私が常々意識していることに「質問され力」というものがあります。
いかに質問を引き出すかというものです。
そのために必要なのは,
質問しやすい環境,質問者の知識
だと考えています。
質問しやすい環境
私が質問する立場から考えると,
次のようなシチュエーションがあります。
・質問に対して,断定的な答え→なぜそうなのか納得がいかない
・曖昧な答え→もう質問しないかも・・・。
・上から目線の答え→次は質問しづらい・・・
私が質問を受ける立場では,
・断定するならば理由をつける。
・明確な答えを出せなくても結論を出す。
・基本的なことでも聞いてもらえるような姿勢
などといったことを心がけるようにしています。
「こんなことはお聞きしづらいのですが・・・」とおっしゃる場合もありますが,
その「こんなこと」が質問してもらいたいことなのです。
また,「ダメなものはダメと言いますので,聞いてください」と私はお話ししています。
「あ,それは,よく摘発されている脱税の手口ですよ(笑)」ということもありますが,
こういうことやってみたいけど,ここはこうできるのではないか・・・
と疑問に思ってらっしゃるよりも
聞いていただいてスッキリした方が好ましいことです。
質問者の知識
「何かご不明な点はありませんか?」
「何でも聞いてください」
「質問は随時受け付けます」
などといっても,
具体的な質問が来ることは少ないです。
いわゆる「何を聞けばいいか分からない」というケースも多いからです。
だからこそ,クライアントや相談者の方々には,
税務,会計の知識を増やしていただくべく情報を提供しています。
質問者が知っていることでなければ,具体的な質問は導き出せないからです。
例えば,決算書の読み方を習得されている方であれば,
さらに経営分析値など違った視点からの質問をいただけます。
簿記や税金の知識があるかどうかでも質問の深さは変わります。
そういった質問を受けることで,
私自身も「なるほど,そういった見方もありますね。」と
異なる角度からの視点を得ることができます。
質問者がどのくらい知っているかは,
「質問され力」のもう1つのポイントだと考えています。
マトリクス
質問され力をマトリクスで表すと次のようになります。
縦軸は,質問しやすいかどうか,
横軸は,その質問に関する知識があるかどうか
です。
ベストなのは,Bの
知識があり,その知識をさらに深めるために質問しやすい環境があるものです。
何を質問したらいいか分からないとなりがちなのは,AとC。
Aは質問しやすいのでまだいいのですが,
Cだと分からないし,質問しづらいし・・・と負のスパイラルに陥っていまいます。
意外と多いのはCではないでしょうか。
Dは知識があり,それを広げようとするけど質問しづらいもの。
この場合は,自分で勉強したり,他に質問する人を探したりすることになります。
私としては,Bの状態,又はAの状態からBの状態へ移っていただきつつ,
質問していただくことを目指しています。
質問される側が質問する側よりも知識や視点を持っていることは大前提ですね。
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1/24 給料の税金,所得税の基礎知識が身につく「源泉徴収票の読み方」勉強会
昨日,新規のご契約をいただきました。
ありがたいことです。
体制が整ってきたこともあり,今年はクライアントを増やす方向性でいきます。
労働集約的な税理士業は,
いかに業務の質を落とさずにクライアントを増やせるか
が課題です。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本
「繁忙期」でもやりたいことを諦めない! 税理士のための業務効率化マニュアル
ひとり税理士の自宅仕事術
リモート経理完全マニュアル――小さな会社にお金を残す87のノウハウ
ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
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