法人で利益を出すと、税金がどのくらいかかるのか?
利益(所得)別に試算してみました。
※Keynoteで作成
法人の税金のしくみ
法人の税金は、おおむね利益によって決まります。
利益とは、決算書(損益計算書)の当期純利益です。
決算書(損益計算書)の最下部はこうなっています。
税引前当期純利益 1,000,000
法人税、住民税及び事業税 0
———————————————
当期純利益 1,000,000
申告書を作るときは、税引前当期純利益を使うのですが、ざっくり試算するときは、当期純利益を使っておいてかまいません。
この当期純利益を、【所得】(税金上の利益)として計算したもので税金を出します。
(ここでは、利益=所得と考えます。ひとり社長だとだいたい利益=所得です)
※これ以外にも消費税がかかる可能性があります。
利益(所得)別の税金・実質税率
資本金1億円以下、東京にあるひとり社長の会社を想定しています。
※資本金が1億円を超えると税金が増えます。
※東京以外だと税金が少し変わる可能性がありますが、それほど大差ありません。
100万円だと、294,500円。実質税率は29%
200万円だと、519,200円。実質税率は26%
です。
「利益に応じて税金が変わるのになぜ?」と思われるかもしれませんが、これは定額でかかる税金7万円が関係しています。
100万円の場合、
法人税 100万円×15%=15万円
地方法人税 15万円×4.4%=6,600円
都民税 15万円×12.9%=1万9,300円+7万円
事業税 100万円×3.4%=3万4,000円
地方法人特別税 3万4,000円×43.2%=14,600円
で、合計29万4,500円となります。
このうち、都民税の「7万円」の影響が大きいので、100万円の場合の実質税率は上がってしまいます。
利益1,000万円までで、実質税率を考えるなら、27%をかけておけば十分です。
27%だと暗算しにくいので、よりざっくり考えるなら30%になります。
その下をみていくと、このようになっています。
1,400万円で、30%、4,000万円で35%です。
1億だと、38%。
税金試算でざっくり考えるなら、冒頭に挙げた、このくらいの基準で考えておけば大丈夫です。
今回の試算は、平成27(2015)年4月1日以降に開始した事業年度についての税率で計算しています。
平成28(2016)年4月1日以降に開始する事業年度ではこう変わりますが、さほど税額に影響はありません。
・所得800万円を超える部分の法人税率が23.9%→23.4%
・地方税の税率が変更(税金総額は変わらず)
利益を見込んで、税金を見込むことが大事
実質税率を見ていくと、「法人税率の引き下げ」「税金が下がる」といったインパクトは、ひとり社長にはありません。
むしろ、利益100万円〜300万円くらいの実質的な負担率は大きいです。
利益100万円で約30万円、利益200万円で約50万円。
負担感は大きいです。
(私もこのゾーンで払ったことがありますので)
負担率、負担感が大きいからこそ、税金を見込んでおくことが大事です。
「このくらい税金がかかる」ということを把握し、心理的にも資金的にも準備しておきましょう。
【関連記事】Excelで決算予測・決算見込を作る方法&使う方法。試算表なんぞ飾りです。 | EX-IT
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