医療費の確定申告。ネット(e-Tax)を使って自宅でさくっとやる方法。【追記:2020年版(2019年分・令和元年分)対応】

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医療費の確定申告をネットでやる方法をまとめてみました。
相談会場に行って待たされなくても、自宅で確定申告できます。
(追記 2020年版(2019年分)に対応しました)
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※オフィスにて DSC-RX100M3

確定申告相談会場は待たされる・・・

確定申告というと、
・税務署に相談に行く
・近くの相談会場に行く
などといった方法もありますが、かなり待たされます。

さらに確定申告会場にいったからといって、的確なアドバイスを受けられるわけではありません。
担当者を選べるわけではなく、会場では「書き方」「作り方」を教えてくれるだけだからです。

無料とはいえ、時間を費やしていまいます。

それならば、自宅でかんたんにネットで使ってやる方法にチャレンジしてみましょう。
もちろん、無料です。

確定申告の方法は、一度覚えてしまえば、一生使えますし、時間を無駄にしません。
覚えておいて損はありません。

今回は、
・給料をもらっている(1カ所から)
・年末調整をしてもらっている
・支払った医療費がある。
・そのほか確定申告すべきものがない(寄付金、住宅ローン控除など)
といった条件で、解説します。

医療費の確定申告を自宅でe-Taxを使ってやる方法

確定申告はネット(国税庁のサイト)で作ることができ、作った書類の提出方法は、

・e-Tax(ネットで提出)
・プリントアウトして郵送・持参

という2つの方法から選ぶことができます。

e-Taxでの提出は、
・個人番号(マイナンバー)カード(電子証明書有効期限が残っていれば住基カード)
・カードリーダー
・PCの設定
・源泉徴収票
・医療費の領収書
が必要です。

今回は、よりかんたんな「プリントアウトして郵送・持参」で解説します。

必要なのは、
・源泉徴収票
・医療費の領収書
だけです。

医療費の確定申告(医療費控除)で対象となるもので主なものをまとめてみました。
・病院での診療、治療はOK。謝礼金、予防接種はNG
・薬局で買った医薬品で治療のためならOK。ビタミン剤、サプリなど健康のためはNG。
・健康診断、人間ドックは原則NG。その結果治療を行う場合にはOK。
・レーシックはOK。コンタクトレンズ・メガネは原則NGだが治療のためならOK。
・歯の治療はOK。美容のための矯正はNG。
・出産費用(定期検診、検査、通院費用不妊治療含む)はOKだが、出産育児一時金は差し引く。出産のための帰省費用はNG
・必要な場合のタクシー代はOKだが、自家用車のガソリン代はNG。
・整体(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)で治療のためならOKだが、疲労回復、健康のためはNG。
・入院費用はOKだが、医師の指示がない差額ベット代、パジャマ・洗面道具などはNG。
・介護サービスのうち一定のもの
・メタボ健診の結果、受ける診療で積極的支援によるものはOK
迷ったら、「治療・出産か健康・予防か」を考えましょう。

治療・出産はOK、健康・予防はNGです。

では、作ってみましょう。

①国税庁サイトへアクセス

サイトは、こちらです。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

[作成開始]をクリックします。
(昨年のデータがある方は、データを[作成再開]で選びます。

②[印刷して書面提出する]をクリック

③PCの環境をチェック

確認済みでなければ事前セットアップをしましょう。確認後、次へ進みます。

④[所得税コーナーへ]をクリック

⑤一番左の[給与・年金の方]の[作成開始]をクリック

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⑥生年月日を入力

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⑦[給与のみ]を選択

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⑧給与が1カ所からで、年末調整をしていれば、次のように選択

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⑨[医療費控除]にチェック

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⑩源泉徴収票のとおりに入力

次の画面で[入力する]をクリックし、

 

源泉徴収票のとおり入力していきます。

この[源泉徴収税額]の金額が、医療費控除をして最大限戻ってくる金額です。
ここが0だったら、いくら医療費があっても戻ってきません。

ということは、源泉徴収税額が多い方の方が、医療費の確定申告の効果が大きくなります。
医療費は、「自分又は自分と同じ財布で暮らす配偶者やその他の親族のために支払っもの」を確定申告するものです。
家族の医療費を支払っている場合は、その分も含めます。
できるだけ、1人にまとめて申告していた方が得です。
(もちろん、「支払った」という事実が必要ですが)

⑪[医療費控除]を選択

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⑫入力の選択

 

[入力する]で次へいくと入力方法の選択肢がでてきます。

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[医療費を受けた人、種類ごとに入力する]だと、事前にExcelで集計したものを入れます。
[医療費集計フォーム〜]だと、Excelのデータをそのまま読み込めます。
[医療費の合計額を入力する]だと、領収書の添付が必要ですが楽です。

今回は確定申告書を郵送・持参するので、医療費の領収書を提出しなければいけません。
どっちみち提出するなら、[医療費の合計額を入力する]で入力を楽にする方法もアリです。

なお、医療費の確定申告では、医療費の領収書を提出する必要がありますが、e-Tax(ネット)で提出した場合、医療費の領収書を提出しなくてもすみます。
ただし、この[合計額を入力する]だと、明細がわからないので、e-Taxでも領収書を提出しなければいけません。

ただ、添付を省略できるとあっても、医療費の領収書はかさばりますので、送ってしまうのも手です。
添付省略でも、領収書は5年間保管しておかなければいけません。

その他、医療費の集計についてはこちらの記事を参考にしていただければ。
【関連記事】確定申告のための医療費集計の効率化。国税庁サイトのフォーム・Excel・その都度記録 | EX-IT
リンク

追記:こういった制度もできました。

ネットの「医療費のお知らせ」(医療費通知)の罠|医療費の確定申告を本当の意味で楽にやるには。 | EX-IT

 

⑬金額を確認

原則として10万円を超える部分が控除の対象です。
この場合は、医療費が178,174円。
10万円を超える部分、つまり178,174円ー100,000円=78,714円が控除の対象となります。
これが戻ってくるわけではありません。
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戻ってくるのは、7,871円です。
計算については後述します。
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その他の部分を入力します。
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還付される口座も忘れずに入力しましょう。
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⑭プリントアウト

申告書をプリントアウトします。
PDFファイルでダウンロードされますので、そのファイルをプリントアウトしましょう。
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⑮入力データの保存

入力データの保存ができます。保存しておくと来年以降に、[入力再開]から読み込めます。
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できあがった確定申告書を確認して提出

かんたんにできますが、できあがった確定申告書を確認してみるのが大事です。
税金のしくみを自分の申告書で確認しましょう。
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事例の場合、年末調整で、税金の計算は終わっています。
給料が5,000,000円、支払った税金は、135,700円です。
この135,700円はすでに天引きされています。

医療費を除いて考えると、赤枠の[納める金額]は0です。
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給料5,000,000円に税金がかかるのではなく、所得金額の3,460,000円にかかります。
所得金額とは、利益のようなもので、給料500万円から、154万円を引けるのです。
会社員ももろもろ経費がかかるので、その分を控除するという考え方をします。
そのかわり、この金額より多くの経費を入れることは原則としてできません。

平成27年分は次の表で計算します。
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500万円だと、500万円×20%+54万円=154万円です。
500万円-154万円=346万円が所得金額となります。

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さらに、所得控除(健康保険、年金、生命保険、扶養、配偶者、基礎など)を引きます。
今回の場合は、年末調整で計算したものです。

所得から所得控除を引くと、青枠の[課税される所得金額]になり、この金額に、税率をかけると税金が計算されます。
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税率はこのように金額により異なるものです。
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この場合は、2,305,000円なので、

2,305,000円×10%-97,500円=133,000円
が所得税となります。

あとは、復興特別所得税(所得税の2.1%)を加えて135,793円。
100円未満を切り捨てて135,700円がこの年の所得税となります。

【関連記事】年収1,000万円の場合の税金は約15%。年収と所得の違い、税率の考え方、誤解されやすい税金のしくみ | EX-IT
リンク

すでに、135,700円を源泉徴収(天引き)されているので、135,700円-135,700円=0で、納める税金は0です。

ここに医療費を加えてみましょう。

医療費は、178,174円。
10万円を超える部分は78,174円。
これによって、所得控除が1,232,894円、課税される金額は、2,227,000円となります。
もともとは、課税される金額が、2,305,000円だったので、その分税金が減るのです。

2,227,000円で税金(所得税、復興特別所得税)を計算すると、127,829円となり、源泉徴収(天引き)された135,700円との差額、7,871円が戻ってくるのです。
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結果的に、178,174円の医療費では、78,174円が税金の対象となります。
この場合の税率は10%ですので、復興特別所得税とあわせてだいたい10%の7,871円が戻ってくるのです。

医療費の確定申告で計算するには、原則として

(医療費ー10万円)×自分の税率

で計算できます。

e-Taxで確定申告書を作ったら、その内容も見てみましょう。

なお、提出は、直接持参する場合、
・プリントアウトしたPDF
・源泉徴収票
・医療費の領収書が
必要です。

郵送の場合は、さらに、
・返信用封筒(宛名記入、切手貼付)
が必要となります。

税務署は不便な場所に多いので、郵送してしまいましょう。
【関連記事】[昨年退職した人のための確定申告]サイトを使って自宅にて無料でやる方法 | EX-IT
リンク

 





【編集後記】
昨日は、五反田で打ち合わせ。
3年前にお目にかかったことがある方でした。
覚えていてくださり、お声かけいただきありがたいです。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

某所
書けないこと

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