会社を継続させるにはキャッシュ(資金)が必要です。
どうやってキャッシュを集めたかはB/S(貸借対照表)の右側に表示されます。
同じキャッシュを集めると言っても,次の5つの方法があります。
負債に属するもの・・負債とは将来返済しなければいけないものです。
1 借入金
金融機関から借りる場合や知人から借りる場合,代表者から借りる場合などがあります。
2 社債
会社が発行する債権です。
3 代金を支払わない
仕入代金や経費を支払わないことでも,確かにキャッシュを集めることができます。しかし,大きな代償(信用の低下)を伴うものです。
ただし,支払サイト(支払までの期限)を長くする,クレジットカードで決済する,分割払いにするなど合法的な方法で支払を遅らせることはできます。
税金についても,源泉所得税のように支払期限を遅らせることができるものもあります。
・税金の支払を先延ばしにできる例
純資産に属するもの・・純資産とは資本金(出資を受けた金額)と利益剰余金(これまでの利益の蓄積)などをいいます。負債と異なり,返済不要です。
4 出資
株式を発行し,出資してもらいます。
株式を所有するということは,経営に対する発言権を持つことにもありますので,出資比率には注意が必要です。
5 本業で稼ぐ
利益剰余金は,これまでP/Lとして稼いだ税引き後の利益の蓄積です。本業で稼ぐこと=資金を集めることになります。
細かく分けると,「本業で稼ぐ」とは資産を売却したり,助成金を受けたりすることも含みます。
注意すべきなのは,税金を支払った後でなければ本業で稼いだ利益をキャッシュとして残せないということです。
税金は利益の約40%。40%の税金を支払いながら,キャッシュを貯めていくことになります。
中小企業の場合,1の「借入金」,3のうち「支払サイトを長くするなどの処置」,5の「本業で稼ぐ」がキャッシュを増やす現実的な方法となります。
社債や出資を募っても,なかなか難しいものです。
そのうち,1と3は返済・支払が必要です。
となると,利益の60%をキャッシュとして貯めていく5が,キャッシュを増やす近道と考えられます。
さらには個人のキャッシュを増やすという観点もあります。
代表者等への給料を増やし,法人で税金がかからないようにするということです。
ただし,状況にもよりますが,月100万円以上の給料を支払う場合には,法人で支払う税金よりも個人で支払税金が高くなる場合があります。
中小企業では,代表者個人と法人の両方でキャッシュを最大化するように考慮しなければいけません。
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