会計上,「現金」と「預金(普通預金,当座預金など)」は,それぞれ分けて管理します。
先日開催した勉強会での質問に「なぜ,現金と預金を分けるのですか,自分のお金という意味では一緒では?」
というものがありました。
そして,昨日妹に会計の話をする機会があり,その妹からも同じ質問を受けました。
どちらも同じような趣旨で回答したのですが,その理由について,再度整理してみます。
現金と預金を分けて管理する理由
1 残高(いくらあるか)を証明できるかどうか
預金とは銀行に預けてあるお金です。
預金通帳でいくらのお金を預けているか,つまり,預金がいくらあるかが分かります。
この預金通帳は,銀行側で記録するものですので,第三者の証明が可能です。
預金が増えたり,減ったりした場合は,必ず通帳に記録されます。
一方,現金は,数えてみないといくらあるか分かりません。
さらには,自分の持っている現金を把握するのは困難な場合が多いです。
会社でも,会計ソフト上の現金と実際にある現金が異なるという状況もありえます。
会計上は,証明ができるかどうかの基準で,証明ができる預金と証明ができない現金を分けており,会計監査や税務調査で注意深く見られる項目でもあります。
現金商売の税務調査が比較的多い理由の1つです。
証明が可能な預金から入力するのは,会計ソフト入力のセオリーの1つになっています。
残高が証明できない現金は入力ミスがあっても気づかない可能性もあるからです。
2 保管している場所が違う
現金は実際に手元にあるものです。
それに対して,預金は,銀行にあるものです。
保管している場所が違う以上,別々に管理する必要があります。
3 現金から預金,預金から現金という取引がある
何か取引があった場合,会計上記録を行います。
その取引の中には,現金→預金(現金を口座に入金する),預金→現金(口座から現金を引き出す)というものがあり,これらの取引も記録の対象です。
もし,現金と預金を区別しなければ,これらの取引を記録できなくなります。
現金と預金を分けて管理する理由としては,上記のようなものが考えられます。
簿記の勉強,実務を行っている中では当然と思っていたことでも,このような質問を受けて改めて考え直すことが多いです。
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今日は午前中から飲食店のクライアントを訪問。
9月にオープン2周年記念のワインパーティを開催するということで,お誘いいただきました。
昨年も参加していて,常連さんと一緒にお祝いをするのは,非常に楽しい経験でした。
今から楽しみです
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