法人のお客様との最初の打ち合わせで、税理士としてやっていること

  • URLをコピーしました!

税理士業(税務顧問、単発相談)で、法人のお客様と最初の打ち合わせのときにどういうことをやっているかについてまとめてみました。
ご自身での経理・申告の際に参考にしていただければ。
※手取り足取り確認中 by Sony α7SⅢ+24mmF1.4

仕事の流れを確認

税理士として、最初の打ち合わせで、数字をいきなり確認することはありません。
(ある程度うかがったら、話しつつ数字を確認しだすことはしていますが)

まず、仕事の流れを確認します。
数字は、架空のものでもなく、空想でもありません。
現実を表現したものです。

どうやって売上がたって、どういった経費があるかを把握しておかないと、数字をチェックしても意味がありません。

ただ、このヒアリングを形式的にして、時間がかけることはしたくないもの。
(逆の立場でも好きじゃないので)

事前にネットで調べられるものは調べつつ、実際は、次の2つの確認をしつつ、仕事の流れを確認させていただいております。

この仕事の流れは、税務調査や融資のときにも大事なポイントです。
まあ、実際にやっていることを話せば問題ありません。

仕事の流れをシンプルにすることで、経理を効率化でき、資金繰り(キャッシュフロー)もわかりやすく、かつ、よくなります。
常に整理しておきましょう。

書類(データ)を確認

これまでの書類(データ、PDF)を確認させていただいております。
通常は、次のようなものです。

・過去の決算書・申告書(できれば3年)、ID・パスワード
・税務署への届出書(消費税、源泉所得税)、インボイスに登録しているか
・謄本(古いものでもあれば)、定款

過去の決算書・申告書は、状況を把握させていただくのに必須です。
さらには、その前の決算の残高が欠かせません。
貸借対照表(B/S)にある預金、売掛金、未払金、借入金などは、前期末に残り、それが今回につながります。
その金額を確認し、データ入力しなければいけません。

また、残高(金額)だけではなく、その内訳が必要です。
預金が1,385,791円あったら、そのうち、○○銀行にいくら、△△銀行にいくらという内訳がわからないと、今回の経理ができません。
預金だったら、ネットバンクを見ればわかりますが、売掛金だと、その内訳が必須です。
こういった内訳は、通常、勘定科目内訳明細書という書類にあります。
会計ソフトのデータがあれば、それを見ればわかりますけどね。

税理士に依頼していても、近年は、クラウド会計ソフトを使い、ご自身でデータをお持ちの方が多いです。
(あんまりいうと、怒られますが、データは社長ご自身で持っておいたほうがいいかと。自分の会社のものですから。)

その申告書をネットで出していれば、IDとパスワードがあります。
国(e-Tax)、都道府県等(eLTAX)です。
どうしてもわからない場合は、新規に取り直すことはできますが。
(税務署から問い合わせの電話がかかってきますが。過去の履歴を確認できなくなるのもネックです)

届出書やインボイスは、消費税の計算方法に関わってくるので確認させていただきたいところです。
インボイスに登録していれば、消費税の申告・納税がありますし、2期前の売上高が決算書でわかれば、消費税の計算方法が変わる場合があります。

消費税は金額が大きくなりがちです。
手続きで左右されることもあるので、気をつけましょう。
消費税がかかるようになったら(インボイスに登録または2期前の売上高が1000万円超)、一度税理士に相談してみるのも手です。

源泉所得税は、原則として毎月10日に払うものですが、申請書(源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請)を出せば、年2回にすることもできるので、確認しておきたいところ。
住民税も同様です。
外注費の源泉所得税がある場合は毎月払いになりますが。

謄本や定款は、念のため、決算月や役員、資本金などを確認させていただくものです。
特に会社設立してはじめての決算だと、何日に設立したかが大事になります。
第1期は、12ヶ月じゃないことがありますから。
役員が誰かは、税金上大事なことです。

法律上、
・役員への給料(役員報酬)は、原則として、年1回しか変更できない
・役員へのボーナス(賞与)は、事前に届出書を出してその金額と時期どおりに払わないと、経費にならない
というルールがあります。
(かつ、家族だと、役員じゃなくても役員の扱いです)

その関係で確認させていただいています。

・過去のデータをとっておく
・税金上、消費税、源泉所得税、役員に気をつける
ということを意識していただければ。

データについて、税理士に依頼している場合は、
・決算書の申告書の控(固定資産がある場合は固定資産台帳)
・会計データまたは、総勘定元帳かCSV
・届け出、申請書等の控、記録
・e-Tax、eLTAXのID・パスワード
・源泉徴収票、源泉徴収簿
といったものをご自身で持っておきましょう。

数字を確認

そして、数字を確認します。
少々の間違いはなんとでもなりますので、気にしていませんし、よしなに修正させていただくことも多いです。

利益が大きく変わるようなことがないかをまずはチェックしています。
チェックするのは、
・売上がすべて入っているか
・預金があっているか
・経費はどんなものがあるか
といったものです。

会計ソフトよりもExcelでチェックしたほうが速いので(私は)、データを取り出してExcelでチェックしています。
高速で。

そして、その数字から得られることと、社長の感覚が一致しているかを確認します。
・数字では利益が出ているのに、社長としてはそうではない
・社長としては利益が出ているのに、数字はそうなっていない
というようなことがないかのチェックです。

前述したように、数字は現実を表現したもの。
その現実との違いがあってはいけません。

ご自身で会計ソフトを見るときも、感覚と一致しているかを確認しましょう。
だいたいは、社長の感覚のほうが正しいので、数字が間違っている=経理でなにか違っていることが多いです。
違和感があるまま、決算書・申告書を提出しないようにしましょう。
納得のいく数字にしたいものです。

そして、その数字が、いいものになるよう、日々行動していきましょう。
現実をいいものにするために。

最後に、会計ソフトには表現されないものを確認します。
「このままいくとどうなるか」「このままでいいか」ということです。
会計ソフトにもその機能があるものもありますが、頼りないので、私はExcelを使います。

その先の予測を打ち合わせしながら、つくっていき、今後どうすべきかまでが仕事です。
・売上がもっと必要なのか
・お金を借りたほうがいいのか
・このままでいいのか
・経費をもっと使っていいのか
・固定費を減らしたほうがいいのか
などなど。

むしろ、この予測(未来)のために、現在をチェックするのです。
そのついでに、決算書と申告書をつくって提出するくらいに考えています。
お金が尽きたら意味がないですから。

最初の打ち合わせ、というよりも単発の相談だとそのとき限りの勝負。
重要なところから確認させていただいております。
今回の記事で挙げたところは、社長にとっても重要なところ。
ぜひご確認いただければ。



■編集後記
昨日は、午前中に個別コンサルティング。
タスク管理、独立、税理士業などについて伝授しました。
ランチ後は60分ラン。
自宅回りを楽しみつつ。

戻って、Google Meetでコラボセミナーの打ち合わせ。
1/23に開催します。
(メルマガ税理士進化論限定)

夜は空の軌跡SCをクリア。
なかなか楽しめました。
引き続き空の軌跡3rdをスタート。
シリーズはあと10作くらい……。

1日1新Kindle『1日1新』
青海北ふ頭公園までラン
空の軌跡SC クリア
桝元鍋スープ

■娘(7歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
帰ってきてからは、パパの座椅子に座ってNetflixを。
ちょっと高い位置になるのが楽しいようで。
夜はママとドラクエ。
一緒に楽しんでいます。
パパだと見ているだけですが、ママだとコントローラーで操作したいようで。

  • URLをコピーしました!