独立後は必ずしも拡大しなければいけないわけではありません。
それは幸せなことでもあります。
※六本木にて by α6400
時短と拡大の両立
時短。
・仕事をする時間を減らす
・残業をしない
・きちんと休みを取る
といったことと、拡大=売上を増やしていくことを両立するのは、なかなか難しいものです。
組織であればその両立を強いられることはあるでしょうし、株主の期待に応えるためそうせざるを得ない場合もあります。
今まで残業3時間を加えて11時間で達成してきた売上を、8時間さらには7時間、6時間、5時間でと時間を減らしながら増やしていくというのはなかなか難しいゲームでしょう。
かといって11時間を12時間、13時間、14時間と今までのように売上を増やしていっても限界はあります。
独立後、誰もがその道を進まなければいけないわけではなく、ひとりで仕事をしているのであれば拡大しなければいけないわけではありません。
食べていくということと、どんどん拡大していくというのはまた別物です。
人を雇ってオフィスを借りて……となると拡大せざるを得なくなりますが、そうではなくひとりであるなら、拡大を考えず時短だけを考えればいいということになります。
(その分、代わりがいないとか大変なこともあるのでどっちもどっちですが)
時短は拡大を考えなければうまくいく
時短するのであれば拡大を考えなければ、うまくいきます。
売上を維持または売上を減らすことによって、時短がしやすくなるからです。
たとえば1000万円の売上を900万円にして、月の仕事の時間を20時間減らすということは不可能ではありません。
その100万円を時短投資と考えて時間をつくり、その時間をプライベートにあてたり、未来の仕事にあてたり、現状を見直したりすることができるわけです。
拡大をいったんあきらめて、時短に集中して足元を固めていきましょう。
先ほどの例でいえば、食べていくのに1000万円の売上が絶対必要だというのであれば減らすことはできません。
しかしながら多くの場合、食べていける売上以上であっても、それを減らすという選択はしづらいものです。
売上を減らすというわけではなく、時間をつくるために必要な投資として考えてみましょう。
時間をつくるための投資として、
・お金を100万円使う
ことと、
・入ってくるお金を100万円減らす
というのは同じことです。
売上が減るのは「負け」ではありません。
私は独立して12年ちょっとの間、それなりのタイミングで時間をつくるために売上を減らすということをやってきました。
時短して自然と売上が増える状態
時短して、売上を減らし続けるわけではなく、時短しつつも自然と売上が上がる状態を目指しましょう。
時間をやみくもにかけて売上を増やすのではなく、時間を減らしつつそれでも売上が増える状態です。
最終的には時短と拡大を目指すと思われるかもしれませんが、拡大というイメージではありません。
じわっと増えていくようなイメージです。
トライアスロンで、やみくもに力を入れてもタイムは縮まりません。
力を抜いて、自然といい結果が出るのがいい状態といえます。
もちろん時短してすぐに成果は出るわけではなく、つくった時間で何かしらの投資をして、その成果がその後に出てくる感じです。
一時期、売上が減っても食べていければいいじゃないかぐらいに考えておきましょう。
(無理して頑張っても一生食べていけるほどは稼げませんし)
私の12年の売上はこんな感じです。
2009年から2012年まで意識して仕事を減らしつつ、自分の軸を模索していた時期は大きかったなと思っています。
この時期に売上を減らしていなかったら今の私はないでしょう。
独立したら売上は徐々に上がっていくものですので、どこかで1回、早いうちに前年より売上が減るというのを経験しておきましょう。
1回経験すれば、まあこんなもんだと思って慣れますので。
増収増益というのが理想ですけど、1回捨ててしまえばなんてことありません。
増収増益じゃないからといって株価が下がるわけでも(そもそも株価ないですし)、仕事の依頼が減るというわけではありませんし。
その後、2015年以降も、時短改革は続き、2016年、2018年に成果がたまたま出たという感じです。
かっこよくいえば、時短の投資が実ったともいえますが。
ただ2015年以降の時短改革は、それなりに進んで、2017年に娘が生まれたこともあり、生き方を大きく変えることができました。
2019年は、3か月の入院もあったんで売上ガクンと下がりますが、一応仕込みをしているつもりなので、2020年に成果が出るかどうかです。
88日入院・売上58%減を経験しても、人を雇わない理由 | EX-IT
そして時短するのであればやるべきことは、ただ1つ時間を区切ることです。
たとえば1日8時間使って絶対それ以外は仕事をしないと決めて守ることが、時短スキルにつながります。
もっといえば、その半分4時間で食べていけるぐらいの負荷をかけたほうが、時短スキルは間違いなく上がります上がるものです。
業務改善・効率化より時間制限・天引き。1日4時間に制限してみよう。 | EX-IT
負荷のないトレーニング、1gのダンベルは意味がありません。
自分にルールを課し、厳しくすることは、バカにされることはありますが、私はそれでも自分に厳しくすることが成果につながり、しいてはお客様に貢献できることと確信しています。
時短を意識すると、仕事の依頼の受け方から考えるようになりますし、新しい仕事を断る、既存の仕事を断らなければいけないという決断もできるものです。
時間が限られているといっても、本気で取り組めるかどうか。
拡大を目指さなくてもいいのですから、時短に集中して取り組んでみましょう。
■編集後記
昨日は、六本木でイベントに参加して、その後、そのまま六本木で仕事。
夕方から豊洲に移動して、映画でした。
六本木 ラトリエ デュ パン
六本木ヒルズクラブ
■娘(2歳)日記
野菜を食べないので、うんちに苦労しています。
30分くらいうなることも……。
昨日もそうでした。
そういうときは「野菜食べる」というのですが。
■著書
『税理士のためのプログラミング -ChatGPTで知識ゼロから始める本-』
『すべてをがんばりすぎなくてもいい!顧問先の満足度を高める税理士業務の見極め方』
ひとり税理士のギモンに答える128問128答
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ひとり税理士の自宅仕事術
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ひとり税理士のセーフティネットとリスクマネジメント
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