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損益と資金のシミュレーション

by 税理士 井ノ上 陽一

税理士の業務は,
過去の数字により,決算書や税務申告書を作成するだけではなく,
今後どうなるかのシミュレーションを作成することも
多いです。
例えば,
不動産を購入したり,
新規事業を始めたりした場合に
利益がどのくらいでて,
税金をいくら払い,
資金がいくら残るのか
を予測します。
要は損得がどのくらいあるかを計算し,
不動産購入や新規事業への投資の判断材料とするものです。
シミュレーションには,お客様に対するヒアリングを中心に
いろいろな情報を集め,
損益のシミュレーション(税金を計算)と
資金のシミュレーション(いわゆる資金繰り)を行っています。
(例)収入1,000,経費600,借入金返済140の場合
・損益
収入 1,000
経費          600
(うち減価償却費)  200
利益 400(1,000-600)
法人税等       160(利益の40%で計算)
この場合,利益が400で税金は160発生します。
・資金(収入=入金,経費=支払と仮定)
入金         1,000
支払          400(減価償却費は,資金上影響がない)
差引          600
法人税等       160
税引後資金 440(600-160)
借入金の返済    140
資金残高       300
利益が400あるからといって,
資金が400残るわけではなく,
税金を計算したり,
さらには,
経費でも資金の減少に影響しない項目や
資金の増減で損益(収入・経費)に影響しない項目も
ありますので,
それらを考慮する必要があります。
今朝は,不動産購入に関するシミュレーションを行っています。
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減価償却費
 購入時 
  建物 50,000 預金 50,000→損益には影響なし 資金に影響
 減価償却時
  減価償却費 200 建物 200→損益に影響 資金には影響なし(現預金が出ていかない)
借入金
 借入時
  預金 3,000 借入金 3,000→損益には影響なし 資金に影響
 返済時
  借入金 140 預金 150  →損益には影響なし  資金に影響
  利息   10            (利息のみ経費として損益に影響)

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