インボイス(制度)スタート後、ひとりで仕事をするなら、個人が得か法人が得か。
まとめてみました。
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インボイス 個人と法人の違い
消費税のインボイス(制度)。
ざっくりまとめると、
・任意の登録制、登録するとインボイスの番号(Tからはじまるもの)がもらえる
・インボイスに登録すると、消費税を計算して納めなければいけない
・インボイスに登録していないと、お客様(事業をしている、おおむね売上5000万円以上)が困る可能性あり。当面3年は2%の負担が増える。
というものです。
新刊『インボイス対応版 ひとり社長の経理の基本』でも書きました。
このあたりも参考にしていただければ。
Tではじまるインボイス登録番号がレシートにないと困る人・困らない人
インボイスの割合は経理・税金の16% | 『インボイス対応版 ひとり社長の経理の基本』
ダイヤモンド・オンラインでも記事をアップしています。
【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本 | ダイヤモンド・オンライン
このインボイス、2023年10月1日にスタートしました。
インボイスは、個人(個人事業主、フリーランス)と法人で違いはあります。
インボイス登録後に公表される情報に違いがあるのです。
個人→氏名(本名)
法人→名称、住所
という違いがあります。
(個人は、屋号や旧姓などを入れることができます)
インボイス上の個人と法人の違いは、これぐらいです。
消費税の計算方法も税率も違いはありません。
その消費税の申告書をつくるのに、
個人→無料の確定申告書等作成コーナー(国税庁)が使える
法人→ソフトでつくるなら、原則有料になる(法人税等の申告も同様です)
という違いはあります。
freeeも有料(追加で契約)が必要となりました。
一方、インボイス後、個人(個人事業主、フリーランス)から法人にする判断(法人成り)に多少なりとも影響があります。
個人から法人にする判断とインボイス
インボイスに登録すると、消費税を納めることになります。
たとえば、売上880万円で、サービス業だと、40万円ほど。
インボイスに関わらず、2年前(法人だと2期前)の売上(消費税課税のもの)が1000万円以下であれば、消費税を納める必要はありません。
このルールは今後もあります。
個人から法人にするタイミングとして、「消費税を納めるようになったら」というものがありました。
このように個人で消費税を納めるようになったら(2022年が1000万円超えているので、2024年は消費税を納める)、
えいやっと、法人にすることで、消費税を納める必要がなくなります。
(資本金1000万円未満その他の条件があります)
個人と法人は別物。
個人のときの1200万円は、法人には関係ありません。
2期前の売上がない→消費税を納める判定をする売上が0ということで、1期目、2期目は消費税を納めなくていいのです。
ただし、法人にしてインボイスに登録すると、それらもろもろが上書きされます。
インボイス登録=消費税を納めるということです。
インボイス後、
インボイスに登録する場合、消費税を納めるようになったら法人にする
という意味がなくなりました。
ただ、依然として法人にするメリットはあります。
個人か法人かの判断 最新版
個人か法人かの判断をまとめてみました。
・独立時、法人にする理由がなければ個人(法人でないと取引できないなど)
・個人で利益(所得)が400万円くらいになったら、法人にして給料を払ったほうが得な場合がある→自分への給料は法人の経費
・配偶者の国民健康保険、年金を払っているなら法人にして社会保険にしたほうが得な場合がある→社会保険は何人加入しても同額
・出張が多いなら、出張手当(法人の経費かつ個人の税金がかからない)を出せる法人が得な場合あり
・社宅を使いたいなら、法人にしたほうが得な場合あり
・12月以外を決算にしたいなら法人
・マイナンバー、源泉徴収の手間がめんどくさいなら法人(法人だと楽)
・法人のインボイス番号は、法人番号(誰でも検索可能)なので、手続きが楽な可能性あり
・法人は公私の区別がつきやすい
・法人だと、代表取締役(合同会社は代表社員)という名称が使える
一方、個人のままでいるメリットもあります。
・法人をつくる費用(株式会社で20万円〜)がかからない
・登記の場所が必要ない(住宅だと登記不可の場合あり。その場合バーチャルオフィスのコストがかかる)
・役員報酬(年に1度しか変えられない)を考えなくていい
・社会保険に入らなくていい(デメリットでもあります)
・税金の口座引き落としがない(カード、振込はできます)
・毎年7万円ほど(法人の場合はマイナスでも必須)の税金がかからない
・税務調査の確率が法人よりも下がる
・経理、申告が法人よりは楽で、ソフト代も安くなる、税理士報酬も一般的に安くなる
・稼いだお金を自由に使える感覚がある(これは誤解もあり、法人でもひとり社長ならほぼ自由です。個人はプライベートで使う前の金額で税金を計算しなければいけませんし)
法人にするのは、何よりも、自分(代表)への給料を経費にできるメリットが大きいです。
ざっくり計算すると、個人で利益が500万円くらい出ている場合、法人にして、給料を500万円払うと、合計でも年20万円ほど得します。
20万かと思われるかもしれませんが、その他のメリットと組み合わせつつです。
ただ、インボイスに登録するなら、個人から法人にするメリットが薄れたのも事実ではあります。
それでも、「本来消費税を納めなくていいのに、インボイス登録で消費税を納めるようになった」場合は、納める消費税が安くなるルールもありますので(2割特例。おおむね3年間。卸売業・小売業以外)、インボイス後特有の個人から法人にするメリットはあるということです。
細かい損得も大事ですが、法人にしたいかどうかも大事にしましょう。
ただ、大きな損得は気にしたほうがいいかと。
法人にしたほうが明らかに有利な場合もあります。
(個人で利益1000万円を超えるとか)
■編集後記
昨日は、宮崎で、海や公園へ行き、買い物して帰ってきました。
飛行機の出発が3時間弱遅れましたが、事前に連絡があったので逆によかったです。
レンタカーも延長して。
12時の便だったことも幸いでした。
仕事は、機内でブログのみ。
■1日1新→Kindle『1日1新』
PACE 2 バンド
Meta Quest 3 ZUMBA
■娘(6歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
引き続き宮崎。
朝は大分のじぃじ・ばぁばと海へ行き、出発を見送り。
その後、お気に入りの公園へ。
買い物して宮崎のばぁばとお別れして、帰ってきました。
帰宅してからワーク、ピアノの日課もきっちり。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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