会社を辞める、転職するのは、「人間関係が原因」といわれますが、独立後も人間関係は大事であり、攻略しなければいけないものです。
※人間関係のイメージ by Leica M10
人間関係が原因
人と人がつながること、関係性は大きな力にもなりますが、その一方で悩みにもなりうる諸刃の剣です。
人間関係が原因でトラブルになったり、会社を辞めたりといってしたりということはあるでしょう。
独立前、この人間関係にはやはり悩まされました。
公務員のときは、その組織柄、本当にめんどくさく、定年まで勤め上げることができる立場を捨てた理由の1つも人間関係です。
誰がどうというわけではなく、「人」という集合体との関係性を断ちたかったのです。
そして人間関係をうまくやる自信がなかったため、転職ではなく将来的な独立を目指して、税理士の道に進みました。
税理士として独立するにはどこかに勤めなければならず(資格登録には勤務して実務経験2年必要)、4ヶ所を転々とすることに。
それぞれ辞めた原因は人間関係でだけではありませんが、大きな要素を占めていました。
自分が仕事することにより、社長(税理士事務所の場合は所長)に利益をもたらすというのが嫌だというのが究極的な理由です。
人間関係から逃れる方法の1つが私にとっては独立でした。
しかしながら独立しても人間関係は続きます。
私が想定していた以上に、独立後も人間関係は大事でした。
そして今も大事にしています。
こう見えて、意外と。
独立後も人間関係
独立後は、基本的にひとりです。
職場で誰かに会うこともないし、話しかけられることもない気軽さの一方で、誰かに相談することや仕事を振ることもできません。
そのかわり、人間関係に悩むことも、一見ないのです。
しかしながら、ずっとこもって仕事をできるわけではなく、仕事を依頼してくださるのは、機械ではなく人です。
そこに人間関係は生まれます。
その人間関係を極小にしたいからといって、1人や少数からだけ仕事を受けるようにすると、それはそれでリスクです。
また、何かを学ぶ場合でも、人から学ぶわけですので、そこにも人間関係があります。
本を読んでも、人との関係性、その人が好きかどうか、合うかどうかは大事です。
人間関係を大事にしなければ食べていくことはできません。
独立前は目の前に仕事がありそして目の前に人がいました。
独立後は目の前に仕事もありませんし人もいません。
むしろ独立前より難易度が高い部分もあるでしょう。
私は独立前に人間関係が決してうまくいったとは思えませんし、今もうまいとは思えません。
ただ独立後ならではのやり方があるのではないかと模索し、今に至っています。
独立後の人間関係攻略
独立後の人間関係は、次のように考えてみましょう。
距離を保つ
独立前の人間関係が難しいのは、距離が近すぎるからです。
「同じ場所で仕事をし、毎日顔を合わせる」
週7日のうち5日、顔を合わせるとなると人間関係が近すぎ、そこでうまくやるには、また違うスキルが必要ではないでしょうか。
独立後は、距離を保つことができます。
ただし、そうではない部分もあるのが現実です。
これは私が独立してびっくりしたことベスト10の1つでした。
独立するということは、組織が嫌でという理由もあるでしょうし、私もそうです。
ただ独立すると、独立した者同士、組織(のようなもの)をつくってしまうようなところがあります。
定期的な会合があったり、密接な付き合いだったり。
そこで愚痴を言いあっても、腹を探りあっても、そして慰めあってもしかたありません。
もちろん気が合う仲間同士であれば問題ないのですが、そういった独立後の組織は決してそうとも限りません。
同じ職業、同じ業種というだけでつながる場合もありますし、仕事を紹介してもらえるという希望でつながる場合も。
距離をうまくとっていかなければ、独立前と同じようなしがらみが出てきてしまいます。
独立後は孤独ですので、その孤独を埋めるのために人と近づいてしまうと、人間関係の問題は出てきてしまうでしょう。
孤独を感じるのであれば、別の方法で埋めるようにしなければいけません。
独立後、少なからず仲よくさせていただいている方々はいらっしゃいますが(あくまで私から見てですが)、毎日会ってるわけではありません。
だからこそうまくいっているというところもあるでしょう。
同じ組織だったらこの関係性は崩れるかもなと、ふと考えることもあります。
もちろん私自身もクセが強いので、私が迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
独立後の適度な距離感を距離があれば、よりよい人間関係を築くことができますし、独立前に人間関係がうまくいかない場合でもうまくいく可能性はあるのではないかなと考えています。
距離をもっと縮めたい、もっと会いたいと思えるぐらいが、ちょうどいい距離感ではないでしょうか。
人間関係で、距離が近い順にいえば、
・距離が0である自分
・距離が近い家族
そして
・自分・家族以外の方々
となります。
(独立前に、「家族のように」と言われるのが嫌でした。しらんがなと)
優先順位を、この順番にしなければ、人間関係は難しいのではないかなと。
仕事はもちろん大事ではあるのですが、全体的な優先順位の一番にしてしまうと、自分や家族との人間関係が難しくなります 。
ひとりで仕事をするということは、人との関係を断つようなイメージもあるかもしれませんが、むしろ逆で、人との関係をスムーズにするために、ひとりで仕事をしています。
もし私が誰かを雇ってしまえば、その人との人間関係がうまくいく自信はありません。
自ら発する
人間関係がうまくいくというのは、相性が合うということです。
相性が合うというのは、似ている場合もあればそうでない場合もあるでしょうが、何か波長というか方向性が一緒である必要はあるでしょう。
たとえば10のタイプの人間がいるとして、私が6だったとしたら合うのは、4とか7ぐらいまででしょう。
1、2、3、8、9、10の形とは合いません。
この場合、私が6のタイプであることを、先に出しておけば4から7の方に出会える確率が高くなります。
だからこそ自分が出しておくことは欠かせません。
理想的なのはどちらも出しておくということではあるのですが、自分を出すというのは簡単ではないので、こちらから出しておくというのが、いい人間関係を築く上でできることの1つです。
そして大事なのは自分が6であるとの軸を持っているかどうか。
独立当初、仕事の依頼をいただく方が自分と合う方ばかりではありませんでしたし、自分が意図しない仕事が舞い込んできたこともあります。
自分が発する精度を高めることができてからは、合う方から仕事をいただいたり、意図するし仕事をいただいたりするようになりました。
「ネットから仕事の依頼を受けて変な人が来たらどうするんですか」と聞かれたりはしますが、ここ数年はその精度が上がっていますので問題ありません。
(ちょっとでもずれたら、修正していますし)
仕事上の人間関係、お客様との人間関係というものは、自分が発することによって何とかしようがあるものです。
もし自分が意図してない方からに声をかけてもいただいた場合は、自分が発するものが何か違っているのではないか、自責で考えたほうがいいでしょう。
自ら発するために、不特定多数に配信できるネットは最適であり、私の今の人間関係のほとんどは、ネットで出会い、ネットで培われています。
ネットに発する目的の1つは、理想とする人間関係、仲間探しでもあるのです。
関係を断つことも考える
人間関係は増やしていくばかりではなく、減らす、断つこともあります。
もちろんすべての方と、仲よくしつながっておけるのが一番ではあるのですが、方向性が違う、軸が違うのであれば致し方ありません。
最初は合うとしても、人は変わるものですので、合わなくなる可能性はあります。
こちらが変わる場合であれば、あちらが変わる場合もあるでしょう。
独立前は退、職や転職をすれば人間関係をごっそり断つことができました。
独立後は、どこか組織に所属しているわけではないので、ごっそり断つということはできず、人間関係の1つ1つについて考えていかなければいけません。
ときには苦渋の決断をしなければいけない場合もあります。
逆にいえば独立前よりも、部分的に人間関係を断つこともできるわけです。
人間関係にストレスを感じていると、仕事のパフォーマンスに影響が少なからずあるとすれば、合うお客様のためにも、そのストレスを元から断たなければいけません。
お客様に迷惑をかけてはいけないという大義名分です。
もちろん多少のストレスがあっても仕事にまったく影響がないという精神力があれば問題ありませんが、私の場合は1つ何かストレスがあると、それが気になってしまいますので。
仕事のやり方に独立後ならではのものがあると同様に、人間関係も独立後ならではのものがあります
■編集後記
昨日は引き続き大分。
合間に、第1営業日なので、経理、確定申告(個人部門)の準備を。
近くの神社で初詣
実家近くで花摘み
■娘(2歳)日記
昨日は念願のお花摘み。
「赤ずきんちゃんみたいにお花摘みたい」と言っていて、東京ではなかなか見当たらなかった(摘んでいい花も)のですが、実家の近くで実現。
かごを持ってうれしそうに摘んでいました。
夜は、5歳のいとこと。
「〇ちゃんと、遊ぶ!」、「〇ちゃんはここ」と席を指定、「〇ちゃんとピアノひきたい」と猛アタック。
最初は戸惑われてましたが、途中から望み通り遊んでもらってました。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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ひとり税理士の自宅仕事術
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ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
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