被災地に対する寄付をした場合、税金上考慮される場合があります。
税金上考慮されるから、寄付をするというわけではないと思いますが、制度として知っておくことは重要です。
今回は、寄付に関する税金のしくみとして、概要を解説します。
※法律上は、「寄附」と表記されていますが、当ブログでは「寄付」の表記で統一します。
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【今日のテーマ】
・寄付に関する税金 その1 法人が寄付した場合
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原則的な取り扱い
原則として、寄付をした場合は経費として認められません。
経費を増やして、利益を減らし、税金を減らすことを防ぐためです。
しかし、一定の場合には、特例として経費として認められるケースがあります。
法人と個人では、取り扱いが異なります。
今回は法人について解説します。
法人が寄付した場合の特例
○寄付の対象と控除額
代表的なものとして次のようなものがあります。
・国、地方公共団体→全額経費に入れることが可能
・国が認定した特定公益増進法人(ユニセフ等)→一定の限度額あり
・赤十字→全額経費に入れることが可能なものと限度額があるもの
【参考】
http://www.tokyo.jrc.or.jp/kyoryoku/shikin/zei.html
今回、さらに特例措置が適用されます。
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm
特定の募集団体を通じて寄付をした場合も、最終的に国、地方公共団体に寄付されるのであれば、全額経費に入れることができるようになります。
○控除される税金
法人で全額経費に入れることができると、法人税、住民税、事業税、法人地方特別税について、その寄付金の額の約26%~40%が控除されます。ただし、税金を支払っていない場合、つまり赤字の場合は、控除されません。(赤字の額は、7年間繰り越すことができます。)
目安として試算してみました。
法人の税金は所得(利益)により税率が変わりますので、影響額はケースにより異なります。
法人の税引前の利益が100万円の場合に10万円寄付すると、26,000円、100万円寄付すると259,900円の控除があります。
【参考記事】
・法人の所得に占める税金の割合
○控除される時期
次の決算月を区切りとして、税金を申告する際に控除されます。
結果、申告・納税する税金が減るというわけです。
○必要な手続き
申告時に明細書を作成、提出しなければいけません。
次回は個人が寄付した場合について取り上げます。
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電話、メールでは連絡を取っていましたが、昨日、地震後はじめてのクライアント訪問でした。
実際にお会いできると、ほっとします。
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