8/5〜8/7に税理士試験が行われました。
来年以降の合格確率を上げるためにやっておいた方がいいと思うことをまとめてみます。
最後の税理士試験から11年たつけどやっていることは、ほぼ一緒
私が税理士試験を受けたのは、4回。
平成12年(2000年)から平成15年(2003年)です。
最初の試験は、4月に税理士受験を決意し、ダメ元で5月からの超速修コースで受けました。
(結果は不合格)
最後に試験を受けてから、11年になりますが、受験であれ、人生であれ、仕事であれ、根本的なことは同じで、ずっと同じような考えでやってきています。
むしろ、全身全霊をたたきこんだ受験経験があるから、今があるともいえるでしょう。
(センスのいい人は、大学受験でその経験をし、その後に活かしているのだと思います。私はサボってましたので・・・)
試験の動向や問題の予想なんてことはもちろんできませんが、受験で大事なことは語れます。
受験生減ってるけど、厳しさは変わらない
実は、税理士試験の申込者は年々減っています。
競争が減り、これをチャンスと考えるべきなのかもしれませんが、合格者数が減っているわけでもありません。
申込者数は減っていても、厳しさは変わらないでしょう。
申込者数が減っていることは、業界にとっても世の中にとってもよくないことです。
ただでさえ、高年齢化(平均年齢60歳以上)、保守的な税理士業界。新しい血が入ってこないと刺激も減り、サービスの低下もありうるでしょう。
世の中の新しい流れにもついていけなくなります。
すでに独立している税理士が、かっこいい姿を見せ切れてないことが、受験者の減少を招いているのかもしれません・・・。
税理士試験の合格確率を上げるためにやっておくべきこと
税理士試験で5科目に合格すると、税理士資格をとることができます。
1回に受験できる科目は、現実的には1科目から3科目、働きながらだと1科目から2科目ですので、どうしても複数年になります。
合格確率を上げるために、今の時期、次のことを見直しておきましょう
1 環境を整える
税理士試験は、さまざまな環境の方が受験する試験です。
受験だけに専念できるわけではありません。
それでも受験の環境を整える工夫をしましょう。
残業が多く、十分な勉強ができなかった方は、転職も考えるべきです。
時間がなければ、よほどの才能・運がなければ合格できません。
今の時期は残業がなくても、12月から3月又は5月までは残業だらけというのもNGです。
税理士受験は実質的に9月から7月末までの11ヶ月しか勉強期間がありません。
1日1日が大切なのに、まったく勉強できない期間があると、かなり不利です。
駒としてしか考えていない職場、合格することを望んでいない職場もあります。
税理士業界で、いい人材は、実務ができて試験に受からない人なのです。
受かってしまうと、独立したり、お客様を持って行かれたりしますからね。。。
「そんなこといったって転職なんて・・・」と思うかもしれませんが、やってみないとわからないでしょう。
求人広告を常にチェックし、受けるだけ受けるべきです。
面接時には、
・受験生が在籍しているか(していたか)
・その事務所にいて、合格者が出た実績があるか
・残業、繁忙期、業務の集中度合い
などを聞きましょう。
これらを聞いて、「めんどくさい質問するなぁ・・」と思われるなら入らない方がましです。
その他、勉強しやすい環境として、自宅の設備を見直しましょう。
机と椅子があるか、PCはあるかなどによっても日々の勉強効率が違ってきます。
家族の理解が必要な場合もあるでしょう。
2 9月から8月までノンストップで勉強する
前述したように、11ヶ月しか勉強期間はありません。
「年内はゆっくりと休んで、1月から本気でやろう」と思っていると、合格確率は下がります。
年内も全力で勉強すべきです。
(8月は休んでかまいません)
3 勉強方法を工夫する
ただし、すべてのものを犠牲にしましょうとまでいうつもりはありません。
息抜きも必要ですし、食事や睡眠を犠牲にしてまで勉強しても意味はないでしょう。
少ない時間で、効果的な勉強をする工夫も必要となります。
過去にやっていた勉強方法は、こちらのカテゴリにまとめてありますので参考にしていただければ。
ざっくりまとめると、
・アウトプット(問題演習)重視
・理論はWordで覚える
・論点を自分なりにまとめる
・間違いノートを作る
・スキがあれば勉強する
などです。
□つらいけど楽しかった税理士受験の話題 | EX-IT
4 受験専門校に投資する
なんだかんだいって、大多数の受験生が利用する受験専門校は大事です。
頼りすぎてもいけませんが、学校でいうことは一通り抑えておきましょう。
TACか大原で、可能であれば通学すべきです。
(近くにない場合は仕方ありません)
1科目で年間20万円ほどする受講料。決して安くはありませんが、なんとか工面しつつ、ここは手を抜かないようにしましょう。
これを支払うことによって、プレッシャーもかかりますし、きっちり合格して必要以上に払わないようにしたいものです。
5 現実を知る
厳しい現実を知るということも大事です。
受験にウルトラCはありませんし、たまたま合格するということもありません。
結果につながるのは、日々のコツコツです。
世の中に魔法はありません。
運がわるかった、変な試験問題が出た、残業だらけで勉強できない、職場の空気が悪いなど言い訳はいろいろありますが、すべての自分の責任ととらえて、粛々とやるだけです。
時間を費やしていて成果が出なければ、やり方がまずかったということですし、すべて自分の責任と考えるとかえって楽になります。
6 プロフェッショナルとしての意識を高める
働きながらの受験で大事なのは、目の前の仕事はきっちりこなすことです。
給料も受け取っていて、さらに担当先の方からはプロとしてみられています。
私は、そのプロフェッショナルとしての意識を持つにつれて、勉強にも身が入りました。
税理士業務は、資格を取らなくてもできてしまいます。
(最終的な署名は資格者がやりますが)
ただし、本当の意味で、社会に貢献するには、資格、正確には独立が欠かせません。
プロフェッショナルとしての意識を持てば持つほど、「試験に早く受からなきゃ」という意識が高まるはずです。
「受験中だし・・」「見習いだし・・」と思っていると、仕事も試験も中途半端になります。
資格を取らずに税理士事務所で働くことも、本来中途半端なのです。早く抜け出しましょう。
まとめ
冒頭に書いたように、多少言葉は異なりますが、この6つは今でもやっています。
1 環境を整える
2 常に仕事をし続ける(ON・OFF、マイルールはあります)
3 仕事のやり方を工夫する
4 勉強、学びに投資する
5 現実を知る
6 プロフェッショナルとしての意識を高める
厳しいことも書いたのは、私自身結構苦しい受験時代を過ごしたからです。
それくらいやらなければ合格はできなかったと思います。
もっと楽に合格できている方もいるでしょうけどね。。
意識を変える意味で、ネット上に情報発信している税理士をウォッチするのも1つの手です。
自分が向かいたい方向性の税理士を選べばいいでしょう。
大きな税理士法人の経営したいのか、企業や税理士法人に入って活躍したいのか、うちのようにひとり税理士なのか、合格後のイメージをいだくことも大事です。
私は経営の才に欠けるため、今のようなスタイルになってしまいましたが、それを償うべく、このブログやメルマガ、書籍で情報を発信しています。
メルマガ『税理士進化論』は、土日祝を除く毎日配信です。
近々受験生限定のセミナーや、FBグループの立ち上げも予定しています。
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マリアージュフレール
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