資産家というと,現金,不動産や有価証券などの「資産」を多く持ち,いいイメージがあります。
会社の「資産」も多ければ多いほど,よい会社というイメージがありますが,
必ずしもそうではありません。
貸借対照表上の「資産」とは
会社の「資産」は,決算書の貸借対照表に表示されます。
貸借対照表を簡単に説明すると,次のようになります。
左側にあるのが資産。右側が負債・純資産です。
負債・純資産で調達してきたお金をどう使ったかを表したのが「資産」です。
会社の「資産」には,
現金,預金,売掛金(未回収の代金),商品(在庫),有価証券,車,不動産などがあります。
「資産」には,重要な論点が1つあります。
それは,利益を生んでいるか?お金になるか?ということです。
利益を生まない「資産」
「資産」には,利益を生まないものもあります。
例えば,
売掛金は,回収しなければ,意味がありません。
取引先からの回収が遅れれば,資金繰りが苦しくなりますし,
回収が不可能になれば,損失になってしまいます。
商品(在庫)も
売れれば,お金になりますが,売れ残れば損失になってしまいます。
不動産も同様に,
利益を生まない建物や土地を持っていても,維持費がかかるだけです。
以上のような理由から,
・売掛金の早期回収,
・在庫の圧縮
・無駄な不動産に投資しない,無駄な不動産は処分する
ということが行われるのです。
利益を生む「資産」をどれだけもっているかが,
経営効率のよさにつながります。
経営効率の比較
経営効率を2つの会社を比較して考えてみましょう。
AとBは,同じ利益の会社です。(青い棒が利益です。)
どちらが経営効率がよい会社といえるでしょうか?
より少ない資産で同じ利益を上げているB社の方が
効率がよい経営をしているといえます。
(資産の中身にもよります)
この効率を表す指標として,総資産営業利益率(ROA)があります。
総資産営業利益率=利益(※)/総資産
※「利益」は,当期純利益,経常利益,営業利益を使います。
※「総資産」は厳密には,期首と期末の平均値を使います。
この数値を前期と比較したり,同業他社と比較して,経営効率を把握することが重要です。
「資産」が多ければ多いほど,よいとは言えないわけです。
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