先日,お客様から
「簿記1級に合格して,経理の仕事についたけど,
嫌になって,もう経理の仕事はしたくない」
という人がいるとの話を聞きました。
しかもその簿記1級は初めての受験で
合格したそうです。
そのとき,お客様とも話したのですが,
考えられる原因は2つあります。
1つめに考えられるのは,
最初の経理の仕事が作業的なもののみであったことです。
会社によりますが,経理といっても幅広く,
仕訳の入力
振込手続
現金管理
社内の経費管理
売掛金管理
試算表(月次決算書)の作成
などがあります。
経理の仕事は地道な作業ですので,
その方にとっては,面白くなく,
嫌になったのかもしれません。
しかし,1つ1つの仕訳の入力が,
毎月の試算表になり,
それを基に意志決定を行うことになります。
そして,最終的には,
決算書の作成,
税金の計算につながっていきます。
別のお客様の経理担当者の方ともよく話すのですが,
経理の仕事が最終的にどこにつながるか
を意識することが重要です。
2つめに考えられるのは,
勉強したことと実務のギャップがあったことです。
簿記で勉強することと
実際行われている実務は異なる点も多いです。
簿記の勉強どおりに処理をすると
かなり業務負担が増えるので,簡略化していたり,
また,最終的に税金を計算するので,
法人税の規定を考慮して処理をしたり
しています。
この辺は,なぜこういう処理をするのかの理由がないと,
「せっかく勉強したことが活かせない」
ということになる可能性もあると思います。
私自身も最初に実務を経験したときに
このギャップは感じました。
ただ,「実務ではこうする」という一言で片付けられると
納得がいきませんでしたので,
必ずその根拠を探していましたね。
勉強したからといって,
その勉強したことを活かす仕事を
しなければいけないというわけではありませんが,
もし単に嫌いになったのであれば,もったいないなぁと思います。
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