キャッシュレスが進む中、香典・祝儀はキャッシュレスが可能かどうか考えてみました。
※香典袋 by Leica M10
香典・祝儀キャッシュレスのメリット
キャッシュレスが少しずつ進んでいる中、「現金を使う」場面として思い浮かべるのは香典や祝儀です。
もしこれらがキャッシュレス化すると次のようなメリットが考えられます
払う側
・現金をおろさなくていい(キャッシュレス化が進むにつれて現金をおろすということ自体が負担になりつつある)
・袋を準備しなくていい
・当日会場に持って行かなくていい
・筆ペンを準備しなくていい
・書かなくていい
・当日受付で費やす時間を減らせる
受け取る側
・現金の管理を会場で気にしなくていい
・受け取った袋を開いて現金を整理するということをしなくていい
・名前と金額を別途管理しなくていい
・現金を ATM に持って行かなくていい
双方にいえることは、記事執筆現在の状況であれば紙幣に少なからず新型コロナウイルスの可能性があると言われている以上、その対策としてもメリットがあるでしょう 。
払う側、受け取る側、どちらも私は経験したことがあります。
香典は遺族としてですが。
税理士という仕事柄か、管理を任されることもあり、しかたないことではあるのですが1つずつ袋を開いてExcelに入力するということはそれなりの手間ではあります。
香典・祝儀のキャッシュレス化は、双方それなりにメリットはあるとは思いますが、壁があるのも事実です
香典・祝儀のキャッシュレスをやるなら
香典祝儀のキャッシュレスをやるなら次のような方法があるでしょう。
香典と祝儀に分けて考えてみました。
香典
香典でキャッシュレスなんてと思われるかもしれませんが、ネットで検索すると対応している葬儀社は出てきました。
カード決済ができ、葬儀社側で預かり、それぞれに電話で確認してから遺族に渡すとのことです。
「で、電話……」と思いましたが、このタイミングで導入しているのはすばらしいなと思います。
香典の場合、事前に通知を送るというわけではないので、キャッシュレス対応であることを伝えるのが1つの壁でしょう
キャッシュレスが浸透してくれば、通夜や葬式に行くとなったとき、「今回はキャッシュレス対応か」を確認するでしょうが、現時点では、そうもいきません。
現実的に考えると通夜の案内や訃報のときに「キャッシュレス対応」であり、「どのキャッシュレスに対応しているか」を伝えることになります。
現金で準備して会場でいざキャッシュレスとわかっても意味がありませんので。
キャッシュレスにもいろいろあり、どれが現実的か考えると、カードを現場で読み取るようにしてカード決済というのが最もスムーズかなと思います。
(たとえば、Squareならカードリーダーをスマホに挿して決済できます)
ただカード決済すると4%ほどの手数料がかかるのが難点です。
葬儀社側でカード決済を入れた場合、システム利用料がかかるなら、それはそれで負担になります。
事前振込みだと名義との入金確認の手間もあるので、キャッシュレスであればカード決済かなと。
QR コードを準備してスマホ決済たとえば PayPayでやるということもできなくはありません。
ただ個人間送金という形になるので、登録をニックネームにしていると誰かわからないというケースも出てきたりはします。
また、香典の場合は通常で考えれば参加者の年齢層が高くなりますので、キャッシュレス対応というのはなかなか難しいかもしれません。
ただ年齢層が高いからこそ会場に赴けない場合もあるでしょうし、 ATM に足を運んで現金をおろすということを避けたいということもあるでしょう
私たちの世代が70、80歳代になったらキャッシュレスも浸透するかもしれません。
祝儀
祝儀の場合は、通常招待状を出す形ですので、キャッシュレス対応であればそこに記載することはできます。
その点は香典よりはキャッシュレス対応しやすいかなというところです。
キャッシュレス決済の期限を区切れば、当日の管理もしやすくなります。
現金がいい方は現金、そうでないこと方はキャッシュレスという区分けもできるでしょう。
そしてその招待状もネット経由で出せば決済のリンクを貼り、カード決済していただくということも、かんたんにできます。
結婚式の招待状がネットなんてと思われるかもしれませんが、私は自分の結婚式のときにネットで出しました。
出席の場合は、出席のボタンをクリックしていただければいいだけです
こちらのコストもかかりませんし、出席者側も投函する手間がありません。
その後友人からいただいた結婚式の招待状もネットでした。
香典・祝儀のキャッシュレス化の壁
香典・祝儀のキャッシュレス化は技術的にはもうすでにできる状態ではあります。
ただどちらの場合も「キャッシュレス決済でいいのか」という問題があるでしょう。
・現金で渡すべき
・現金じゃないと失礼だ
・豪華な袋がないとだめだ
などという考え方もあり、こういった問題はキャッシュレス化全般にいえることです。
今やネットや店頭でキャッシュレス決済をする方も増えてきていますが、最初に使うときにはいろんな心理的な壁があったのではないでしょうか。
新しいものを取り入れるときはそんなものです。
私は仕事上、提供するサービスの代金はすべてキャッシュレス決済(振込、カード)にさせていただいております。
現金じゃないとダメだということはまったくありません。
自分が払う側としても、ほぼキャッシュレス決済です。
今は逆に現金しか使えない店には行かない主義です。
病院もキャッシュレス決済できるだけで(もちろんそれだけではありませんが)好きになります。
生活や仕事にキャッシュレス決済が馴染んでいく中、最後の心理的な砦としては、この香典や祝儀ではないでしょうか。
だからこそ今回題材として取り上げました。
メインテーマとしては、「キャッシュレス決済の心理的な壁を取り除きましょう」ということです。
現金はさまざまな場面で手間がかかりますので。
人類全体の時間をつくり出すためにもキャッシュレス決済は広まってほしいなと思っています。
もちろんキャッシュレス決済に慣れるまでには時間がかかりますが、すべてのことは慣れるまでに時間がかかることですし、使わなければ慣れていきません。
香典・祝儀とはいかなくても(機会も少ないでしょうし)、受け取る側、支払う側双方で、キャッシュレス決済に挑戦していきましょう。
■編集後記
読んでいない本がたまってきたので、昨日から読みすすめています。
今日、ブックオフの集荷がくるので、それまで集中して勉強する予定です。
■「1日1新」
週刊少年ジャンプ電子版
■娘(3歳7ヶ月)日記
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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