・在庫による脱税と粉飾決算

もう少し，在庫に関するお話です。
前回，在庫をカウントして会計処理を行い，利益を確定するという記事を書きました。
「利益を確定する」ということは，在庫の金額が非常に重要な要素となるのです。
いいかえると，在庫の金額を変えるだけで利益が変わってしまいます。
そのため，会計や税金上，在庫が注目されるのです。
次の図は，適正な在庫を表しています。
これを基準として，在庫が少ない場合，多い場合をみてみましょう。

○ケース1　在庫を少なく計上した場合
実際の在庫よりも少なく計上した場合は，P/LからB/Sに持って行かれる在庫の金額が減ります。
利益は収益－費用で計算されますので，在庫が少ない→P/Lの費用が増える→P/Lの利益が減ることになります。
意図的に実際の在庫よりも少なく計上し，利益を減らす＝税金を減らすことは脱税となります。
不要在庫を処分する場合などは，もちろん節税です。

○ケース2　在庫を多く計上した場合
実際の在庫よりも多く計上した場合は，P/LからB/Sに持って行かれる在庫の金額が増えます。
利益は収益－費用で計算されますので，在庫が多い→P/Lの費用が減る→P/Lの利益が増えることになります。
意図的に実際の在庫よりも多く計上し，利益を増やすことは粉飾決算となります。

税務調査や監査で在庫が適正かどうかを調べるのは上記の理由があるからです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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【編集後記】
昨日は夕方から出版社の編集者の方と打ち合わせ。
修正点やアイデアなど，いつも的確なアドバイスをいただき，助かります。
時間がかかっておりますが，執筆の方はすすんでいます。
【読み終わった本】

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