内部であれ税理士であれチェックが終わらないと、レシートを捨てることはできません。
買い物をしてスマホで撮ってレシートを捨てるということはできないのです。
ただ、そのチェックの証明は難しいでしょう。
チェックしてから捨てたのか、チェック前に捨てたのかの判断は難しく、チェックの形式もどうやって残すのかの疑問もあります。
すべてのレシートをチェックするわけにもいきませんので、ある程度のチェックでいいようですが、この要件は形だけになりそうです・・。
6 3ヶ月前までに申請
これまでと同様、3ヶ月前までに申請書を税務署へ提出しなければいけません。
2017年(平成29年)1月1日からレシートスマホ保存をやるなら、2016年(平成28年)9月30日に申請書を出す必要があります。
7 システムの要件
その他システム上の要件もあります。
・スキャン後の画像が、14インチ以上のカラーディスプレイで、4ポイントという大きさ以上で文字を認識できること
・スキャン自体は、グレーでもよく、解像度200pt以上、赤緑青それぞれ256階調以上。
(これはスマホアプリなどで対応してくれるはずです。)
スマホでのレシート保存の障壁
実際にスマホでのレシート保存ができるかどうか。
3つの障壁があるので、なかなか難しいと考えています。
1 タイムスタンプのコスト・しがらみ
前述したようにタイムスタンプをつけるのは、お金がかかります。
その年だけではありません。
レシート、領収書等は、税金上、原則7年(最大10年)保存する必要があります。
たとえば、2017年にスマホ保存したものは、7年間、保存するので、7年分コストがかかるわけです。
現状、タイムスタンプとして現実的なのは、次の2つ。
freeeは、月3,980円+税のプレミアムプランに入る必要があります。
通常だと、月1,980円+税なので、月2,000円+税の負担増です。
弥生会計はあんしん保守サポートに入れば、タイムスタンプを使えます。
セルフプラン(利用方法の質問はできない)なら、年28,080円〜
ベーシックプランなら、年32,400円です。
これらを利用すれば、2017年(平成29年)1月1日からタイムスタンプをつけることはできます。
ただ、その後のしがらみもできるのが難点です。
会計ソフトの移行はやりにくくなります。
そのときの状況や使い勝手に応じて、サービスやソフトを変える時代。
このしがらみはネックです。
追記:MFクラウド経費なら、タイムスタンプを即つけることができます。
2 スキャンの精度
経理で最もめんどくさいのは、レシートの保管よりも入力ではないでしょうか。
保管は、適当に袋へ入れたり、紙に貼ったりすれば十分です。
ただ、入力はそれなりの手間がかかります。
その手間を省くために、レシートをスキャンしてデータとして読み込む方法があるのですが、その精度は十分ではありません。
「使えるレベル」
「実用に耐えられる」
「便利で入力しなくていい」
という声もあるのですが、私はそうは思えないのです。
たとえば、このレシートを
freeeで読み込むとこうなります。
日付は読み込んでいますが、金額は211、店名、科目も読み込めていません。
こういった場合は手入力です。
MF経費(MFはタイムスタンプ導入のプランをまだ発表していません)だと、こうでした。
日付、店名、金額は読み込めていますが、科目は旅費交通費。摘要「書籍代」も入りません。
(設定やパターン認識により「丸善」→「図書費」・「書籍代」となるのでしょうが)
スマホで撮るたびに、ちゃんと読み込めているか、気苦労が絶えないでしょう。
ただ、画像にしておいて、後でチェック、入力するという考え方もありますし、「レシートを捨てる」というメリットに注目すれば、読み取り精度はそれほど気にならないかもしれません。
「スマホで撮れば、入力も終わって楽ちん」というレベルではないことは、実際に試してみて確認しておきましょう。
この確認だけなら、申請もタイムスタンプのあるプランも必要ありません。
【関連記事】freee レシートスキャンの現実 | スキャナ保存・電子帳簿保存法・タイムスタンプに対応したけど・・。
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【関連記事】弥生会計オンライン+ScanSnapでスキャンデータ取込。まだまだ実用レベルではない。
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3 スキャンの手間
スマホでスキャンする手間もかかります。
1枚ずつ撮って・・ということを考えると、従来通り直接入力したほうが楽ともいえるでしょう。
【関連記事】レシート入力が嫌な人は、財布がきれいになるスッキリ感と紐付けてみよう
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【関連記事】レシートの整理は、すぐに・ペタッと・重ねて
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昨日は、木更津トライアスロン(スイム1.5 バイク40 ラン10)。
陸上自衛隊木更津駐屯地で行われ、バイクは飛行場の滑走路を走ります。
コース幅も広く、直線も長く、快適です。
追い風のときは・・。
向かい風の部分はつらすぎました。
ランの練習不足が如実にタイムにあらわれており、体重増加とともに反省点山盛りです・・。
【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」
木更津トライアスロン
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