・会社をやめるときに考えるべき所得税・住民税・社会保険

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昨日、会社をやめる方の税務相談を受けました。
会社員の頃は考えずにすむことでも、いざやめるとなると大きな問題として、たちふさがってきます。
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【今日のテーマ】
・会社をやめたときに考えるべき所得税・住民税・社会保険
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考えるべきこと
会社員の頃は会社で税金や保険料のことを面倒見てくれます。
・所得税
→会社で計算、給与から天引され、会社が納付、さらに年末調整で精算
・住民税
→会社で計算、給与から天引され、会社が納付
・健康保険、厚生年金、雇用保険など
→会社も負担してくれつつ、給与から天引きされつつ、会社が納付
会社をやめたとたんに、これらのことを自分で考え、自分で処理しなければいけなくなります。
ケース別に事例を挙げてみました。

1 他社に転職する場合

・所得税
→前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、年末調整時にあわせて計算してくれます。毎月の給与から天引きされるシステムも継続されます。
・住民税
→所得税と同様に引き継ぎすることも可能です。
しかし、転職先の会社が住民税の天引きをしていないケースもあります。(天引きをしないのは、本来×なのですが現実的には天引きしていないところもあります。)
また、引き継ぎの手続きには手間もかかるため、転職しても個人で納付する場合もあります。
個人で納付する場合の期限は、6月、8月、11月、1月。
現在みなさんが支払っている住民税は、2010年の年収に応じて計算されており、2011年6月から2012年5月まで支払います。
来年5月まで在籍していれば毎月12分の1ずつ支払うことになります。
しかし、退職すると、個人でまとめて納付しなければいけません。今のタイミングだと、11月末又は1月末までに全額支払うことになります。
・健康保険、厚生年金、雇用保険など
→次の会社が加入していれば、引き継ぎ加入できます。(加入しないのは本来×なのですが、現実的には加入していないところもあります。)
2 無職でいる場合
・所得税
→2011年分の収入を来年3月15日までに確定申告しなければいけません。源泉徴収票を持って税務署に行けば教えてくれます。(混雑しますが)
・住民税
→1の場合と同様に2010年分を支払います。注意すべきなのは2011年分(今年分)は、来年6月から再来年5月まで支払うということです。
忘れた頃に大きな金額の請求が来ることになります。
・住民税を支払うタイミングと金額
住民税の制度とケース別の取り扱い

・健康保険、厚生年金、雇用保険など
→保険証がなくなると、いざ何かがあったときに大変なことになります。
健康保険に加入するには、
・会社の健康保険に継続して加入する(2年間まで)
・国民健康保険に加入する
という方法があります。
年金は、国民年金に加入することになります。
雇用保険については、もしそのまま無職でいくのなら失業給付を受けるという選択肢があります。

3 起業する場合

起業する場合は、個人事業主か会社設立かで異なります。
○個人事業主
・所得税
→ 事業の収入・経費とともに、会社員時代の収入を確定申告しなければいけません。
・住民税
→上記2とほぼ同様です。支払いのタイミングに注意しなければいけません。
所得税の確定申告をすれば、同時に住民税の申告をしたことになります。

・健康保険、厚生年金、雇用保険など
→上記2とほぼ同様です。雇用保険の失業給付は当然受け取れません。
○会社設立
・所得税
→会社を設立すると、自分にも給与を支払うことになります。
これまでは給与を受け取る側でしたが、支払う側になるわけです。
毎月給与から天引きして、税務署に納める事務も発生します。(特例で年に2回にすることも可能です。)
それまでの給与を含めて、自社で年末調整をする必要があります。
・住民税
→上記1と同様に、自社で引き続き給与を毎月天引きし、納付することもできます。
(特例で年に2回にすることも可能です。)
・健康保険、厚生年金、雇用保険など
→会社(法人)の場合、社会保険への加入は強制です。加入した後は、支払う給与に応じて保険料が計算されます。健康保険、厚生年金を引き続き支払うことになります。
自社で負担する場合、会社負担分と個人負担分がありますので、会社員時代の2倍の負担があることに注意してください。
なお、代表取締役は雇用保険に入ることはできません。
所得税、住民税、社会保険に絞っても、このくらいの選択肢があります。
その他起業する場合は、個人事業主にするか、会社を設立するかでそれぞれ検討しなければいけないことがでてきます。
本来は、会社員の頃から少しずつ勉強しておけばいいと思うのですが、なかなかその立場にならないと身が入らないものです。
会社を辞めると決まったら、多少コストがかかっても税理士に相談した方がいいと思います。
(無料相談のところも多いです。)
最初に相談して知識をつけて、あとはコストの安いところに頼んでも問題ありません(笑)
当事務所の相談窓口はこちらです。

EX-IT
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【編集後記】
昨日の朝、家計簿が2100円あわず、苦しみました。
行動をたどってみても、まったく思い出せず・・・・・・。
結局、原宿からのランニングの途中で寄った代官山のトライアスロンショップで買った靴紐でした。
ランニングの途中というイレギュラーな状態だったので、レシートももらわず、記憶から抜けてしまったんでしょうね。

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