カメラの種類のうち、マイクロフォーサーズとフルサイズを、同様のレンズで比較してみました。
※マイクロフォーサーズとフルサイズのカメラ by Leica M10
センサーサイズによるカメラの分類
カメラ(ミラーレス一眼)は、そのセンサーによって、3つに区分されます。
センサーが小さい順に、
・マイクロフォーサーズ
・APS-C
・フルサイズ
です。
センサーが小さい順に、安い・小さい・軽い、そして背景がボケにくいという傾向があります。
イメージとしてこれくらい違いです。
私は
・マイクロフォーサーズ(Panasonic G9 PRO)
・フルサイズ(Leica M10、SIGMA fp)
を使っています。
同様のレンズでマイクロフォーサーズ(Panasonic G9 PRO)とフルサイズ(SIGMA fp)を比較してみました。
マイクロフォーサーズとフルサイズの比較
比較したのは次のレンズです。
・マイクロフォーサーズ(Panasonic G9 PRO) OLYMPUS 12-100mm F4
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G9 ボディ ブラック DC-G9-K
OLYMPUS マイクロフォーサーズレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 高倍率ズームレンズ 防塵防滴
・フルサイズ(SIGMA fp) Panasonic 24-105mm F4
SIGMA フルサイズミラーレス一眼カメラ fp & 45mm F2.8 DG DN kit ブラック 937317
LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.
マイクロフォーサーズの場合は、センサーサイズが小さいので、焦点距離(◯mm)を2倍し、フルサイズの焦点距離に換算する必要があります。
12-100mmは、24-200mmとなり、24mm(広い範囲)から200mm(狭く遠い範囲)のズームができるということです。
それぞれF4という明るさ(数字が小さいほど明るくボケる)ですが、マイクロフォーサーズの場合は、センサーサイズが小さいので、フルサイズに換算すると2倍のF値になります。
通常、F値は、1.4 2 2.8 3.5 4 5.6 8……。
マイクロフォーサーズのF4は、フルサイズのF8に相当する感じです。
こういったことを比較してみました。
左がマイクロフォーサーズ(Panasonic G9 PRO)、右がフルサイズ(SIGMA fp)です。
カメラ性能の違いもあるでしょうが。
100mmF4。
右のフルサイズのほうがボケます。
50mmF4。
右のフルサイズは、50mmでもボケます。
一般的に、焦点距離が短く(数値が小さく)なれば、ボケにくくなります。
24mmF4。
右のフルサイズは、24mmでもほんのりボケます。
角度がちょっと違うのですが、左はマイクロフォーサーズの100mmF4で、右のフルサイズ100mmのF値を変えてみました。
これがF5.6。
フルサイズのほうがボケは大きいです。
これがフルサイズのF8。
マイクロフォーサーズのF4とフルサイズのF8が同じと言われているとおり、ボケは同じくらいかと。
これがフルサイズのF11。
F11でもフルサイズはボケます。
被写体との距離にもよりますが。
近づくほどにボケます。
別の場面で比較。
どちらも100mmF4です。
右のフルサイズは、ちょっと奥にある花もボケています。
室内にて。
中距離にあるアイアンマンを50mmF4で撮ってみました。
左のマイクロフォーサーズはほとんどボケず、右のフルサイズはボケています。
背景が遠いパターン。
右のフルサイズのほうがボケていますが、ボケればいいというものではないので、左のマイクロフォーサーズもいい感じです。
実際には、フルサイズでもF値を大きくして背景を活かすことになります。
マイクロフォーサーズとフルサイズ 選ぶ基準
センサーサイズが大きいフルサイズのほうが、ボケるから絶対いいというわけではありません。
一般的に、フルサイズだと、本体もレンズも、大きく重く高くなりますので。
ただ、あくまで「一般的」なのです。
今回使った機材を比較してみました。
価格のカッコ内は、中古で状態のいいもの。
マイクロフォーサーズ | フルサイズ | |
カメラ | Panasonic G9 PRO | SIGMA fp |
重量 | 586g | 370g |
価格 | 126,000円(100,000円) | 198,000円(158,000円) |
発売年 | 2018年 | 2019年 |
レンズ | OLYMPUS 12-100mm F4.0 | Panasonic 24-105mm F4 |
重量 | 561g | 680g |
価格 | 145,000円(110,000円) | 138,000円(120,000円) |
発売年 | 2016年 | 2019年 |
こう見ていただくと、フルサイズのほうが、大きい・重い・高いとは言えません。
近年の技術の進化により、フルサイズの本体も小さく軽くなっています。
ときには安いことも。
今回の事例に使ったPanasonic G9 PROは、マイクロフォーサーズの最高峰とも言えるもの。
ただ、2018年と発売年が古いからか、安くなっています。
いわばバーゲンプライスかと。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G9 ボディ ブラック DC-G9-K
2019年に出たḠ99は、ほぼ同じ性能で、100g軽く、新品で11万円ほど。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G99 ボディ 2030万画素 ブラック DC-G99-K
悩みどころですが、AF(オートフォーカス)性能がいいG9にしました。
(fpがAF弱いので)
レンズは、OLYMPUS12-100mmF4が高くなっていますが、これは、24-200mmですので、より遠くも写すことができます。
その分と、マイクロフォーサーズ内での相対的な位置づけで、高くはなっているかなと。
Panasonic 24-105mmF4は、標準レンズといわれる、24-105(24-70)では、安く、うつりもいいです。
Lマウントで、Leica、Panasonic、SIGMAの本体で使えます。
さらにマクロ(ハーフマクロ、1/2の大きさで写せる)つきです。
OLYMPUS12-100mmF4もかなり近くに寄って撮れますが。
今回の2つのレンズだと、私は、フルサイズのPanasonic 24-105mm F4がいいかなと。
実際この2つのレンズを交換しました。
24-105mmの範囲で、ほんのりボケるのが気に入っています。
さらにボケを求めるなら、24-70mmのF2.8がありますが、焦点距離は短く、重く(830gほど)なります。
ボケでいえば、やはり単焦点のF1.4のほうがボケるので、F2.8で無理に求めず、ズームレンズは、便利さ(焦点距離の範囲の大きさ)を優先したほうがいいかなという結論です。今のところ。
じゃあ、なぜ、マイクロフォーサーズのカメラを使っているか。
やはりレンズが安く、小さく、軽く、写りがいいということがあります。
単焦点だとこんな感じです。
「マイクロフォーサーズだとボケない」というわけではありません。
これは、42.5mmF1.2。フルサイズ換算で85mmF2.4というところです。
中距離でもほどよくボケます。
「雨がふってきたー」と走る娘。
これは、25mmF1.4。
フルサイズ換算で50mmF2.8。
マイクロフォーサーズでボケを求めるなら、F1.2、F1.4 、F1.7 などF2以下で探すといいでしょうね。
いいレンズがあります。
マイクロフォーサーズは暗く、夜に弱い(高感度に弱い)とも言われていますが、Panasonic G9 PROだとそうでもないかなと。
また、マイクロフォーサーズは望遠レンズが小さく軽いのも魅力です。
200mmF2.8を気に入っています。
このレンズのためにマイクロフォーサーズにしたのですが、それ以外の単焦点も気に入りました。
ただ、マイクロフォーサーズの将来性でいうと、少々心配な点も。
マイクロフォーサーズはPanasonicとOLYMPUS。
OLYMPUSはカメラ事業を譲渡し、2021年から新会社OMデジタルソリューションズ株式会社になりました。
Panasonicは、マイクロフォーサーズとフルサイズを出しており、最近軸足はフルサイズのような……。
2021年に新型センサーが出れば、また話は変わりますが。
なお、フルサイズとマイクロフォーサーズはメーカーが同じでもレンズを相互に使うことはできません。
SIGMA fpをはじめ、小さいフルサイズ(Sonyのα7Ç=424g、EOS RP=440gなど。)が出てきているという状況もあります。
(Panasonic S5は630g、それなりに大きいです)
なお、SIGMA fpは手ブレ補正なし、ファインダーなし、液晶画面が動かないなどクセがあるのでご注意を。
まあ、そのクセがまたいいのですが。
マイクロフォーサーズとフルサイズ。
今後買うという方は、Panasonic G9 PRO、SIGMA fpのどちらもおすすめです。
が、フルサイズで大きさを気にしないならSONYのα7Ⅲが順当でしょうね。
大きいですけど565gですし。
純正のレンズは高いのですが、サードパーティのレンズでいいものがあります。
(と思ったら、純正レンズで手頃な値段、小さくて軽いものが発表されました。フルサイズもやはり小型化の流れが出てきています)
フルサイズで、小さいのがいいなら、α7Ç、fp、RPのうちのいずれか。
ただ、ミラーレス一眼デビューで、いろいろレンズを試したいなら、マイクロフォーサーズのほうが財布に優しいです。
マイクロフォーサーズを使っていると、APS-C、フルサイズが気になるという病もありますけど、センサーサイズだけが写真のよさを左右するわけではありませんので。
ただ、今回記事にしたように、ボケの量は、いかんともし難い部分があります。
被写体に近づいたり、焦点距離が長いレンズを使ったり、背景を遠くに配置したりとやりようはありますが。
動画・Zoomで背景にボケをつくる方法。デジカメのレンズの選び方。
迷うならフルサイズでしょうね。
参考にしていただければ。
■編集後記
RPA記事の執筆依頼をいただきました。
書くのが楽しみです。
今度は、Power Automate Desktopで書こうかなと思っています。
■「1日1新」
SIGMA 45mmF2.8
■娘(4歳0ヶ月)日記
昨日は、ディズニーの『リメンバー・ミー』。
悲しいシーンでは、グスングスン泣きます。
それがまたかわいいのですが。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本
「繁忙期」でもやりたいことを諦めない! 税理士のための業務効率化マニュアル
ひとり税理士の自宅仕事術
リモート経理完全マニュアル――小さな会社にお金を残す87のノウハウ
ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
税理士のためのRPA入門~一歩踏み出せば変えられる!業務効率化の方法~
やってはいけないExcel――「やってはいけない」がわかると「Excelの正解」がわかる
AI時代のひとり税理士
新版 そのまま使える 経理&会計のためのExcel入門
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
【監修】十人十色の「ひとり税理士」という生き方