私は3つの税理士事務所に勤務し、その後、独立しました。(間に一般企業の経理を経ています。)
勤務していた時代から、「税理士事務所とはどうあるべきか?」ということを考え、今の日々考え続け、試行錯誤を続けています。
ただ、独立当初、目標とする税理士事務所というものはありませんでした。
しかし、やはり同業で目標とする税理士事務所を持つべきではないか?と考え、昨年、2009年の目標に「税理士で目標となる方を探す」というものを挙げたのです。
目標といっても、すべてまねるわけではなく、学ぶべきところを吸収し、自分なりの税理士事務所の方向性を確立したいと思っていました。
幸いにして、昨年、目標としたい税理士の方、3名と出会うことができたのです。
そのうちの1人、税理士松波さんのセミナー「高付加価値型会計事務所事例公開セミナー」に先日参加してきました。
松波さんとは、何度かお会いし、情報交換等もさせていただいております。
セミナーという場で、さらに深い話を聞けることとなり、非常に楽しみにしていました。
3時間半のセミナーは得るものが多く、さらには、レジュメは200枚以上(セミナーのスライド含む)、Excelファイル等のダウンロードと、非常に充実したものでした。
これだけの情報を提供するのは、すごいと思います。
セミナーの内容について、非常に共感できた内容を3つ挙げます。
1 「何も起こらない」
松波さんは、税理士事務所が顧客満足度をあげるために重要なこととして、「何も起こらない」ということを挙げてらっしゃっていました。
「何も起こらない」とは、
・税務調査が入らない
・資金に困らない
ということです。
税務調査の際の対応、緊急時の資金調達が税理士の腕の見せ所、という考え方もあります。
しかし、松波さんの考え方は、未然に税務調査を防ぎ、計画的に事前にお金を借りることができることこそ、顧客満足につながるというものです。
税務調査が入らないことに越したことはないですし、事前にお金を借りることができれば、安定した経営も可能となります。
そのためには、税理士事務所の決算書・税務申告書の作り方が影響してきます。
決算書・税務申告書の見せ方によって、税務調査や融資にいい影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあるのです。
当事務所でも同じ考え方です。
決算書の表示科目や申告書の記載事項には、ある種のこだわりをもって作成しています。結局税務署や金融機関が判断するのは提出した決算書や申告書です。作り方によっては、あらぬ疑いや不信感をもたれることにもなりますし、そうならないように工夫をしています。
【参考記事】
・税務調査が省略される場合
・中小企業の会計をチェックするリスト
2 組織化
税理士事務所として、最も多い形態は、トップの税理士がいて、複数の担当者がクライアントを担当するというものです。
税理士事務所の組織として、次に挙げられるのは、税理士がすべてのクライアントを担当し、内部のスタッフに会計ソフトの入力その他の業務を担当してもらうものです。
当事務所もこのタイプとなります。
松波さんの事務所では、このタイプを発展させて、次のような組織を構成しています。
松波さん自身、税理士、スタッフ、スタッフという4人体制です。
それぞれクライアント担当、ハイレベルなチェック担当、通常のチェック担当、入力担当と、すべてのクライアントに対して4人が分業して担当しています。
これだと、上記の2つのタイプのデメリットを補うことができます。
この組織体制を可能にするには、業務フローやチェックリストの構築が必須です。
実際にそのフローやチェックリストを見ると、ミスをなくし、業務がスムーズに流れるような工夫がされていました。
組織で戦略を持って、業務をこなしているのです。
当事務所でもチェックリストは作成していますが、まだまだこのレベルには至っていません。
つい、これまでの知識・経験、その場のひらめきで仕事をしてしまっている気がします。
早速改善する予定です。
3 設備投資
松波さんの事務所では、4名がそれぞれ2台のPCを使いこなし、ディスプレイやスキャナーも複数あります。
その他生産性を上げるソフトを導入されています。
上記の業務フローを実現するためにこれらを最大限に活用しているということです。
今や、どれも非常に安価で手に入れられるようになっています
生産性を考えれば、高いリターンを得られる投資です。
業務フローが確立していれば、IT投資は、さらに効果が高まります。
そういう意味で非常に高い相乗効果があるのではないでしょうか。
まとめ
今回のセミナーで感じたのは、税理士事務所の経営、方向性について非常に強い信念を持ってらっしゃるということです。
すべての税理士事務所に信念がありますし、いろんなタイプの税理士事務所があります。
私は共感を持って聞いていましたが、そうでない方もいらっしゃったかもしれません。
安くサービスを提供するというのも1つの方向性でしょう。
しかし、それでいいと思います。
クライアントそれぞれが、自身にあった税理士事務所のサービスを活用できるのが理想的です。
ミスマッチが起こることだけは避けなければいけません。
そのためにも税理士側の情報発信は非常に重要なことではないでしょうか。
また、今回のセミナーのように税理士同士が、情報を共有してサービスの質を高めることも今後ますます重要になってきます。
同じ組織に属さず、それぞれが独立して、ノウハウを提供したり、連携して業務を行うケースも増えてくると思います。
当事務所でも実際に、松波さんをはじめ、いろいろな方と連携して業務を行っています。
ありがたいことに前述の3名の方すべての方と仕事をさせていただいております。
税理士事務所にとって、知識の習得やクライアントの獲得だけではなく、業務品質向上も重要な課題だと思います。今回のセミナーを踏まえてやるべきことは多いです。
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今日は午後からテニスへ。
スクールではなく、実際に試合(ダブルス)を行いました。
バックハンドが苦手でサーブも上から打てませんが、まずまずの進歩は見られました。
次回の試合に向けて、しっかり練習したいと思います。
サーブが打てるようになると、もっと面白くなると思いますが、レッスンを含めて、まだ通算で4回目のテニスなので、焦らないようにします。
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