税金の方程式 税金=(収入-経費)×税率-税額控除 |
税金は,収入から経費を引いたもの,つまり利益に税率をかけて計算します。
利益が大きければ多いほど税率が上がっていく仕組みです。
なお,税額控除とは税率をかけて計算した後にさらに差し引くことができる金額をいいます。
今回は,個人事業主に関する税金についてまとめてみました。
個人事業主の場合,税金の種類は所得税及び住民税,事業税です。
ここでは,給料の場合と同様に所得税について考えてみましょう。
所得税=(収入-経費)×税率-税額控除
個人事業主の「収入」は,事業による売上です。
物を売ったり,サービスを行ったりした対価として受け取ったものが売上となります。
売上の証明は,発行した請求書,預金の記録,領収書等により行います。
一方,「経費」については,次の3つがあります。
(1)通常の経費
売上を上げるために必要な支出,つまり,物を買ったり,サービスを受けたりした場合,
その支出は「経費」となります。
支出額及び内容を証明する請求書や領収書が必要です。
(2)青色申告特別控除
個人事業主の場合,青色申告により申告すると,さらに「経費」を計上することができます。
青色申告とは,正確な会計処理による申告です。
会計ソフトに入力し,資料を揃えれば,その要件を満たすことができます。
青色申告特別控除は最大65万円の「経費」となります。
実際にお金が出ていかない「経費」ですので,必ず計上したいものです。
(3) 所得控除
給料の場合と同様に,所得控除があります。
所得控除は次のようなものです。
健康保険料,厚生年金,国民年金等
生命保険料や医療費のうち一定の金額
一定の収入以下の扶養親族や配偶者に応じた金額
基礎控除(だれでも38万円の控除があります)
などです。
方程式を整理してみます。
基本の方程式
所得税 =(収入-経費)×税率-税額控除
上記の「経費」(通常の経費,青色申告特別控除,所得控除)を加味した場合
所得税 =(収入-通常の経費-青色申告特別控除-所得控除)×税率-税額控除
上記の式の(収入-通常の経費-青色申告特別控除)を事業所得といいます。
税率は(収入-通常の経費-青色申告特別控除-所得控除=A)により,
次のように定められています。
Aの金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
(収入-通常の経費)が個人事業主の決算書上の利益となります。
収入が1,000万円,通常の経費が800万円だと,利益は200万円です。
この場合,青色申告控除が65万円,所得控除(健康保険,基礎控除等)が100万円,
税額控除が0円と仮定すると,所得税は次のように計算します。
所得税 =(収入-通常の経費-青色申告特別控除-所得控除)×税率-0
=(1,000万円-800万円-65万円-100万円)×税率-0
=35万円×5%-0
=1万7,500円
となります。
税金の方程式その1 所得税(給料)
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