昨日、石川県羽咋市商工会議所でセミナー講師をつとめてきました。
テーマは、消費税です。
消費税転嫁対策とは
消費税転嫁対策
今回のセミナーのテーマは消費税転嫁対策です。
消費税転嫁対策とは、「消費税アップを価格に正しく反映させるための対策」で、次のような法律があります。
転嫁拒否があった場合、転嫁拒否をした会社は、会社名を公表の上、勧告するという制度です。
転嫁拒否の例としては、減額、買いたたき、見返りの要求、本体価格(税抜価格)での交渉拒否があります。
6月末現在の指導、勧告の状況は次のとおりです。
転嫁拒否を取り締まるといっても、それを通報するのはなかなか難しい面もあるでしょう。
一応、通報したからといって取引停止や条件変更をすることを禁止する「報復行為の禁止」も同法律には含まれますが、表面化されていない問題もまだまだあると思われます。
ただ、消費税3%→5%と比べると、認識もすすみ、転嫁状況はそれほどわるくないという調査結果もあります。
増税分を支払わなかったケース
最近では、スポーツクラブのルネサンスが勧告されました。
NHKより引用します。
公正取引委員会は、フィットネスクラブ大手の「ルネサンス」がインストラクターに対し、業務委託料に消費税率の引き上げ分を上乗せしないとする内容の文書を通知していたことが、法律で禁止された消費税の転嫁拒否に当たるとして、再発防止を求める勧告を行いました。
公正取引委員会によりますと、「ルネサンス」は全国のスポーツクラブで、インストラクターおよそ2000人にテニスやエアロビクスなどのレッスンを委託していますが、業務委託料に消費税の増税分を上乗せしないとする内容の文書を通知していたということです。このため、公正取引委員会は、今回の行為は消費税の転嫁拒否に当たるとして、消費税転嫁対策特別措置法に基づいて企業名を公表するとともに、再発防止を求める勧告を行いました。
消費増税分を払わなかったことについて、ルネサンスは、個人事業主に当たるインストラクターには消費税を支払わなくてもよいと認識していたと説明しています。
勧告を受けたルネサンスは、4月以降の増税分をインストラクターにすべて支払ったとしたうえで、「インストラクターの皆様に心配と迷惑をかけたことを深くおわびします。勧告を真摯(しんし)に受け止め、社内体制の整備に努めたい」としています。
今回の消費税率の引き上げによる転嫁拒否で勧告が出されたのは、これで6件になりました。
これをみると、
業務委託料に消費税の増税分を上乗せしないとする内容の文書を通知していた
とあります。
約2,000人のインストラクターに、そういった文書を通知していたのが驚きです。
その理由として、
ルネサンスは、個人事業主に当たるインストラクターには消費税を支払わなくてもよいと認識していたと説明しています。
とありますが、これはまちがいです。
個人事業主だから消費税を払わなくていいと言うことはありません。
あと半年!消費税が8%になるまでに確認しておきたい「よくある3つの誤解」 | EX-IT
買う側・売る側双方で理解すべき
消費税を価格に反映できるかどうかは、買う側、売る側双方で理解しておかなえればいけません。
買う側は、転嫁拒否にならないか、売る側は転嫁拒否をされていないかを確認しておきましょう。
例として次のようなものがあります。
・減額
消費税分を払わないこと
支払い段階で、消費税分を払わないようにする
・買いたたき
低い税込価格で売るように指定すること
消費税5%のときの価格で売るように強制すること
・役務提供の要請
指定する商品を買わなければ消費税の上乗せをしない
売り手にチケット購入や宿泊施設の利用を要請する
消費税上乗せのかわりに、協賛金を要請する
・本体価格での交渉拒否
総額(消費税込み)で見積書を提出させる
総額しか記載できない見積書等を使わせる
・報復行為
公正取引委員会等に、通報したことに対して、不当な扱いをする
数字の見直しを
消費税率は来年の10月(平成27年、2015年10月)から10%になる予定です。
この転嫁問題はますます深刻になるでしょう。
消費税が8%にアップしたのは、今年の4月。
納税額にまだまだ影響はありません。
4月決算の会社だと、消費税5%が11ヶ月、消費税8%が1ヶ月
5月決算の会社だと、消費税5%が10ヶ月、消費税8%が2ヶ月
・・・と、消費税8%の納税の影響は徐々に増えていきます。
一概にはいえませんが、消費税がアップすると納税額も増え、資金繰りも厳しくなるのです。
もちろん預かった税金ですので、支払えるはずですが、資金繰り計画、自社の数字をより厳しくみていく必要があります。
昨日のセミナーでは、資金繰り、数字面の見直し、節税策、日々の経理についてもお話ししました。
価格決定権を持つ
消費税を販売価格に載せられるかどうかという問題ともに、価格決定権を持つようにしなければいけません。
適正な価格を決める、つまり、お客様が満足し、自社が無理をしない価格を決められるかどうかが今後ますます必要になってきます。
価格競争が厳しくなっている今、まともにその競争に加わっていて疲弊してしまいます。
フリーランス、ひとり社長は、なおさらです。
独自性を出し、価格競争しなくてもすむように努力すると、消費税転嫁問題も解決でき、商品、サービス向上のためにその利益を使うことができます。
昨日は、電動自転車を1日レンタル(1,200円)し、前日の宿→宿→神子の里→宿→駅と、25kmほど。
トライアスロンバイクと違い、スピードが出ないのがつらかったです。。。
でも、いい景色でした。神子の里については別途記事にします。
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