ビットコイン元年といわれる2017年。この確定申告(2018年3月15日まで)のためには、ビットコインで得た利益を計算しなければいけません。
それなりに大変です。記事執筆時の状況で書いてみます。
※iPhone X 自宅にて
ビットコイン(仮想通貨)の確定申告
ビットコイン(仮想通貨)をやっていれば、確定申告を考えなければいけません。
利益が出れば、税金がかかるからです。
具体的に解説してみます。
ビットコイン、イーサリアム、リップルなど、すべての仮想通貨が対象
まず、ビットコイン、イーサリアム、リップルなど、仮想通貨の種類にかかわらず、すべての仮想通貨が対象です。
当記事では、ビットコインと表記します。
ビットコインの確定申告ができないケース
確定申告できないケースなんて・・と思われるかもしれませんが、あるんです、そんなケースが。
それは、ビットコインで損を出したとき。
確定申告というと、「損や出費を確定申告して税金を取り戻す」という性質もあります。
ビットコインについてはそれはありません。
(事業でビットコインをやっている場合の除く)
もちろん、1年の間に、損をしたり得をしたりすることはあり、通算で得をしていれば、確定申告ができます。
結果的に損を補填することはできるわけです。
ただ、1年の取引の結果、損をしていたら、確定申告をしても戻ってこず、給料や事業と通算することはできません。
今年(2017年)はビットコインの価値が上がり続けており(10倍ほど)、通算で損をしている人は少ないかもしれませんが、来年以降は要注意です。
ビットコインの確定申告をしなければいけないケース
確定申告をしなければいけないケースは、
・確定申告をしない人で、ビットコインの利益が年間20万円を超える場合
・確定申告をする人
です。
給料のみで確定申告を人で、利益が少ないなら、やらなくていいわけです。
確定申告をするなら、どんなに利益が少なくても、確定申告をしなければいけません。
(利益が1000円なら、結果的に税金は変わらない場合もありますが)
ビットコインの確定申告をする金額
その確定申告をする利益の金額は、ビットコインによる収入から原価を引いたものです。
○ビットコインによる収入
・ビットコインでモノを買う
(デビットカードを使う場合も含む)
・ビットコインを日本円にする
・ビットコインで他の仮想通貨を買う
・ビットコインで収入(売上、アフィリエイト収入等)
ビットコインを持っているだけでは、収入とならず税金はかかりません。
詳しくはこちらの記事で書きました。
また、分裂により得た場合も利益とはみなさなくて大丈夫です。
ビットコインの場合は、ビットコインキャッシュに分裂しています。
○ビットコインの原価
収入はわかりやすいとしても、その原価、つまりビットコインをいくらで買ったかは計算が必要な場合があります。
ビットコインの利益の計算
では、そのビットコインの原価をどう計算するかを具体的にみてみます。
取引所から、年間の取引の明細が出れば楽なのですが、現状(2017/12/03)は、ありません。
取引履歴から計算する方法を考えてみました。
ビットコイン購入が1回のみ
ビットコインを買ったのが1回なら、計算はそれほど複雑ではありません。
たとえば、1/16に1ビットコイン買うとします。
1ビットコインは97,238円です。
これを今日売ると、1ビットコインは1,237,419円なので、
収入1,237,419円-原価97,238円=利益1,140,181円
の利益です。
これを確定申告すればいいことになります。
ビットコインを2回購入の場合
1/16に1ビットコイン、5/1に1ビットコイン買ったとします。
1/16は、1ビットコイン=97,238円
5/1は、1ビットコイン=167,994円
です。
これを今日、1ビットコイン売ったとしたら、
1,237,419円-97,238円=1,140,181円
なのか
1,237,419円-167,994円=1,069,425円
なのか。
この場合は、いくらで買ったかの単価を計算しなければいけません。
どのビットコインを売ったかは曖昧なので、平均した単価を計算します。
(97,238円+167,994円)/(1+1)=132,616円
収入1,237,419円-原価132,616円=利益1,104,803円
です。
ビットコインを3回以上購入の場合
ビットコインを3回以上買っていると、さらに複雑になります。
1/16 1ビットコイン(97,238円)
5/1 2ビットコイン(167,994円)
11/1 1ビットコイン(785,669円)
と買った場合、1年間の取引の価格と数量を合計して、単価を計算すると、
(97,238円+167,994円+785,669円)/(1+1+1)=350,300円
となり、
(総平均法といいます)
収入1,237,419円-原価350,300円=利益887,119円
が利益です。
この場合、別の計算方法もあります。
その都度単価を計算する方法です。
(「移動平均法」といいます)
1/16 1ビットコイン(97,238円)
5/1 1ビットコイン(167,994円)
で、
(97,238円+167,994円)/(1+1)=132,616円と計算し、
11/1 1ビットコイン(785,669円)
で
(265,232+785,669)/(2+1)=350,300円
どちらの方法をとるかは、現状自由です。
計算が簡単なのは、前者ですので、前者でやっていきましょう。
(ただし、今年はこっち、来年はこっちと変えていくことはできません)
ビットコイン各取引所からの利益計算
総平均法で単価を計算していくとしても、複数の取引先、複数の仮想通貨があると、計算は煩雑です。
私の場合、2つの取引所を利用し、2つの仮想通貨の取引があります。
それを事例に、計算方法を考えてみました。
ビットフライヤーからの計算
ビットフライヤーの場合、[お取引レポート]で確認できます。
みやすく、ダウンロードもできるのがうれしいです。
お取引レポートの取引種別は、「買い」「売り」「入金」「外部送付」「預入」「支払」「受取」など。
「買い」は、円でビットコインを買った場合→単価計算に使い、ビットコインを他の仮想通貨と交換した場合→原価を計算します。
「外部送付」は、他の仮想通貨取引所への送金、支払が含まれており、支払であれば、ビットコインの収入となります。
「支払」は、何かを買ったことになるので、ビットコインの収入です。
「売り」は、税金の対象です。収入を計算しなければいけません。
「受取」はログインボーナスやキャッシュバックボーナス。収入として計算します。
まとめると、
・「売り」「支払」「受取」「外部送付」(支払った場合)がある場合、「買い」から単価計算して利益を計算し確定申告(しなくていい場合を除く)ということになります。
具体的に計算してみました。
まず、ダウンロードした[お取引レポート]をExcelで開き、加工していきます。
「売り」
この取引所では売ってなかったので、さっき売りました。ブログネタに。
「買い」
原価(平均単価)を計算します。
データに価格とBTC(数量)があるので、価格×BTC(数量)を計算し合計したものをBTC(数量)で割ります。
平均単価は287,593円となりました。
「支払」
モノを買った場合はその支払先をメモしておきましょう。
ビットフライヤーでは、ビックカメラの場合はこのようにレポートで見ることができます。
この場合は、レポートに価格(レート)がないので、調べなければいけません。
私はデータを持ってきて、VLOOKUP関数で読み込みました。
ビットフライヤーのデータではないのですが、おおむね同じですので。
「交換」
ビットコインをイーサリアムと交換したことがあります。
データから、イーサリアムのデータを見つけ、レートを入れ、日本円でいくらのイーサリアムを買ったかを計算しましょう。
ビットコインでイーサリアムを買った場合、イーサリアムの原価になります。
「受取」
ログインボーナス、キャッシュバックを収入として計算します。
ログインボーナスは1回2円程度、キャッシュバック(ビックカメラ)は500円程度です。
この受け取ったビットコインも、原価になります。
「利益計算」
これらの金額を、シートにまとめておきましょう。
平均単価で計算し、どのくらい利益が出ているかをチェックします。
売却だと、2,876円で買ったビットコインを12,126円で売り、9,250円利益が出ているということです。
この利益と他の収入の利益(給料、事業、不動産など)を合わせて決まる税率で、15%〜55%(所得税と住民税合わせて)がかかります。
コインチェックからの計算
私はコインチェックも使っています。
コインチェックの場合、取引履歴が月ごとになっているので、使いにくいです。
しかも、4月以前のデータはとれません。。
(仕様だとか)
サイトの[最近のアクティビティ]からExcelへコピペもできますが、
加工しなければいけないので、どっちもどっちで。
確定申告用のデータを出すようにして欲しいものです。
ひとまず、マクロで整理しました。
通貨が複数あれば、通貨ごとに平均単価、利益を計算しなければいけません。
平均単価で計算すると、ビットコインで購入したケースではマイナスになりますが・・・。
コインチェックはビットコインでアフィリエイト収入を受け取ることができます。
これは、ビットコインによる収入になり、原価(平均単価)の計算にも含めることになるでしょう。
ビットコインによる売上がある場合も同様です。
経費を入れる
取引所、通貨別に利益を出し、さらに経費があれば、それを入れます。
ビットコインをやるのにかかった経費です。
ビットコイン関係の本、セミナー、ビットコインがあるがゆえの税理士報酬などが含まれます。
ビットコイン取引所で、確定申告に使えるわかりやすい資料が出ればいいのですが、それを待っていて出ないときはさらに大変です。
今年(2017年)は、地道に早めに集計し始めましょう。
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