「副業で赤字を出せば税金が戻ってくる」という仕事をやっていない理由

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副業をしている方からの仕事のご依頼はありますが、「副業で赤字をつくると税金が戻ってくる」という仕事はしていません。
望まない仕事の依頼がない状態を目指したいものです。

※「300万以下なら雑所得になるってよ」 by Leica M10+50mmF1.4

「副業を赤字にすれば、税金が戻ってくる」

個人の税金は、10種類に分けることができます。

代表的なものは、
・給料=給与所得
・事業=事業所得
・不動産の収入=不動産所得
・売ったときの収入=譲渡所得
・一時的な収入=一時所得
などといったものです。

そして、それ以外のもの=雑所得があります。
メインで事業をしていれば、一般的には、事業所得、副業だと一般的には雑所得です。
ただ、副業=雑所得というわけではありません。

事業所得と雑所得のどちらになるかによって、税金のルールが変わってきます。
その違いの1つは、赤字になった場合。

たとえば、
・給料で50万円の税金を払っている(差し引かれている)
・副業でYouTube、年で1万円の売上、経費が50万円
・利益は、1万円- 50万円= -49万円
というケースとします。

この場合、
雑所得だと、税金には影響ありません。
(利益が20万円以下で、確定申告をしないのなら、何もする必要なし)

事業所得とすると、-49万円の赤字と、給料を合算でき、結果、給料の税金50万円の全部または一部が戻ってきます。
還付というものです。

これがOKなのかどうか。

副業の金額、継続しているか、給料とのバランス、経費の内容などから判断します。
年1万円に対して50万円の経費だと事業とするのは厳しいでしょう。

・税務署に何も言われていない→見つけても言わない場合も。金額にもよりますし、担当の方にもよります
・開業届を出した→開業届を出せば事業というものでもありません
・開業届を受け取ってもらえた→受け取るだけです。あとでダメ出しはあります。
・税務調査は入っていない→個人だとほとんど入りませんし、入らないからOKでもありません。過去にさかのぼってダメ出しはあります
・屋号がある→屋号は関係ないです。
・毎月収入がある→「毎月」というのが事業の要素の1つではありますが、金額や内容にもよります。逆に毎月の売上がなくても事業になる場合も。
・本に書いてあった→本に書いてあるからOKというものでもありません。
・ネットに書いてあった→上記と同様。
・みんなやってる→上記と同様。
・税理士がいいと言った→上記と同様。

この問題で、金額の基準がつくられるという案が出ています。
(2022年8月26日現在)
300万円というものです。

売上300万円という基準

「副業で年間売上が300万円以下だと、雑所得」という基準になる案があります。
おそらくこのまま行くかと。

300万円以下だからダメというわけではなく、あくまで判断基準の1つです。

この基準に限らず、いずれにせよ、「意図的にマイナスをつくって給料の税金を取り戻す!」というのは好きではありません。
もちろん税金を払うべき!というわけではなく、まっとうな節税は大事です。
ただ、こえてはいけない一線はあります。
これは、税理士がどうこうではなく、己の正義です。

税理士業として、これまでもそういうたぐいの仕事はしたことはありませんし、今後も、そういった仕事をするつもりはありません。
「事業所得」の事業(法人での事業も含む)は、そういった覚悟も必要です。

最初のうちは仕事の依頼を断ること必要がありますが、断らなくていい状態を目指していきましょう。

仕事の依頼の3レベル

独立後、事業としての仕事の依頼は、次の3つの段階があります。

レベル1 依頼をお断りする

自分が好まない仕事の依頼があったらどうするか。
正直、そのときの財政状況によるでしょうが、それでも一線はひいておきたいものです。
私も今ならお断りする仕事を、独立当初していたこともありますし、独立当初でも断っていたこともあります。
その一線の位置が変わってくるということです。

「意図的にマイナスをつくって給料の税金を取り戻す!」というのは、独立当初からの一線でした。
打診の時点でお断りしたこともありますし、お断りしたことで仕事がなくなったこともあります。
それはそれで、今後の財産です。

一線をこえる依頼は、お断りしていきましょう。

レベル2 事前に依頼をお断りする

次のレベルは、意図しない依頼を、事前にお断りすること。
ホームページ、メニューなどに注意書きをすることです。
こういう仕事は受けませんと。

そうすれば、依頼があることはなく、お互い効率的です。

お断りするのは、多少なりともエネルギーが必要なこと。
それを事前に避けるのがレベル2です。

レベル3 望まない依頼がない

そして、レベル3は、望まない依頼がなくなること。
レベル2で、注意書きを事前に出していてもそれをご覧いただけるとは限りません。
完全には防ぐことができないでしょう。

レベル3は、その覚悟が自分にできること。
覚悟と望まない依頼は関係があると思っています。
もし、望まない依頼があるなら、自分の覚悟が足りないのかもしれないと自責で考えるのがおすすめです。
もちろん、メニューや発信を見直すとともに。

独立して食べていくのは、独立していない方とまた違った覚悟が必要です。
その覚悟を応援する仕事をしています。
(副業でも覚悟をお持ちの方ならまったく問題ありません。)

給料は、
・安定(一応)
・税金上も優遇されている(給与所得控除というものがあります)
という特徴があります。
そのかわり、節税はしにくいのです。

一方で、独立=個人事業主・法人は、
・不安定
・税金上、経理が必要で、税務調査もありうる
という特徴があります。
そのかわり、独立前よりも、自由度はあり、節税手法はあるのです。
といっても、事業でマイナスだったら、食べていけなくなりますけどね。
(青色申告をしていれば、その赤字を3年間繰越はできますが)

安定・不安定、節税しにくい・節税しやすい、どっちをとるかです。
両方!というのは難しいかと。

事業とは、利益を出し、その利益を元にさらなる貢献をするもの。
結果的にともかく、意図的に赤字、マイナスというのはありえません。

 

 



■編集後記
昨日は、午後に個別コンサルティング。
効率化についてExcelやマクロを。

PS5のガンダムゲームの発売日でしたので、早速。
今回はアタリかもです。
いい感じで、各ガンダムがミックスされています。
アクションの爽快感もなかなか。

1日1新Kindle『1日1新』Instagram『1日1新』
PS5 SDガンダム バトルアライアンス

■娘(5歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
「緊張する〜」と、しきりに言います。
どこで覚えたのかわかりませんが、本能なのかどうか。
「なんだったっけ?」とよく忘れることがあるので、「緊張も忘れたら?」と言っていますけど、なかなか。
ベタですけど、人の字を手に書いて飲むというのも教えました。
ダンスの発表、緊張せずに楽しんでくれればいいのですが……。
まあ、パパも昔は緊張しがちでしたけど。

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