・発生主義を実際に行う場合の課題と対策

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会計は発生主義で行います。
この発生主義、実際にやってみるとなかなか大変です。
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【今日のテーマ】
・発生主義を実際に行う場合の課題と対策
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発生主義とは
費用が発生した月に計上するのが発生主義、これに対して支払があった月に計上するのが現金主義(支払主義)です。
例えば、4月分の経費で、5月に支払うものがあるとします。
(ほとんどの経費がこのパターンです。)
これを4月に計上するのが、発生主義、5月に計上するのが現金主義です。
例えば、仕入で考えてみます。
4月の売上が1,000だとします。
さらに
3月の仕入(4月に請求書が来て支払う)が500
4月の仕入(5月に請求書が来て支払う)が400
としましょう。
EX-IT|
発生主義だと、4月の売上総利益は、1,000-400=600です。
(4月の仕入を計上)
現金主義だと、4月の売上総利益は、1,000-500=500です。
(4月に支払う仕入を計上)
計上の方法を変えるだけで、利益が変わってしますのです。
業績を正しく反映したものではないため、好ましくありません。
税務上は、発生主義で計上する必要があります。
(どの売上を○月分とするかはそれぞれの基準があります)

発生主義の課題と対策

この発生主義には、実務上次のような課題があります。

・請求書の到着が遅い場合どうするか?
請求書が来ないと、金額が分からない場合は特に困ります。
しかし、請求書の到着を待っていては、いつまでたっても月次決算が終わりません。

第一に、請求書の早期発行を依頼すべきでしょう。
意外とすんなり応じてくれることもあります。
別の方法で金額を見積もることができれば、その金額で月次決算を行う方法もあります。
月次決算は正確さよりもスピードを重視すべきです。
翌月終わりに出てくる数字よりも、翌月初めに出てくる数字の方が、意思決定を行う際に有益なのは言うまでもありません。
・経理の手間がかかる
現金主義だと、
仕入 / 普通預金
と1つの仕訳で済みます。
発生主義だと
仕入 / 買掛金
買掛金 / 普通預金
という2つの仕訳です。
さらに買掛金の残高をきっちり合わせる必要があります。

正確な業績を算出するためには、発生主義での計上が必須です。
しかし、金額が少ない科目、毎月そんなに大きく変動しない科目は、発生主義にこだわる必要はないと思います。
例えば、水道光熱費、毎月定額の経費などは、現金主義で行ってもいいでしょう。
(水道光熱費も業種によっては、大きく変動するケースがありますので、その場合は発生主義にしています。)
決算時のみ、発生主義で計上すれば大丈夫です。
正確な会計処理と手間のバランスは重要です。
いくら正確に会計処理ができるからと、業務に支障があっては意味がありません。
月次では簡易的な方法を行い、決算では正確に合わせるという方法もよく使います。
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【編集後記】
とあるプロジェクトに向けて動き出しました。
時代に逆行するかもしれませんが、一度突き詰めてやってみようと思っていたことです。
これから約1ヶ月、やるべきことは多いのですが、成果は期待できます。

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