「住民税」での検索が増えています。この「住民税」(区民税、市民税)を減らす方法はあるのでしょうか。検証してみます。
今回の住民税は変えられない
5月、6月頃に、住民税の通知が来ます。
会社員の場合は、原則会社で天引きするしくみです。
今通知がある住民税は、去年、つまり2014年の所得(収入とその他の要素)を元に計算しています。
今、何をやっても変えられません。
・今は仕事を辞めている
・今は収入が減っている
・今は支出が多い
・今は貯金が少ない
といった「今」の事情は、残念ながら関係ないのです。
通知された金額で払うしかありません。
変えられないけどチェックは必要
ただ、変えることはできませんが、正しいかどうかのチェックはやっておきましょう。
住民税が間違っていて、多すぎるまたは少なすぎる場合もあるからです。
会社員の場合は、会社でやった年末調整の結果を基に住民税が計算されます。
年末調整で間違っていれば、住民税も当然間違えることになるのです。
この場合、所得税も住民税も損している可能性があります。
会社に問い合わせてみましょう。
チェックする方法はこちらの記事にまとめてあります。
【関連記事】住民税が「高い!」と思ったときに、ざっくりチェックする方法 | EX-IT
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来年の住民税を減らすために今年できること
では、来年の住民税を減らすために今年できることはあるのでしょうか。
あるにはありますが、そもそも税金を減らすために何かをすることは好ましくなりません。
税金を減らすとお金が出ていくことになるからです。
「税金を払うくらいなら」といって、意思決定するとほとんどの場合、損をします。
住民税を減らす策として考えられるものを挙げてみました。
1 配偶者の給料を年間103万円以下に抑える
今年の配偶者の給料を年間103万円以下におさえると、来年の住民税は減ります。
配偶者控除というものの対象になり、35,000円控除されるからです。
(所得税は38,000円、住民税は35,000円です)
ただ、あくまで控除の額ですので、35,000円の10%である3,500円しか安くなりません。
金額的にもメリットは少なく、それだけのために、給料を抑えるのは意味がないでしょう。
(扶養手当、所得税の観点から総合的に考えるべきですが)
子供(扶養控除。16歳未満)も同じことがいえます。
2 住宅をローンで買う
住宅をローンで買うと税金上の控除があります。
一定の場合、住民税からも控除されますが、そのために住宅を買うのはおすすめしません。
【関連記事】9ヶ月かかってようやく売れた今、マンションはもう買わないと決めた5つの理由 | EX-IT
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3 医療費を確定申告する
医療費を使って確定申告すれば、住民税は確かに安くなります。
ただし、原則として10万円以上の医療費を使った場合です。
30万円を使った場合、30万円ー10万円の20万円が対象となり、20万円×10%=2万円が安くなります。
しかし、医療費がかかるということは、本来いいことではありません。
医療費ゼロの方が健康と言うことですし、いいに決まっています。
制度として知っていることは大事で、結果として住民税を安くできるなら、活用すべきですが、それありきではいけません。
4 ふるさと納税をする
「ふるさと納税をすると節税になる」と思われるかもしれませんが、決して「節税」ではありません。
ふるさと納税とは、自分の住民税の一部を、ふるさと納税先(寄付先)に支払うことができる制度です。
支払う税金の総額は変わりません。
ただし、ふるさと納税をして特産物をもらえるケースがありますので、その場合はメリットがあります。
【関連記事】特産物ももらえる【ふるさと納税】が変わった。上限額2倍&【ふるさと納税ワンストップ特例】で確定申告不要 | EX-IT
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5 特定支出控除で経費を入れる
会社員で、経費を入れることができる、スーツを経費できる制度があります。
これを使えば住民税が安くなると思われる方も多いかもしれません。
ただ、この制度自体、現実的に使えません。
住民税を安くするのも難しいです。
【関連記事】スーツを経費にできるサラリーマンの節税策が使えない6つの理由 | EX-IT
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6 副業をして損を出す
「副業をして、損を出せば、給料の税金が安くなる」とよく言われています。
ただし、その副業の内容によっては、安くならないことも多いです。
できないことはありませんが、いくぶんグレーになる可能性も高くなります。
【関連記事】副業は事業?青色? 「会社員の副業の税金」完全ガイド | EX-IT
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7 不動産投資をして損を出す
これも6と同じです。
不動産投資で損を出し、給料と通算することにより、一時的には税金が安くなりますが、効果は限定的です。
税金を安くするために不動産投資というリスクを負うのはおすすめできません。
もちろん、結果的に、節税になることはありますが、総合的に考える必要があります。
まとめ
結論としては、住民税を安くすることは難しいです。
そもそも会社員の給料に対する税金は、源泉徴収、年末調整という制度により逃れにくくなっています。
そのかわり、一定の優遇があるのです。
給料の全部に税金がかかるわけではなく、たとえば、年間500万円なら、税金の対象となるのは346万円、1,000万円なら780万円です。
多少は優遇されているかわり、逃れられません。
その分、自分で計算しなくてもいいのです。
一方で個人事業、フリーランスだと、給料ほどの優遇はなく、自分で計算する必要があり、[税金を減らせている感覚]はあります
また、
・年末調整(所得税)は、すでに引かれた税金が戻ってくるもの
・住民税は、これから税金を払うもの
という性質の違い、
・所得税は、5%〜という所得に応じて税率が変わる
・住民税は、一律10%という税率
という仕組みの違いも、住民税を負担に感じる原因です。
そうはいっても、違和感があるとき、いくらなんでも高いなぁ。。と思うときは、会社や役所に聞いてみましょう。
しくみを知ることで、住民税への負担感は減ります。
・・・といっても高いと感じますけどね。。
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